このボールがゴールに入ったら僕と付き合って欲しい

え、なんで

え?

いや普通に

なんでって…

なんでだろうなぁって思って

斉木さんのことが好きで…

いやそういうことじゃなくて

え?どういう?

なんというかその、佐伯くんはさバスケ部のキャプテンなわけじゃん

うん…

で、なんか試合でめちゃくちゃ点決めるじゃん

そうだね…

高校生のゴール率日本記録持ってるじゃん

うん…

これを一回挟む必要あるのかなぁって思っちゃって

挟む…?

たぶん入るじゃんゴールに

いや…でも分かんないけど

この前テレビ出てたじゃん

え、うん

なんかプロと高校生がバスケのミニゲームで戦うみたいな企画やってたよね

あ、うんやった!楽しかった!

日本代表の選手に勝ってたよね

うん…

あの怒ってるわけじゃなくて

あ、うん

一回ゴールに入れるタスクあんま必要ないよねってことを言いたかった

僕のこと…嫌い…?

嫌いというかギミックがちょっと

ギミック?

ゴールに入ったら付き合って欲しいに了承した瞬間確定みたいなギミックがちょっと…

いやでも緊張して入らないかも…

いや代表選手と1分間でどっちがゴール入れれるかで31対19で勝ってたじゃん

そう…だね

一回も外してなかったじゃん

うん…

だから絶対成功するゴールを見せられるくらいだったら無策で告白された方がいいかな

あー…なるほど…ごめん…

え、なんで帰ろうとしてるの

え、ダメなのかなって思って

ちゃんと私の話聞いてた?

絶対成功しそうだから嫌なの

絶対成功しそうだから…

もっと挑戦してほしい

挑戦…?

絶対にはならなそうな要素を増やしてみるとか!

それは僕のことあんま

佐伯くんだったらできるって信じてるから!

???

佐伯くんはもっと難しいことしても成功できるって信じてるから!

え?わかった…

頑張って!

んー…じゃあ目隠しをして10秒以内に体育館の橋からスキップでボールに近づいて足でシュートしてゴール入ったら僕と付き合って欲しい

え?

じゃあちょっとタオルで目隠すね

え?私のこと嫌い?

ちょっと10秒数えてて

え、うん…いくよ、よーいスタート

ドタッ…ドタッ(スキップ)

さーん、よーん、ごーお、ろーく

ドタッ…ドタッ…ドン(シュート)

はーち…あ、入った

え、それじゃあ付き合ってくれる?

流石に






「斉木と佐伯」


最後まで読んでくれてありがとうございました

さよーなら。




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