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【音楽感想】Departure

(いつもの: この記事は個人の感覚・感想で公式なものではありません)
StudioComodoからM3-2020秋にリリースされた「Departure」の感想です。

どんなアルバム?

StudioComodoは作曲家の東条サダヲさんの個人サークル・サイトです。またしても寡聞にして存じ上げませんでしたが、東条サダヲさんは美少女ゲーム(直接的に言えばエロゲ―)のメーカーに所属し作曲する人で、「ヒマワリと恋の記憶」「ゴールデンアワー」などエロゲーとしては一流の作品を手掛けています。
このアルバムは東条さんが女性ボーカルを集めたアルバムで、ジャンルとしてはポップミュージックと思われます。ボーカルさんたちはどの方も実力派揃いで聴きごたえがあります。

感想

1. Spring Of Life
「春一番がふわり背中を押した」
その一節と軽やかなピアノに続き、弾けるドラムではじまる軽やかなファーストナンバーです。
歌うのは同人サークル「Lapis」などで活躍する妃苺さんです。柔らかく明るい歌声がよく合ってます。「ほら!ぎゅっと手をつないだら」の「ぎゅっ」の発音とか要所要所にときめきます。

2. SkyLink
ゆるやかなピアノと遅めのビートではじまり、サビで旋律がぐっと広がります。ちょっと切ない曲調ですが、「君に会いに行こう」と言っているのだから関係性は壊れていないのかなと思います。前のトラックが春っぽかったので、こっちは初夏のさわやかさを感じます。
歌っているriconoさんは商業でもしばしばお仕事していますね。私としては半年かもう少し前にAintopsさんとコラボした「泡沫の夜に」が印象的です。

3. Photon
穏やかで透明感のあるピアノと、歌声も透明な感じの素敵なトラックです。春、夏と来て季節は秋でしょうか。ちょっと冷たくなってきた空気の中、温かい光と仲の良い誰かと互いの体温を分け合っているような、安らかな時間。永遠。そういう風景を感じます。

4. Last snow Past love
「最後の雪が舞った/恋の終わりに」
ゆったりとした歌い出しから、すぐに加速して雪原を走るような音楽になります。示したフレーズにように、これは別れの歌です。しかし「「ありがとう」って伝えなくちゃ」とポジティブで、晴れた冬の日のように切なくも清々しくあります。
歌はれにゃたさんです。れにゃたさんは妃苺さんと「Lapis」で活動していたり、少し前に「シトラス」で業界の一部に名を馳せたりしています。明るく、素直な透明感のある歌声がこの冬の歌でも雪のように舞います。

5. Depature
これまでのトラックとちょっと変わってアコースティックのサウンドに、低めの女性ボーカルから始まります。サビではそれにロックバンドが一気に加わり、人生の次のステージへと進む力強い足取りを演出します。最後のラララというスキャットも大人っぽさがあって素敵な締めくくりです。


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