藍で白髪染め
あっ!髪も藍色なんですね、青い!!と言われることがあります。
はい、いろんな実験を我が身で行なっている最中で、そのうちの一つの「ヘアカラー」は天然の藍で繰り返しているところです。上記画像、前列右から3番目が私です。
今回は、私が今試している藍染めヘアカラーのアイテムと、うまく発色・持続させるコツについてまとめてみます。
※今月の定期マガジンの更新が遅れておりますが、5月中にまとめて更新を行う予定です。
ナンバンコマツナギ(インド藍)の粉末の不思議
今、私がヘアカラーに使用しているのは、ナンバンコマツナギ(マメ科)の葉を乾燥させ粉末加工したものです。
使用直前に粉末をお湯でペースト状に溶き、洗った髪に塗布して1時間ほど放置。最後に洗い流すというシンプルな手順で染まります。何が不思議かというと、「還元膜」が頭の上でできてしまうこと。
藍染め用の甕を建てるとき、発酵が進み染められるようになった目安の一つとして、紫がかったギラギラの膜が水面にできることが挙げられます。この膜のことを「還元膜」と呼んでいます。うまく発酵が進まないと還元膜は現れず、甕の様子を見るために蓋を開けたときにこの膜がどのような様子になっているのかは、甕のコンディションを見極めるためにとても大切な観察のポイント。
そんな還元膜が、自然乾燥葉の粉末をお湯に溶いて放置しただけでできてしまうというのは、初めて見たときにとても驚きました。
濡れた髪の毛にできるだけ密着させるように、ナンバンコマツナギのペーストを塗布した姿はヘルメットをかぶっているみたいな感じです。初めて使用した日、ペーストを塗り終えた後にあえてラップを巻かず、そのまま空気にさらして過ごしていたら、そのヘルメットの表面部分が還元膜で紫のギラギラに変化しました。
その姿を鏡で確認した時は驚いたし、愉快でした。だって自分の頭にきっちりヘルメットみたいな還元膜が張っているなんて、こんな面白いことがあるでしょうか(染め仲間たち、ここは笑わず真顔で頷くところです)。
私がナンバンコマツナギに興味を持つきっかけが、この経験でした。タデアイと全く違うメカニズムを持つ植物なのだということを、自分の頭の上でギラギラ光る還元膜に思い知らされたことは、どれだけ時間が経っても忘れられない感覚です。
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藍の沼ー藍染めの深〜〜〜い話
藍染めの歴史・効能・応用方法を調査・検証しているうちに、脱出不可能なほどハマってしまった藍の沼。この甘美な沼は、歴史や自然科学などの思わぬ…
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