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新宿御苑に福島の除染土を運び実証実験

報道によると、福島の除染土の再生利用実証実験を新宿御苑で行う計画があるとのこと。

福島の除染土 再生利用実証事業を新宿御苑でも計画 環境省
(NHKウェブ 12月09日 11時56分)

公園内の一般の人が立ち入れない場所で、除染土を使用し、花壇を設置するそうです。また、今月21日には住民説明会が開かれ、年明けの事業開始を目指すということです。

この住民説明会、新宿御苑近隣といっても新宿1丁目、2丁目に住む人限定で定員50名という少なさです。このままでよいのか、問い合わせも多いようです。
実証実験をなぜ子どもたちも遊べるような新宿御苑で行う必要があるのか、安全性(運搬と管理の問題)など、十分な説明が必要です。

実は、新宿御苑内は環境省が管轄しており、新宿区ではありません。しかし新宿区内にあるため、新宿区・新宿区民の理解なしには進めることは難しい事業です。
すでに新宿御苑の事務所では、この除染土を使用した鉢植えを設置して、再生利用に関する理解促進のための展示なども行っています。

この事業について知らない人も多く今回のニュースは全く知らなかった、という近隣住民の方々からも連絡をいただきました。近くにお住まいでなくても、職場が近い方なども不安に思っていらっしゃいます。

この再生利用の事業は、以前から環境省が進めており、鉢植えだけでなく駐車場利用など議論されてきました。また、運搬時に飛散することなども懸念されるため、環境省の再生利用方策検討ワーキンググループで議論されてきています。
詳細は、リンクの環境省の中間貯蔵施設情報サイトをご覧ください。

除染土は、東京が電力を一番使っているのだから、引き受けるべきだという一部の声もあります。確かに、積み重なっていく汚染された土を、どこかで処理していく必要はあります。
しかし、エネルギー政策の根本的な議論なしに、東京が引き受けたらいいというのは乱暴な議論です。しかも今回は、実証実験として花壇に利用するというのですから、引き受ける事業そのものではありません。引き受けるか否かは、安全性を確保してからの話ではないでしょうか。
自然エネルギーへ転換し原発を廃止していくこと、その根本的なエネルギー政策の議論をこの機会に考えていきたいと思います。

*「除染土」表記について(追記)
このブログでは、「除染土」と表記しています。「汚染土」という表記がよいのではというご意見を頂戴しました。こちらのオンライン署名では「汚染土」を使用しています。環境省の処理の流れはこちらです。「除染で取り除いた土」
除染で取り除いたものは、放射性物質を含む土壌ですので、「除染で取り除いた残りで放射性物質を含む汚染された土」が正確な言い方かもしれません。
しかし、報道上「除染土」としているものが多く、より広くこの問題を知っていただくためには検索ワードなどで表されるよう、ブログでは「除染土」表記のままにさせていただきます。注記として、こうした表記のことも付け加えていきます。ご意見ありがとうございました。


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