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【インド映画】8 A.M. Metro(2023)

メトロで出会った男女のプラトニックな関係を描く
ラストもなんだかじんわり系

  • 原  題:8 A.M. Metro

  • 公開年 :2023年

  • 言語  :ヒンディー語

  • 上映時間:1時間52分

  • 出演:サイヤミ・カー/グルシャン・デーヴァイヤー

  • 監督:ラジ・ラチャコンダ

鑑賞方そこで法・・・オンライン(英語字幕)
総  評・・・★★★★☆

あらすじ

主婦のイラは、臨月である妹(夫は"出張中")の世話をしにハイデラバードに行かねばならないのだが、夫は仕事で忙しいので同行できず、イラは一人で行くことに。

イラは、幼い頃に経験した電車に関するトラウマから、電車に乗るのがどうしても怖い。ということで、トゥクトゥクに乗って長い時間かけて高いお金を払って来たけど、そのことを妹に言うと、「メトロなら50ルピーですぐよ。メトロ一択!」と言われてしまい、渋々メトロにチャレンジすることに。

ただ、イラはメトロの駅のホームでパニックを起こしてしまいます。

そこで彼女を助けたのが、プリータム。

彼は毎日同じ時間・同じ車両のメトロに乗車するようで、毎日会うようになります。

イラを気にかけているプリ―タムは、メトロの中では彼女と色んな話をします。やがて、二人の共通の趣味が「詩」であることがわかり、カフェでも頻繁に会うように。

妹の出産が終われば家に帰ってしまうイラを誘い、2人は1日ハイデラバード観光で出かけます。が、ちょっとプリ―タムの様子がおかしい。

実は、プリ―タムにも色々と事情があって・・・

感想

ネットの検索結果であんまり日本語サイトがヒットしなかっただけなのか、日本人で見ている人は少なそうだったけど、某サイトでかなりの高評価だったので鑑賞。

何だか最初は、専業主婦が外に出るという点が「マダム・イン・ニューヨーク」に似てるなと思いつつ(全体のストーリは全然違うんだけど)・・・

結果、明るいコメディ系の映画が好きな自分としては「アレ?こんな感じなのね」という印象は否めないけど、めちゃくちゃいい映画でした。

恋愛関係にない男女のつながりってインド映画では珍しい(?)

多くのインド映画は、男女といえば恋愛関係にあるのが一般的かなと思うけど、本作は恋愛関係にはない(と言っていいと思う)男女の話。

共通の趣味である「詩」を通じて人間的に惹かれあう二人。精神的につながれていて、抽象的かつ詩的な会話が多く、こうゆうところの感覚が合う人っていいよねと思った。

ただ、途中から、いやいやちょっと二人でカフェ行き過ぎ(ギリ、デートではない)じゃない?と突っ込みたくなる。もしやこれ、浮気の話?と思ったレベル。

繊細なラスト。インド映画では珍しい(?)←2回目

後半に明かされる、プリ―タムの悲しい家庭事情。

ハイデラバード観光の際にプリ―タムの家も訪ねるんだけど、奥さんは不在。犬を動物病院に連れて行ってきますとの書置きがあるだけ。

同日、火葬場にも訪れるシーンがあるのだが、なぜか大泣きするプリ―タム。

正直、映画を見ていてちょっと謎な展開。。。

前半はプリ―タムの幸せそうな奥さんとのやり取りが描かれるけど、たぶんこれは空想というか・・・こうなら嬉しいな、のイメージ。

実際は、奥さんも子ども2人も犬も事故で亡くなっている。

銀行員として忙しく働くプリ―タムは、生前の妻にかなりキツめな態度をとっていて、家族を亡くした今、家族をもっと大事にすればよかったとの後悔に苦しんでいるのだ。

実は、イラが駅のホームでパニックを起こしたとき、実はプリ―タムは自殺をしようと思っていたところだった、という衝撃の事実。

2人の出会いは、実はお互いを助けることになったというところは本当によかった。

結局2人はお互いの家庭もあるしもう会うのはやめましょうということになっている中、イラはプリ―タムに励まされたことを機に、9カ月後に詩集を出版。遠く離れていながらにして応援のメッセージを送る素敵なエンディングでした。

まとめ

2時間弱と短めなのでサクッとみられる、けど内容は結構重め。

監督や俳優、プロダクションすら全く知らない映画だったけど、見てよかった。とても繊細で、詩的で、余韻のあるいい映画でした。


 

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