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電子書籍出版のこと

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透野企画・彩波出版で取り組んだ電子書籍のことを中心にお届けいたします。
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記事一覧

電子書籍デビュー1年で何が起こったか

 2023年3月に電子書籍を初出版して、約1年2ヶ月が経ちました。これまでに手に取ってくださった方には、心より御礼申し上げます。おかげさまで、思いもよらなかった景色を観続ける1年を過ごしました。出版後に起こったことや変化については、トータルで「挑戦して良かった」と思えています。今回は、それらについてのいくつかの点を具体的にまとめておこうと思います。 同じ思いでいる人と出会えた まず電子書籍出版をして一番良かったと思っていることについて。  それは、藍について同じ思いを持って

彩波出版 透野(とうの)のお仕事

 やっと最近、「で、何してる人なんですか?」と聞かれるようになりました。ありがとうございます。ご案内用として、今取り組んでいることを並べてみます。 タデアイ・藍染についての調査と記録・講演 藍染の原料植物であるタデアイや藍染の様々なことの調査と記録に取り組み、資料として電子書籍に残すための活動を行なっています。  蒅製作の歴史が深い徳島に拠点を構え、タデアイ農家の実家にて沈殿藍の精製にも約20年携わってきた経験を踏まえた検証を試みています。また、各地の藍染関連の現場、展示、

SNSアカウント閉鎖のお知らせ

 特別なトラブルがあったわけではないのですが、諸々のご心配や誤解を避けるためのご案内です。  私が運用しておりました、個人・出版社名義のSNSアカウントを5月1日に閉鎖いたしました。電子書籍出版のための調査と執筆に、より集中して取り組むためです。特に誰かと喧嘩したわけではありませんし、誰かのことを嫌になったわけでもございませんのでご心配には及びません。  読者の方でフォローしてくださっていた方に私がブロックしたと思われたら、それは誤解で残念だと思いましたので、些細なこととは

INDIGO SESSION vol.2 藍と絹 完成

 今回はちょっと専門的な内容となっています。  2023年12月に開催されたインスタライブ、INDIGO SESSION vol.2 「藍と絹」を編集した電子書籍を発売しました。 なぜ絹の藍染は難しい? 木綿や麻といった植物性の繊維(セルロース系)を染めるのと、絹や獣毛といった動物性の繊維(タンパク質系)を染めるのとでは、留意するべき点が違うため、染色の際の手順や工夫を変える必要があります。  藍染の甕はアルカリ性に調整されているため、染色作業が長時間に及ぶとタンパク質を破

新刊発売&展示会初日

 いよいよ始まりました。 【本建て正藍染展「藍と絹」】 in 桐生!! 絹織物の街、桐生 今回の展示会の会場は、桐生市のメインストリートと言われている本町5丁目のギャラリーです。  ギャラリーオーナーの奥様がお話ししてくださったのですが、以前は街に機織りの音があちこちから響いて、たくさんの人が糸や生地に携わって生活していた場所だったそうです。素材にも技術にも目利きの人ばかりだから、おしゃれな人がたくさん歩いていたともおっしゃっていました。  今はかつてほどの賑わいではないそ

本建て正藍染展 INDIGO SESSION vol.1

 本建て正藍染に携わる人が集い繰り広げた、貴重なトークを記録しました。 INDIGO SESSION vol.1 伝統とは何か 同じ師匠から「本建て正藍染」の技術を教わり、継承しようと真摯に取り組む仲間たちで開催した藍染展示会。2023年の暑い夏の日のことでした。その会場で開催したトークイベントの記録を電子書籍として出版いたします。  発売予定日は12月8日(金)です。  パネリストはこちら。  左から、兵庫県で養蚕から染色、織りまで手がける原田さん。静岡県で大判のオー

『私が歌い続ける理由(わけ)』のご案内

 急に寒くなってまいりました。  私の背筋も個人的に冷たいのですが…その理由がこちらです。 ペーパーバックのデータ不備 10月に発売いたしました、村山岳:著『私が歌い続ける理由(わけ)』のペーパーバックに、一部画像が印刷されていないという不備があったことは、先の記事でご案内した通りです。  その後、何度も完全版のデータのアップロードを繰り返しているにも関わらず、どうもその内容がお客様のお手元に届く書籍に反映されていないらしい…  さまざまな検証を重ねている中で、著者様のご

