25才男子が1人で中村映劇に行ってみた。

中村映劇、そこは名古屋唯一の成人映画館。
シネマスコーレに行き始めてから、中村映劇についての情報も得ていたのだけれど、成人映画とあって中々足を踏み入れる勇気がなかった。しかし、少し前に、以前住んでいた金沢にある駅前シネマ(成人映画館)が閉館したとの話を聞いて、これはいつ中村映劇も閉館になるかわからないし、映画文化の1つとして体験しておくべきだと思い、恥ずかしいの度外視で行ってみることにした。今回はそのレポートをまとめてみたいと思う。

画像1

中村映劇は名古屋駅から一駅いった中村区役所駅から徒歩10分圏内のところにある。

画像2

画像3

成人映画館な故に他では見ない注意看板があってこれはこれで面白い。

入口付近にはお馴染みの映画ポスターが貼ってあったが、そこは実際訪れて見てください。

受付に進むと、還暦を迎えたのかと思われるほど真っ赤な服をした男性が座っていた。しかし、なぜか受付の人の顔は見えないような配置になっていて、実際どんな人かはわからない。入場券を購入すると、半券を渡される。ちなみに一般は1300円。しかしHPの割引券を表示すれば1100円で見ることが出来る。

先程、僕は「入場券を購入した。」と書いたが、これには意味がある。僕の認識が間違っていなければ恐らく、この中村映劇は一度入場券を買えば、どれだけいてもOKである。毎日映画は3本がリピート放映されていて、つまり実質1100円で3本見ることが可能なのである。もちろん昔の映画も含まれるわけだが、かなりコスパは良い。

画像4

館内に入ると、そこはものすごく異質な空間が広がっていた。もちろん、成人映画館なのだから''普通''を求めていくことが間違いなのである。館内は後ろの方に立ち見できるスペースがあり、前は普通の映画館と同じでシートが並んでいる。

しかし、普通の映画館と違うところは、全体的には静かではあるものの、上映中に話し声は普通に聞こえる。また出入りも多いため、後ろの方に座っていたら明るさが気になる。またスクリーン右側にはいつでも駆け込めるようトイレがすぐそばに隣接されている。その理由は言うまでもない。(ちなみに受付でティッシュが30円で販売されていた。)

お客さんの層はほとんど年配の方だった。中には椅子で眠りこけてる人もいたし、なぜか異常に席を移動する人もいた。印象としては割りとみんな世話しなく動いていて、しっかり見てる人はほとんどいない。

今回、僕はどうせ見るなら最新作を見ようとスケジュール表を確認して向かったつもりだったが、結局、大幅にスケジュールがずれてて、予定とは違う『痴漢電車指よりナマで』という作品を観ることになった。

内容はものすごくチープで、ブルセラをやってる女子高生2人が、なぜか電車に乗ると痴漢に100%遭遇し、しかもパンティまでハサミで切り取られて持っていかれてしまう。女子高生たちはブルセラショップにパンティを売ることが目的のため、痴漢の行為についてはさして怒らないのだが、パンティを奪われることに対しては痴漢に怒るということが何度か行われる。(もしかしたら当時は意外にこのような女子高生がいたのかもしれない。)

そして最後には、彼女たちはパンティを奪った痴漢がネットを通じて売買をしていることに気づき、痴漢を尾行してアジトを突き止めるのだが、最後には逃げられてしまうお話だった。

映画自体は、エロさこそあれど、面白いとは言い難い内容だった。大体1時間ほどの作品だったが、正直、ものの10分ちょいで飽きてしまい、あとは惰性で見た感じだ。

しかし、僕はそのとき映画はそっちのけで、とある恐怖を感じていた。なんと僕の5,6個シートを空けて座っていた男性がなぜか少しずつ僕のそばに寄ってきたのである。はじめはエアコンが効いてたので、直接当たるところを避けているのかと思いきや、そんなこともなさそうだった。最終的には僕とシートを1つ挟んだ距離まで縮まり、途中なぜか間の空きシートを開いたり閉じたりし始めた。僕の警戒レベルは頂点に達し、荷物を抱えていつでも立てるスタンバイをしていた。

結論、その後、その人とはなにもなく、僕の近くを離れていった。僕も安堵感に浸りつつ、しかし、このまま座って鑑賞するのは恐怖を感じたので、後ろに下がって立ち見で観ることにした。それ以降は、何事もなく無事映画を観終えそうな頃、前方でシートに座っていた女性?(多分)が途中退室しようと後ろの出口に向かって来た。そしてその女性が部屋から出ようとするとき、僕と視線が合い、立ち止まって僕を見るなり、「(体が)細いねぇ」と言いながら僕の脇腹を人差し指でさすり、退室していった。


スクリーンにはエンドロールが流れ始めた。


僕は、なんとも言えない緊迫感を抱きながら、女性が帰っただろうタイミングを計り、そそくさと退室した。


※中村映劇、もう一度行ってみたいような、ここで退いておくべきのような。 はじめて行く際は友達と行くことをおすすめします。しかし、一人だからこそ味わえる体験もあるのでそこは自己責任で。

※あと、どうでもいいことですが、映画の演出について。男性器、女性器の暈し方が、どう考えてもそこに光や影が入らんだろうと思えるあからさまな不自然な白い光や黒い影が突如現れるあの演出は面白かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?