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冬、私の目に映る世界
12/25
本当に久しぶりの、ひとりで過ごすクリスマス。思ったより寝坊をしてしまったけれど、せっかくだからおしゃれをして外に出ようと思って、メイクのお供のYouTubeを探した。すると、むくちゃんの"ひとりでクリスマスを楽しむ方法"という動画が1番最初に出てきたから驚いた。今日の私にぴったりじゃん。むくちゃんは最強に可愛いビーズ刺繍のオーナメントを作っていたけれど、私は何しよう。大好きな編み物もいいし、ビーズアクセサリー作りもいいな。でも、その中にクリスマスらしさだって散りばめたい。そしたらやっぱりお菓子作り?
インスタでクリスマスのお菓子を調べて、リースのチョコパイと、チョコレートクッキーの2種類を作った。焼いたリースパイに溶かしたチョコレートをたらりとかけて、ドライフルーツやナッツ、アラザンでおめかしを。飾り付けをしている時間ががいっちばん楽しい。
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明日はお母さんの誕生日だから、時間をかけて手紙も書いた。サプライズで、お母さんと私の好きな"ノラネコぐんだん"のフィギュアに手紙とプレゼントの手作りポーチを囲ませて。去年もこうやって手紙とプレゼント渡したこと、覚えてるかな。
12/29
昨日は仕事納めだった。もうね、早く休みこーい!ってことしか考えられなかったけれど、いざ終わってしまうと明日から1週間も子どもたちに会わないのか、と少し寂しいような気持ちがしてくるから不思議だ。
今日は2時間かけて私の大好きな部屋を掃除した。一旦物を全て部屋から出して、柱や窓の淵を隅々まで水拭きして掃除機をかけて、コロコロもした。それから、私の大切な小物たちの埃を拭いて、一つひとつもとの場所へ戻していった。掃除をしながら、自然と"1年間ありがとうね"とお礼を言っている私がいた。どんな日も、この好きに囲まれた部屋に帰ってきて、安心して眠りにつくことができて、どんなに救われただろう。あと半年ほど経てば私はこの部屋を後にすると思う。でもずっと忘れないし、なるべくたくさん記録に残しておきたい。人生で初めての、私だけのお気に入り空間だから。
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12/30
今日はお母さんの誕生日をお祝いを兼ねて一緒にランチに出掛けた。ふたりしてオシャレをして、私はワンピースに上品なバッグを持って、お母さんはタートルネックにヒールを履いて。自然の優しい味がするフレンチレストランで、お母さんは何度も何度も「ありがとう、嬉しいよ」とお礼を言ってくれた。私達にとって、こうして誕生日をお祝いできるということは奇跡に近いこと。だから私は、きっと何度だって今日のことを思い出す。
来年もまた来ようね、と約束できる幸せの形。
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***
家に帰って、職場のぬいぐるみ達(先輩達と手分けをして持って帰ってきた)を手洗いして、拭いて乾かしてあげる。時には子ども達の心の支えになり、遊びを広げるサポーターになり、そして時には、気持ちをぶつける対象にもなった。"お疲れさま、ありがとう"と気持ちを込めて洗っていく。
白い色の子達がぎゅっと集まっている感じが可愛くて、思わずデジカメで写真を撮った。
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お母さんは毎年おせちを手作りするのだけれど、今年は私も作り方を教わりたくて一緒に作った。さつまいも栗きんとんに伊達巻き、なます、それから田作り。レシピノートにレシピも書き留めておく。いつか、いつかね。お母さんがいなくなってもきっと、料理を作って食べれば側にいるような気持ちになれるんじゃないかと思う。ふたりの思い出の中にはいつだって食と料理があるから。できるだけたくさん、料理好きのお母さんのレシピを残しておきたい。いつでも一緒に過ごした日々にアクセスできるように。
1/6
今日からまた、仕事が始まった。もう朝が全然起きられなくってびっくり。仕事中も心なしか自分の動きがゆっくりで、あ〜まだ体がお正月モードだなと思う。でも、先輩と同僚、それから子ども達の笑い声が響く職場にいることは心地よくて、ここは私の居場所でもあるなと思う。
1/8
お風呂の中で考えたことをぽつぽつと。
私は作ることが好きだけれど、何もないところから何かを生み出すよりも、元々ある素材や物を組み合わせて作品を作ることが好きなのかも。カラフルな毛糸たち、部屋のインテリア、ビーズとボタンの組み合わせ、それから写真と絵、シール。
私の"好き"はどんな形をしているのか、少しだけわかってきたような気がする。
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それと本当に久しぶりに、ずっと聴いていたくなるアーティストに出会った。彼の名はスフィアン・スティーブンス。大晦日に双子の相棒と見た映画で流れていた彼の曲を聴いて、一瞬で虜になった。柔らかく優しい、詩のような音楽。今日はずっと彼の音楽と一緒。
