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予備自衛官補受けてみた(2回目)

実は以前、私は予備自衛官補として採用されたことがある。

しかし競輪選手になった直後に期限がきて、
単位が取れていなかったため自動的に教育大隊を除隊になった。

3年の内、約1年は選手養成所に缶詰になっていたのだから仕方ない。


そんなこともそろそろ忘れかけていた2024年の春先のことーーー
偶然イベント会場に自衛隊ブースがあり、
バイクに跨ったり装甲車に上がったりといった体験をさせて貰った。

「若そうだし、興味あるなら自衛官になりませんか」

「いや、年齢制限引っかかる歳なので…」

話してみるとその広報官は同い年。

「まだ間に合うよー」

と正式な自衛官を勧められた。

「いや流石に、最年長でなるのはちょっと…」

過去に予備自衛官補に採用されたが単位を取り切れなかったことも話すと、

「(予備自衛官補は)何度でも受けられるよ」

と言われたので
じゃあ、また受けてみようかなー
と思い受験してみた。

これはそんな成り行きで受ける今回と、
前回受験の薄れかけた記憶とを合わせた備忘録である。


そもそも予備自衛官補とは

「補」と付いているので、当たり前だが正式な予備自衛官がいる。
予備自衛官は元々、退役した自衛官が有事の際に手を貸すために登録しておくものだった。

しかし、有事の際の人手は安定的にあったほうがいい。
そのため、
訓練されていない一般人からも予備自衛官を募集しよう
ということで出来たのが予備自衛官補の制度である。

具体的には一定年齢の一般人が試験を受けて予備自衛官補として採用され、
3年の内に必要な教育訓練を修了することによって予備自衛官として登録されるという仕組みだ。

種別が一般の場合、訓練は3段階ある。
1段階目の基礎訓練から始まり、最後の3段階目には実弾射撃なんて項目もある。
教育訓練の内容は募集要項等に載っているので気になった人はそちらで確認されたし。


募集種別

一般と技能の2種類で募集がある。

一般は年齢と健康状態を満たせば誰でも受験可能。

技能は、医療や機械、情報などの専門の資格保持者が受けることが出来る。
翻訳者、弁護士や保育士なんてのも記載されていたので、気になった人は技能の募集要項を参照。

私は記載されている資格を持っていないため、
一般で受けた。


筆記試験(一般)

筆記のオンライン試験化


前回は基地で受けたが、コロナ禍を経て
現在の筆記試験は、オンライン受験になった。

スマホで簡単に受けられる。
ただし不正防止のため、カメラと録音機能をオンにして、他の人が近付かない映らない個室等で受ける必要がある。
オンライン会議アプリと同じで画面の端に自分の顔が映り続けるので、試験中ちょいちょい気になった(笑)
私の家は家族がテレワークでよくいるため個室を借りたが、
場所柄子どもの声がうるさくて結局、離れたところにスピーカーとプレイヤー端末を置いて、
ストリーミング再生でバックミュージックを掛けながら試験を受けた。
時々ちょっと音楽にノリそうになったw


試験科目

筆記試験の科目は

国語、数学、地歴公民3科目!

英語は無し。
なんだか私大の受験科目みたいだと思った。
5年以上前に受けた1回目と傾向は変わっていなかった。

最新のは言ったらまずいと思うので、
下に記すのは5年以上前の試験時の話↓

国語
漢字の読みや正誤、熟語・慣用句の問題が出る。
ちゃんと日本語が出来れば余裕だと思う。

数学
マジの高校数学Ⅰの問題が出る。
確率とか二次方程式は流石に大丈夫だったけど、
内接円とか三角関数とかその辺もう覚えてない !!
という私みたいな人は要勉強。

地歴公民
問題を見てからの選択式だから解けそうな問題が多い科目を選ぶと良い。
私は文系じゃないのでどれも一問ぐらい本気で分からない問題があって勘で回答した。
そして調べると間違えてたw

