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【音楽感想】Eufolie

(いつもの: この記事は個人の感覚・感想で公式なものではありません)
M3-2020秋にItknkRが発表したシングル「Eufolie」の感想です。

ItknkRとは?

同人歌手(同人声優)の棗いつきさんと藍月なくるさんのコラボ名義です。読み方は「いつきんくる」のはず。

藍月なくるさんは先日の「Baby Romantica」の感想で紹介した方です。

棗いつきさんは個人サークル「いつきんぐだむ」などで活動している方です。「同人声優」と名乗っていて他のサークルからリリースされた声優作品も多いです。(DLsiteであらかた出てきます。あとはYoutubeとか)。私がいつきさんを知ったのは同人サークルSecret MessengerのCD「Re:Lost」に収録された「hide and seek」でして、この天使のような歌を聴いたときから、いつきさんが私の最推しの1人になりました。(もう1人の最推しは千条アリアさん)。なのでこの記事を書けるのが嬉しいです。

感想

1. パライソ・パライソ
表題曲ではないものの、この曲があったからこそこのアルバムが誕生したという逸話を持つファーストナンバー。この記事の冒頭のMVの曲であり、一曲目から濃厚で重たい百合の世界を突き付けてきます。
「もっと朱くして/火傷なら勲章と呼べるほどに」
少し距離を置いたように奏でられる軽いジャズ風の音楽に反して、妖しく、危険な歌がこのアルバムを聴き始めた人の退路を断ってくるでしょう。

2. Eufolie
第二トラックにして表題曲のこの曲は、強めのジャズサウンドから始まります。それはステレオタイプな夜の描写。高貴でチープで、煌びやかでみすぼらしい繁華街の裏。二人の歌声が転がるように歌を紡ぐ、スリリングな一曲です。
作曲しているかそかそさんは、先日の記事に書いた歌手のきゃらめるさんとPrismagicというサークルで音楽を作ってたりする人です。ポップスが中心だと思いますが、いろいろな曲調の曲を作りますね。この曲は特にCメロのフレーズの展開の仕方がPrismagicの「C'est un imposteur」に似てるなあと思って、ちょっと楽しいです。

3. 愛に飢えたケダモノ
テンポの速めだった前のトラックから、少しゆったりとしたリズムで、お姫様のようになくるさんが歌い始めます。耽美で優雅なメロディー。「ああ」と喘ぐようなちょっと官能的なスキャット、そして……扇情的な歌詞。
「嗚呼 濡れた隙間/嗚呼 指でなぞり」「躾けあいましょう」
いつきさん・なくるさんファンの間ではもっぱら「エッチだ」と評判の曲ですが、まあ歌詞を見ればそうとしか言いようがない感じですね。でも音楽としてとても綺麗な、艶やかな作品だと思います。

4. アプルフィリアの秘め事
藍月なくるさんの過去作「アプルフィリアの秘め事」の棗いつきさんカバーです。
なくるさんはこの曲を格好いい感じの声音で歌ってましたが、いつきさんはこれをロリータ系に調整した声で歌います。それは喩えるなら、姉姫のあとに現れたあどけなさの残る妹姫のような愛らしさ。姉姫よりも無垢で純粋で、素直に歌ってる感じがあり甲乙つけがたいですね。

5. As you wish, My lady
棗いつきさんの2ndアルバム「ラブマニアック」の収録曲の藍月なくるさんカバーです。
いつきさんはいつもの少女っぽい声で歌ってましたが、なくるさんはアダルトな声で歌います。この歌自体が男性視線的ですが、このなくるさんの歌い方は一層マニッシュ印象を与えます。少し感情表現に弱く、焦っているような。そしてその感情はラストサビで爆発するように高まり、スキャットにはオリジナルと違うアレンジが入ります。ちょっとずるいなあって思うほどいい歌です。

在庫管理の都合で、メロンブックスではなくるさんのサークル名になっているそうです。

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