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【音楽感想】Equilibrium

(いつもの: この記事は個人の感覚・感想で公式なものではありません)
M3-2020秋にリリースされた「Equilibrium」の感想です。

どんなアルバム?

「Equilibrium」はnayutaさんとめらみぽっぷさんのコラボCDです。これで3作目でしょうか。「Equilibrium」は英語の「均衡」と思われます。ジャンルとしてはポップとかポピュラーな系統ですが、神話的な世界観があります。

nayutaさんは個人サークル「7uta」などで活躍してます。同人音楽界における歌の活動の多さではトップクラスではないでしょうか。ソロ活動でもすごいですが、コラボ作品のどれもが素晴らしい。今年で活動13年目であり、それを記念した「トレセの秘密」を少し前にリリースしたりしています。

めらみぽっぷさんも活動の長い同人歌手さんですね。個人サークル「こすもぽりたん」を主宰していたりします。私は少女病時代からずっと好きです。後で感想を書こうと思っている「幻覚アリア」でもここ数作はずっと参加しています。

感想

1. unbalanced world
歌詞のないコーラスのみ曲です。神秘的に幾重にも重なるnayutaさんとめらみぽっぷさんの声が、この神話的な音楽作品の世界に導入するようです。

2. divergence -ゆめみるふたり-
「ほらね 見えるでしょう」「そうだね 見えるんだね」
優しい歌い出しから、やがて強いユニゾンへと変わり曲が展開します。高く、低く、強く、弱く、星の瞬きのように流れる旋律と歌が素晴らしいです。特に歌の高い部分は、二人の高音の映える歌声にもあっているようで、感動的です。

3. Reqira
曲名の意味は不明です。出だしにエコーして響く歌声では「qira」と言っているようで、それへの反響を意味するのでしょうか? そんな「qira」というエコーから始まる、ピアノをメインにシンプルですが不思議に美しい旋律に彩られた歌です。
作曲しているのはFeryquitousさんで、いつも不思議っぽい妙味のある作曲家さんですが、今回もふぇりさんらしさが十分に出ていると思います。

4. 懐郷
ちょっと場面が変わって、タイトルのとおりちょっとノスタルジックになります。やわらかなピアノと爪弾かれるギター。在りし日を懐かしむ詞を少しずつ分けて重ね合わせるように二人が歌うさまは、それも思い出のリフレインのようです。

5. ふたつ星たちのレイトショウ
レイトショウという言葉の雰囲気のように、おしゃれな夜のようなワルツのリズム。楽器もフルートやハープのような、ポップスにしては少しだけ珍しいものが入っていて耳に新しいです。歌われる詞は変わってなくなっていくものに別れを告げるような、少しの切なさです。
「偶像でも、「人」でありたくて」

6. リコレクト・リフレクト
3,4トラックめで演出されたノスタルジックな空気は消え、再び星々の時空へと飛び立つような爽快感のあるトラックになります。デジタルっぽいサウンドと澄んだヴァイオリンの旋律が星の光のようです。そして自由に舞い交差する二つのボーカル、それがサビの最後で重なる時の眩さに息を飲みます。
「そしていま/ふたりの想いは/平衡を保つ」

7. 追風、僕らは征く
最後のトラックはエンディングのように、ゆっくりと、しかししっかりと次のステージへと歩みゆく力強さに溢れています。
「始まりの日」
雄大な間奏を挟んだあとの、ラストサビを含むパートの盛り上がりがとにかく感動的です。まるで一流映画のエンディングのように完成されているこの曲は、流れ星のようなヴァイオリンの一声で締めくくられます。

すでにサブスクリプションも解禁されているので気軽に聞きたい方はそちらもどうぞ。

(追記)

この記事を全部書いてから前のコラボアルバムのPlanet Travelerを見たら、デザインがほとんど同じだと気付きました。

今回は若干神話っぽい雰囲気があるので、パワーアップして帰ってきた二人とか、そんな感じなんでしょうか。いやー、良い世界観だと思います。




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