予備自衛官補以外の
一般曹や幹部用の試験は過去問が公開されているので、
受けたい人はそれを確認しつつ勉強すると良いかも知れない。

口述試験・身体検査


身体検査はオンラインには出来ないので、
こちらは変わらず自衛隊の基地に行って受ける。
口述試験の方はやろうと思えばオンラインに出来るのでは?と思ったけど、
緊張感がなくなってしまうので今後もオンラインにはならないと思う。
内勤用制服の自衛官2人とサシで向き合うと、自然と背筋が伸びる気がするし。

東京都在住者には今回、受験会場に選択肢が与えられていた。
前回と同じ陸上自衛隊立川駐屯地(当時は筆記含)

新たに増えていた航空自衛隊目黒基地だ。
私は迷わず目黒を選択した。
23区からだと立川、地味に遠いからさ…

口述試験

志望動機に加え、
制度についてどう認識しているか、
3年のうちに訓練を受け切る目論見があるか、
終了後は予備自衛官として務める意欲があるかどうか…
等を聞かれる。
(これも5年以上前の試験の話ということで)


身体検査

簡易健康診断を受けさせられる。

血圧、尿検査、胸部X線、皮膚確認、歯科検診、聴力検査、視力検査、色覚検査、医師の問診・聴診…
昔は採血もあったような気がしたけど、そんなことはなかった?

血圧
130以上あっても問題はないみたい。
緊張のせいか上128あって、
え、高ッッΣ(゚Д゚)てびっくりしたんですが、
看護師さんに「低血圧じゃない?大丈夫?」って心配された。
医学的には120以内が適正じゃないんですかね…?

尿検査
男性はタンパクと薬物?だけだが、
女性は妊娠の有無も併せて確認される。
まぁ試験の時点で妊娠初期だとすると訓練可能期間が1年は潰れてしまうから、
いますぐ訓練出来る人を採用するためには仕方のない判断だと言える。
産んで身軽になってからまた来年以降に受けてくださいってことよな。
因みにこの尿検査は月経中でも影響はないそうだ。

胸部X線
普通の。よくあるやつ。

皮膚確認
四肢と背中の皮膚を確認される。
感染症やアトピーの有無を見ているのではと思う。
タトゥーや注射痕、打撲痕も確認しているようだった。
私は数日前に自転車のビンディングが外れなくて立ち転けた青痣が左膝にあったので、それについてどうしたのかと聞かれ、用紙に記入された。
恥ずかしい…

歯科検診
○✕言われるやつ。
虫歯とか大幅な欠損があると駄目らしい。
私は歯科矯正のリテーナーが残っていたので、それはいつ外れるのかと聞かれ記入された。

聴力検査
防音ボックスに入って、低音と高音を聴かせられる。
閉所恐怖症注意。

視力検査
矯正視力(眼鏡)でしか測らなかった。
裸眼でも測ると言われていたが実際はなかったので、コンタクトで行ってもよかったかも。
機械を覗き込んでランドルト環の向きを答えるタイプ。
度なしカラコン入れてるって申告してる人がいた。
びっくり。

色覚検査
警察官試験でもやるガチなやつ。
AとかBとか検査用の本が複数あって、めくる係員、答えとどの本を使ったかを記入する係員の2人一組で検査される正式な形式。
不正防止のため眼鏡も外すように言われ、裸眼で受けさせられた。
偏光眼鏡とかあるかも知れないし?
図もそれなり大きく、眼の前で広げて貰えたので、裸眼視力0.1程度でも何とかなった。

医師の問診・聴診
事前記入した問診票を元に詳細を確認をされる。
聴診器で内臓を聴診される。

あとは
関節の可動域を実際に確認するために謎の動きをいくつかさせられるので、半袖短パンに着替えた時点で軽くストレッチをしておいた方が良い。
片足立ちに自信がない人は、事前に練習しておいたほうがいいかも知れない。
慣れない動きなのでプルプルしても仕方ないと思うけど、あんまりにもバランス崩しまくるとこの人体幹無いなーと思われるかも?
周りで監督している人たちが徐ろにやってきて、身体検査用紙に何事かを書き込まれてる人が数名いた。
私は何も書かれずに終わったので何がマイナス点だったのかは分からない。

採用年齢拡大!

奇しくも今年度(令和6年度)から採用年齢が拡大になった。

下限は変わらず18歳だが、
上限が34→52歳と大幅アップ!