保育士試験の実技でギターを弾くから、練習がてらに部屋でインテリアと化していたギターも手に取ってみる。自分で音を作り上げている感覚が楽しくて、気づいたら1時間以上弾いていた。指先が痛くなる感覚も久々で、それすらも嬉しい。
1/14
新しい日記帳の1ページ目を書く瞬間は、かなりわくわくする。今日は私の1番好きな喫茶店へ行ってきた。いつも通り、おじいちゃんマスターがステキな笑顔で迎えてくれる。チーズワッフルと紅茶(レモン入り)を頼んで、編み物をしたり日記を書いたりする。それから、吉本ばななさんの"ミトンとふびん"を読んだ。本を読んで心が大きく動く感覚が嬉しくて、気づいたらお客さんは私ひとりになっていた。
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今度来た時は一階に座ってみようかな。マスターに「ワッフルおいしかったです。また来ます!」と伝えると、笑顔で「ありがとうございます」と言ってくれた。どうして私はこんなにも喫茶店で過ごす時間が好きなんだろう。ひとりで来れば、静かに自分と向き合うことができる。誰かと来れば、"おいしい"を共有しながらお話ができる。
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私の言葉を誰かに届けたいんだけれど、読む人の感性や経験によっては、私の言葉は暴力性を含んでいるんじゃないかと思う。言葉はいつでも、意図せず誰かを傷つける可能性を孕んでいる。そのことを心に留めながら、私はこうして自分の言葉を紡いでいく必要があるんじゃないか。
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双子の相棒と、お金のことについて話をした。私達の家はとても裕福という訳ではないけれど、今までお金の心配をせずに生きてくることができて、それは社会的な特権(ある集団に属していることで、労なくして得られる優位性や権利)を享受してきたということだ。
けれど社会人になって、自分のやりたい仕事をして生きていきたいと考えると、常にお金の心配が付きまとう。たくさんお金を使ってしまった時にはいつも少し苦しくなる。たとえそれが私にとって大切なことだったとしても。
資本主義の競争社会が、何が起こってもそれは自己責任に還元されるようなこの社会が、生きづらく感じる時がある。きっと私がお金の不安から解放されることはないのだと思う。どこまでいっても、この不安はずっと消えない。
それでも、私はもっと福祉の仕事の魅力を伝えていきたいと思っている。福祉の仕事が長く、安心して続けられる社会にしたい。それは難しいことだと分かっているけれど、この思いはずっと変わらずに心に在り続ける。
1/16
仕事終わりに電車に揺られながらふと、"心が大きく動いた瞬間"を思い出していた。
それは大学時代のインターン先だった子どもの居場所支援で、私にとって大切な存在だった子ども達からサプライズで色紙をもらった時。それからベトナムで過ごした友達との最終夜、友達に宛てて手紙を書いた瞬間。
きっかけは、様々な色をした涙の物語「夜廻り猫」を読んだことだと思う。この物語は私にとって、元気のない時に読むと自然と心が温かくなるお守りのようなもの。
考えていると、私は心が大きく動いた時、よく泣くということに気づいた。それは悲しい時や悔しい時だけではなくて、嬉しい時も。嬉しくて、でもどこか寂しさも含んでいるような涙。小さい頃の私は、泣くのはよくないことだと思っていて、すぐ泣いてしまう自分が嫌いだった。でも今は、涙が出る瞬間は心が大きく動いている時で、泣くことは私にとって必要なことなんだと思える。うん、絶対にそうだ。
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あと半年後くらいに家を離れようと考えていることを伝えると、おばあちゃんが本当の気持ちを話してくれた。「病気のお母さんの側にいてほしい」と。おばあちゃんは自分の気持ちをひとりで抱え込むところがあるから、正直に話してくれたことにほっとすると同時に、私のやりたいことや気持ちも大切に生きていきたいという真っ直ぐな意志は固かった。でも、私にとっては家族や友人、周りにいてくれる人達と支え合いながら、彼らを大切にしながら生きていくことも同じくらい重要なこと。それはとても難しくて、全てがパーフェクトになる状況なんてないのだと分かっている。だから、周りの人たちと対話を積み重ねて私なりの決断ができればいいんだけど。それはとても難しいことだ。
1/17
明日は双子の相棒と友達が暮らしているシェアハウスへ遊びに行く日。ずっと前から楽しみにしていて、待ち切れないくらいのわくわくドキドキを携えて準備を進めていく。すると、気づいたらふたりへのプレゼントの包装をデコレーションし始めていた。どんな顔をするかな、きっと驚くだろうなと想像しながら色えんぴつで名前のアルファベットの中に模様を描いていく。
