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自分に甘くないと漫画なんか完成しない

こんにちわ
BLエロ漫画を描いてはデジタル同人誌を売っている人です。楽しいのでその実例を紹介してぜひ始めましょうよと主張する記事を量産しています。

僕が創作活動で一番困っているのは手が止まる事です。
それは簡単に何カ月にも及び、中断したままその作品をやめるのが一番無駄だと思っています。

何度かそういう無駄な経験をしながら何とか克服して本を出す事が出来るようになったのでそのことについて書いてみようと思います。

以前にも似たような事を書きましたが、この辺が一番主張したい事なので、何度も言いたいと思います。


同人誌を作ろうかな?と思って実際に漫画を描き始めるけど、本として完成させられずグズグズしてる人は僕の予想だと結構いるんじゃないかと思います。完成させられない理由は手が止まる事で、手が止まる理由の大半は、「何か上手く描けなくて嫌になる」事が発端になっているんじゃないか。

あまり自分を責めない事が本を完成させるコツです。全方向から見て上手く描けている必要がどこにあるでしょうか。ないです。

以下に尽きます。

「みんなそんなに最高のクォリティじゃない」

まずは、DLsiteなどで気になった同人誌を何冊か買ってみましょう。上手いと思ったり欲しいと思ったヤツで構いません。そして、アラを探すような目線で重箱の隅をつつくような読み方をしてみてください。

いいな!上手いな!と思った同人誌でも、すべてのコマがその作者の最高のクォリティではない事に気付くでしょう。むしろその人の画力なら「こうはならんやろ」というコマの方が多いくらいじゃないかな。

例えば40ページで平均1ページ5コマとすると200コマ描くわけです。

同人誌を描く人の大半は兼業でしょうから、それぞれ空き時間を見つけて描きます。体調や、やる気のコンディションもマチマチでしょうし、毎日連続して描くわけでもないでしょうから、下手をすると最初と最後で絵のテイストが変わるという事態になる事すら有りうる。

実例を紹介するには自分のみっともない部分を晒すしかないので晒してみるとこんな具合です。


BLエロ漫画注意。



描き始めで硬い表情、人物とスケールのあってないドア、ペラペラの紙のセットのような絵
ポータブルな緞帳(どんちょう)からあられもない姿の同僚が登場するシーン。頭に浮かんだものと全然違う物しか描けなかった例
こういう風に見える角度もあるんだろうけど、漫画的には画角が悪く、伸ばした腕が不自然になってしまった例
売り専クルーのたこ部屋。乱れた生活の陰惨な雰囲気が全然出ていない背景
結ばれた主人公たちがその証に指輪をはめているシーン。構図が最悪で全然何してるかわからないコマ

どうでしょうか。これらの部分を作画しているとき、僕は自分で自分にガッカリして作画をやめたい気持ちに駆られていました。でも描き直しもせず、止めずに前進したので同人誌を出せました。

これが僕のオススメする止めないコツです。本物のアーティストじゃないからイチイチ描き直さない、作画にガッカリしても次のコマは上手く描けるかも、という期待を胸に、とにかく駒を進める。この開き直りを、僕は自分に甘いのでできます。

そして、自分に厳しくて出来ない人にひとこと。
上の変な絵も、同人誌としてページ単位でサッと流し見すれば、そんなに「何じゃコリャ」と読むのを止めるレベルの失敗には見えないハズなんです。

描いてる自分と買って読んでくれる人は意識が違うのです。エロ漫画の場合、こういった「ヤってない場面」のしくじりには寛容、というより、イチイチ見ていません。

その漫画の中で、ここだけは描く人も読む人も絶対に外せないシーン、という部分を1か所、多くても2か所まで決めて製作に取り掛かると良いと思います。

あまりの大惨事でお見せできませんが、上記の漫画の場合、僕は乱交射精シーンをそれに定め、そのページだけは理想の状態になるまで描き直し、自分が納得できるクォリティーで完成としました。

それ以外のページ、シーンについては、描いたは良いが思ったのと違う、とか、上手く描けなかった、とか、そういう事で悩むのはやめにして、とにかく一旦「描いた」んだから、完成しても尚、まだ心残りなら描き直せば良いかな?程度の優先順位にして前に進むことを最優先させる位の気持ちでいると、一気に気持ちが楽に僕はなりました。

今描いているのが最良の作品ではありません。未来に向けて良くなり続けるはずです。自作への思い入れは大切ですが、それが強すぎるあまり、すべてのコマを理想の絵で描こうとこだわりすぎて、結果出せなくなったら台無しです。

自分に甘く「イイ塩梅で」GOサインを自分で自分に出して行くのが完成にこぎつける近道です。



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