前回は学校の指示か何かでわらわらと受験しに来た体育会系大学生たちに混ざって受けたので、
アラサーの私はきっとまた歳上の方で肩身が狭いだろうなぁと思っていた。
が、身体検査の時に生年月日をリストに書かされたのだが、先に書いた人を見るとなんと全員私より年上!
リミットギリギリ51歳の人もいる!!
マジか!寧ろ若いほう!?

若い子が受けるんでしょ?
と読みながら思っていた人も安心してください
大丈夫です!
採用される月(今回の場合は7月)までに52歳になってなければ、52歳になる年度でも受けられます!
気になったらやってみれば良いと思うんですよ
何かが変わるかも知れないし。

試験会場の様子

前回の受験は女性だけの会場だったが、
今回の試験会場は男女混合だった。
男女比は9:1ぐらい。
女性の受験人数は昔とそこまで変わってないような気がしたけど、会場が増えてるから、この場にいなかっただけでトータルだと倍増してるはず。
年齢拡大の初年度ということで、男性も多分倍以上に増えてると思う。

男女混合のまま班に別けられ、班の担当官の指示で適宜、口述試験と身体検査と尿検査に送り出された。

が、殆どが待機時間。
5時間は待った。
スマホをいじってる人が多かった。
前回ここまで暇じゃなかったし、受験会場でスマホをいじるっていうのがなんだがミスマッチで、頭が混乱した。
勿論、本を読んだりパソコンで作業したりと他のことをして時間を潰している人たちもいた。

後から考えたら待機する訓練だったのかも?
と思わないこともない。


2日間ある試験日程の内の1日目だったこともあり、会場の段取りはあまり良くなさそうだった。
明日試験の動線の修正案を話し合っているのも聞いたし…
同じ日に同建物で幹部候補生の試験も同時に行っていたので案内ミスなど少々混乱があったのも見た。

あとやっぱり単純に、今回は年齢拡大で受験者が多くて例年通りでは捌き切れなかったんじゃないかなぁ。

特に段取りの悪さを感じたのは、
女性の身体検査が男性がすべて終わった後に設定されていて、ラストの女性が帰って来て着席するまで全員が帰れなかったこと。
先に男性だけでも帰してあげればよかったのでは…?
とちょっと思った。
前回は終わった人から帰ることが出来たし、
受験票出しに行った時に話した事務所の人も
「終わった人から帰れるし、時間いっぱいは掛からないはずだから。お昼もいらないかも?」
って言ってたんだけど敷地を出られたのは結局15時過ぎだった。
まぁ、昼食持って来なかったのは自己責任よね。


受験を終えての感想


個人的には、男女混合にする意味が分からなかった!
混合するなら全部混合で行けばよかったのに、身体検査は完全に男女別だった。
診察とかは全部個別だし、半袖短パンに着替える更衣室だけ分ければ別に混合のままでいけたんじゃないかと個人的には思う。
別に半袖短パンの異性を見たところで何も問題なくない?ジムと一緒よ。
合格したら、宿舎の部屋は別でも訓練は一緒にするんだろうし、自分や他人の四肢の露出程度で動揺してたら自衛官務まらなくない?
…という訳で、
男女を分けるなら分ける!混合なら混合!
を貫いて欲しかったなぁ(ホントただの感想)

試験については、ペーパーテストはちゃんと勉強しなきゃ駄目だったなぁと反省。
予備自衛官補以外の他の種別の過去問はあったんだし、とく前回も痛い目見てる数学はきちんも対策すべきだった。
社会科目はどこが出るかわからないし、文系科目取ってなくて習ってないことが多すぎるし、習った頃と変わってるところもあるしで極論どうしようもないから、
対策しやすい数学をちゃんと復習しとくのがマストだったと思う。
国語はたぶん大丈夫だった(おい理系)。

現在結果待ち中!

前回は合格したものの、ペーパーテストが散々だったせいか採用名簿の順位が低くて補欠採用だったんだ…
多分、イヤイヤ受けさせられてた大学生たちが辞退したんだろうなぁと思った。
今回も順位が低そうなので、まぁ期待せずに待ちましょうかねぇ。

(受かったり、来年また受けたりしたら追記予定)

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