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英語習得に必要な勉強時間

はじめに

よく,英語を習得するまでには,〜〜時間必要というのを見たりしませんか?また,言語学習を始めるときに1日何時間をどれくらいやれば,どれくらいのレベルになるかとか気になったりしたことはないでしょうか?

個人差があると思いますが,英語習得における必要な勉強時間を知ることができたら,計画を立てたり,モチベーション維持にも繋がったりしますよね.

日本語しか話せない人が日本で義務教育をうけた場合,
どれくらいの時間を英語に費やせば,
話せる様になるのかという疑問について,
徳島大学からの研究で興味深い論文がありました.

英語・ポルトガル語学習を趣味としてる身として,
とても気になり,読んでみました.
今日はそれについてまとめていきたいと思います.

ヨーロッパ言語の方々が英語習得に必要な時間

「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR: Common European Framework of Reference for Languages)」は、言語の枠や国境を越えて、外国語の運用能力を同一の基準で測ることが出来る国際標準です。

https://www.britishcouncil.jp/programmes/english-education/updates/4skills/about/cefr

ヨーロッパ言語共通参照枠のA1ーC2という指標がよくTOEICや英検などに使われていると思います.

論文ではそれぞれ,
中上級(CEFR B2=TOEIC785点以上)
上級(CEFR C1=英検1級,TOEIC945点以上)
に達するまでに必要な勉強時間について,考察されています.

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845763430354816

ヨーロッパ言語話者が,
C1レベルの英語を習得するまでには,
少なくとも800時間程だそうです.

ここで気をつけたいのは,
ヨーロッパ言語ということ,
いわゆるスペイン語,フランス語,ドイツ語などなどですね.
つまりアルファベットを使う言語ですね.

https://www.theguardian.com/education/gallery/2015/jan/23/a-language-family-tree-in-pictures

言語の”家系図”がthe Guardianの記事に載っていました.
この図は言語が,どのように枝分かれしていったのかを示しています.
つまり,英語と直近で枝分かれしている,
ドイツ語やオランダ語は英語に”家系図”的には近く,
言語として似ているとされているそうです.
ドイツ語もオランダ語もわからないのですが,
確かに,ドイツとオランダの方々は英語が上手とされていますよね.

一方で,,日本語はこの図にありません....
日本語だけではなく,中国語,韓国語,アラビア語などもありませんね.

つまり,日本語を話す我々にとって
英語は言語として遠いため,
もっと勉強時間が必要になります...

反対に,中国語や韓国語は言語的に近いため,
日本人にとっては習得しやすい言語だそうです...

とはいえ,
世界の共通語が英語となっている現代において,
英語を勉強しないわけにはいきません.

では,
日本語だけしか話せない
日本人にとって,
英語を習得するには,
どれほどの時間が必要なのでしょうか?

義務教育における英語の勉強時間

日本の教育での英語の勉強時間は

小学校:約15時間
中学校:約260時間
高校:約360時間

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845763430354816

合計:635時間だそうです.
年代によって差があるとは思うのですが,
500時間前後になるのではないでしょうか.

結構やっているんですね.

そして,
大学に進学した場合だと

塾・予備校:約200時間
大学:約180時間(教養課程)

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845763430354816

合計約1000時間となるそうです.
大学で180時間というのは,
教養課程でやる授業時間数だそうです.
確かに理系の自分は,
大学1年の時に,英語の授業が必須でありました.
大学2年以降・大学院はありませんでした.

つまり,英語専攻や選択授業を取らない限り,
大学で圧倒的に英語学習時間が減るのが
現在の教育機関の英語教育の特徴」
と言えるのかもしれません.

こうやって数字で見るとびっくりですね.

自分は大学受験のために,
英語学習をやりましたが,
大学に入学して,満足してしまい
海外旅行をして,英語を勉強したい
と思う大学2年生までは,
全然やれていませんでした...

大学4年・大学院になって英語の授業を取りたいと
思った時には,取れる授業がなくできませんでした...

義務教育を終えた時の英語力

高校生を対象に
文部科学省の無作為抽出
英語4技能試験を実施したところ(2015年,2017年)

平均がA1ーA2レベルの間に位置していたそうです.
(TOEIC換算で約225点..)

TOEIC公式データで示されている
大学1年生の平均427点(2016年データ)
大学2年生の平均は438点(教養課程の180時間の授業を受講した後)

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845763430354816

つまり,600時間くらいやって,初級者レベル
大学まで行って1000時間くらいやって,
ようやく中級者レベルになれているくらいだそうです....

現実は厳しいですね...
自分は大学2年生の時に,
初めて受けたTOEICは385点でした.
大学生の平均下くらいの点数だったということですね.

超集中的にやった場合に必要とされる時間

日本語を知らないアメリカ人が,
日本語を1から勉強しようとすると
超集中長期的にやって,
2200時間のコースが必要だそうです.

月曜から金曜まで毎日5時間の授業を
全て外国語でほぼ2年間受講するのと同等だそうです.

授業以外にも,予習復習があるため,
3時間の自習が必要と考えられています.
そうすると3時間×5日間×88週間=
1320時間がプラスされます.

ということで,
最終的には約3500時間になるそうです.
2年間週後で5時間授業+3時間自習
をすればこの時間になるそうです...

レベルとしても,
CEFRのC1レベルに匹敵するそうです.
(英検1級に相当)

欧米の学生で,
大学から日本語を勉強し始めて,
日本に留学している方々の中で
結構話せる方々は,
超ハードな学習をされてきたんですね...

反対にいえば,

英語を全然知らない状態に小学校・中学校から
勉強始めた我々も超集中的にやれば,

約3500時間でかなりのレベルの英語を
習得できることが期待されます.

ヨーロッパ圏学習者に想定されている時間よりも
3.7倍かかるそうです...

義務教育と大学の勉強時間を考慮すると,
B2レベルは935時間
C1レベルは1675時間

必要となるそうです.

しかし,これは高品質のクラスを超集中的にやった場合です.
働かれている方はそんなに時間がないと思います.
また学生の方は金銭的にも限られてくると思います.

自習した主として場合に必要とされる勉強時間

B2レベルは合計5000時間
C1レベルは合計7200時間

https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845763430354816

と見積もられていました.....
7200時間.....

大学卒業後までの時間を考慮すると
B2レベル(英検準 1 級) までには約2800時間の学習
C1レベル(英検 1 級)までには約合計 5000時間の学習が必要になる.
だそうです.


大人になってからの言語学習は時間がかかりますね...
諦めずにコツコツと積み重ねていきたいと思います.

ポルトガル語は英語で勉強しているので,
英語の時よりも苦しまないことを期待しています....
せっかくなのでしっかり記録をとって,
自分にはどれくらい時間が必要なのか
測っていきたいと思います.

ぜひ一緒に頑張りましょう.

ここまで読んでいただきありがとうございます.
感想・ご意見ありましたら,ぜひコメントをしていただけると嬉しいです.


参考にした論文↓

サポート本当にありがとうございます.頑張ります!!!