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これから先の人生でもう会うことはないのだけれど、私にとってお守りみたいな大事な人たちって沢山いるなと思いを馳せていた。
例えば、大学時代にインターンをしていたNPO法人のスタッフさん。それから、その居場所支援で出会って同じ時間を共有した子ども達。ベトナムで出会った花のような友達や、マレーシアで出会ってたくさん英語で会話をした友達。私の試験を応援してくれた、かわいい赤ちゃんを連れた名前も知らないお母さん。
つい最近まで、彼らともう2度と会えないことは私にとって寂しい事実だった。けれど、もう会えなくたって一緒に過ごした時間や経験は消えることがないし、私を形作る一部になっていくことも知っている。
彼らは私の心の中でずっと生き続けている。
だから、今繋がっている大切な人たちと同時に、もう会えない彼らの存在もずっと心の中に閉まっておきたい。そして時々取り出して、元気をもらいながら生きていく。
そんな大切なみんなが、どこかで幸せに生きていますように。そう願ってる。
1/20
双子の相棒と友達が暮らすシェアハウスで過ごした2日間のこと、ここにしっかり残しておかないと。書きたいことがぐるぐると渦巻いていて、何から書けば良いのかわからない。こういう感覚、久しぶりだ。
私にとって、相棒と友達はかけがえのない、心から大切に思っている存在。そんな大切な2人がたくさんのステキな仲間に囲まれて暮らしていることを知れてとても嬉しかったし、何よりほっとした。何があっても2人をすぐに助けてくれる人がいるんだって分かったから。
みんなで笑いながらデジカメ撮影大会をした時間も、近くの神社や商店街を散策してお気に入りのお店を見つけたことも、友達が相棒と私に赤いローズをプレゼントしてくれたことも、クリスマスの朝ごはんを一緒に作って食べた時間も、全てが私を幸せにした。
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楽しそうに花についての知識を教えてくれた
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それから、ものづくりが好きで自分の世界を持っている人たちにも出会えた。対面で"好き"の感覚が似ている誰かに会うのは久しぶりで、心が躍ったよ。もっと色々お話ししてみたい。また会えるといいな。
1/26
大学で出会った大好きな友達と、のんびりディズニーに行った日のこと。
彼女はディズニーが大好きで、その話をする時はいつも目がきらきらしていた。そんな彼女と私の思い出には、いつもふたりで何度も足を運んだディズニーの記憶があって、それがあたたかかった。だからこうして社会人になってからも一緒に"楽しい"を共有できて嬉しい。
可愛くてあたたかいファンキャップを被って写真を撮り合いっこしたり、気になったものを片っ端から全部食べ歩きしたり、お酒を飲みながらお話ししたりして、私たちのペースでゆったり楽しんだ。彼女と一緒においしいものを共有し合って話をする時間が好きだ。
マーメイドラグーンのベンチで、気付いたら2人して眠ってしまっていたのもいい思い出。お互い仕事で相当疲れていたね。
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学生時代も楽しかったけど、今だってすごく楽しいよと笑う彼女はとても眩しい。
今日のことがいつか色褪せてしまうとしても、せめてここには鮮明に閉じ込めておくね。
1/27
妹みたいな友達のお家に遊びに行った日のこと。
彼女に会うのは10ヶ月振りだったから、今日会えることを心待ちにしていた。元気にしてるかな?ひとり暮らし楽しめてるかな?と思いを馳せながら最寄りの駅に向かう。
私の心配をよそに、彼女は「ひとり暮らし楽しいよ!」と笑顔で言い、今の仕事の楽しさや魅力もたくさん教えてくれた。私にとって妹みたいな存在だから、それを聞いて自分のことのように嬉しい気持ちになる。
一緒に家の周りを散策してデジカメで写真を撮ったり、看板犬のいるお店に台湾料理を食べに行ったり、お家でのんびりしたりして過ごした。
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この日はもうひとつ嬉しいことがあった。それは、私の大好きな編み物を一緒に楽しめたこと。彼女は私の作るものや世界観が好きだとも言ってくれた。その言葉は私にとって宝物になったよ。
一番簡単な鎖編みで作ったリボンをルームフレグランスの瓶につけて「かわいい〜!」とふたりではしゃぐ。今まで誰かと一緒に編み物をしたことがなかったけれど、"好き"を共有できるのってこんなにワクワクするんだね。ずっと心がふわふわしていた。
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私の作ったシュシュをプレゼントすると、喜んですぐにつけてくれた。
よく似合っていて、いつか私の作った作品のモデルをしてもらいたいという小さな夢が早くも叶ってしまった。次は一緒に編み物ピクニックをしようね。