お詫びとご案内

 オペラ歌手、村山岳 著:『私が歌い続ける理由(わけ)』を早速ご購入いただきました皆様、誠にありがとうございます!  そしてお詫びのご連絡がございます。どうぞ最後までご覧いただけましたら幸いです。 発売日10月23日(月)にお買い上げの皆様 発売日に、本書ペーパーバックをお買い上げの皆様。お手元に届いた書籍に写真のデータが反映されていない状態のものがございます。  せっかく発売日にお申し込みいただいて、お楽しみにしていただいたのにも関わらず、このようなことになり誠に申し訳ご

オペラ歌手村山岳氏 著者デビュー

 暑い暑い夏もすっかり過ぎてしまいました。  熱いオペラ歌手の著者デビュー作は、芸術の秋に産声を上げました。  まさに今日がその日です。お待たせしました!! 割と安産 彩波出版プロデュース第一弾がこんなに恵まれたスタートで良いのだろうか。と、本気で心配になる程、この本はいわゆる「安産」の部類に入るのではないかと思います。  決して「楽だった」という事ではなく、終始一貫して著者様の熱量が高く、執筆も確認作業も程よい緊張感のラリーを続けることができたという意味での「安産」なので

電子書籍に思うこと

 いろんな人がいるので、いろんな本があります。  本の業界もいろんな事になって、さらに色んな事が起こっているように感じます。  そんな中で、大事にしていきたいと思っていることなどを、少し。 チャンスを自分で作れる時代 オンラインの仕組みが発達し、SNS等「オウンドメディア」と呼ばれ自分自身で好きなように発信するツールが容易に使えるようになって早10数年。  それまで同人誌、自費出版という紙媒体での満を辞した発信も、予算を確保できさえすれば可能でしたが、容易な話ではありません

オペラ歌手の電子書籍出版準備中

 彩波出版の企画による電子書籍出版第2弾は、著者がオペラ歌手というゴージャスさ。オペラ歌手と聞けば華やかなイメージが先行しますが、この方が歩んできた道のりはそのイメージからかけ離れています。 いつも不思議だった人 オペラ歌手(バス・バリトン)の村山 岳(むらやま たけし)氏は、私の高校3年間を通してのクラスメイトです。もう30年前の話です。  高校在学中は話す機会がほとんど無く、これといった会話を交わした記憶がありません。それでも、印象に残っている出来事がいくつかあるという

構え!撃て!狙え!が挑戦の極意

 つい狙ってしまっていました…  理想は大事ですがそこにこだわりすぎて何もしないままよりは、一歩でも前に進んでみると色々面白い、というお話しです。 初心者だもの 物事を始めたての時は、誰でも間違いなく「初心者」からのスタートです。  当たり前ですが、ここをシンプルに自覚して、その一歩を軽やかに踏み出してしまえれば、その後の歩みがスムーズになるように実感しています。  初心者ですからねぇ…どんなに狙ったとしても狙い通りに撃てるような訓練を積めていないのです。  狙い通りに撃

自分の本を自分で出版する

 私が電子書籍出版社を立ち上げたのは今年の3月。  そこには導いてくださる先生や仲間達の存在がありました。 Kindle出版プロデューサーという仕事を知ったきっかけ それは本当に偶然のことで、Facebookのタイムラインに流れてきた広告に「Kindle出版」という文字を見かけたのです。  以前から、藍のことでもっとお客様にお伝えしたいと思っていたことを書籍として出版してみたいという希望がうっすらありました。  かと言って具体的な期日や目標もあったわけではありません。  

書き下ろし:幻の第8章をプレゼント

 拙著『伝統色藍 7つの秘密』をお買い上げいただいた読者の皆様へ、心からの感謝の気持ちを込めたプレゼントのご案内です。 出版から3ヶ月の間に寄せられたお声を基に 2023年3月に『伝統色藍 7つの秘密』を出版してから3ヶ月が過ぎました。  この間、この本を手に取りお読みくださった方々から寄せられたご感想やご見解に、ドキドキしっぱなしでした。  いやだってまだ3ヶ月なのに、本文内容を覆さなくちゃならないかもしれないお話がちょこちょこ寄せられるから…  第2版を書くにはまだ検