体験的に死ぬ

「体験的に死ぬ」とは? 〜着想から開催にいたるまで〜

こんにちは!inclueのきのぴーです。

今回は、11/25(月)に開催したイベント「体験的に死ぬ」の開催にいたった背景をお話しします。


「体験的に死ぬ」とは?

まずは、イベント概要の紹介文をご覧ください。

現代の日本において、「死」は日常から隔離された、忌避の対象となっています。

都市化による葬儀の簡略化、死を遠ざける医療技術の進歩、死体の一部とは連想しづらいスーパーの切り身やブロック状の肉・・・。

しかし、「死」は万人に対して訪れるものです。

そこで、「体験的に死ぬ」では、ストーリー形式で自らの死を体験することで、死に対する向き合い方や、本当に大切なものを探求します
人生でどのような道を辿って、「死」に至るか、一緒に想像してみませんか?

↑Facebookのイベントページです。


「体験的に死ぬ」は、このように普段考えることの少ない「死」を通して、心から大切にしたいものを捉える試みです。




着想から開催にいたるまで

このイベントを開催するにいたったきっかけは、7ヶ月前まで遡ります。

詳しいことはよく覚えていないのですが、ある日私は、突然頭に浮かんだ「遺言ワークショップ」というアイデアをつぶやいていました。

当時はイランに留学していたので、平日の朝、起きてすぐツイートしたことになります。謎ですね。



もともと、「死」や「死生観」への興味がなんとなくあったのですが、それがどこから来るものなのかは、自分でもあまりわかっていません。

私の「死」に関する思い出は2つあります。

1つ目は、高校3年生の時に親戚のおじさんが50歳ほどで亡くなったこと。

2つ目は、大学2年生の時に祖父を亡くしたこと。

普段は住む場所も生活環境も違っていて、口喧嘩をする人たちもいますが、葬儀の場では、みんなの想いが重なっていくような感じがして、不思議な居心地でした。


2つとも印象的な出来事でした。しかし、考え方が大きく変わったり、その後の生活に大きな変化をもたらした訳ではありませんでした。


「なぜ自分は、死に興味を持つのか?」

個人的には、この疑問を解き明かしたい想いでがんばっています。



先ほどのツイートの直後、幸運にも、京都の大学で「遺書ワークショップ」を扱う講義を数年していらっしゃった方がリプライで話しかけてくださり、帰国後ヒアリングすることに。

また、以前より友人の銘苅(めかる)さんという方が「そのワークショップめちゃ興味あります」と言ってくれていたので、一緒に企画・運営をすることになりました。


イベント内容について、はじめは先ほどのツイートの通り、「自分が死ぬ前を想像して、誰にどんな遺言を残したいか」を喋ってみることを通して、自分の大切にしたい人や価値観、生きる意味について考えるコンテンツを構想していました。

しかし、先行事例を調べている内に、「死のシミュレーションゲーム」と出会います。

これは、アメリカのホスピス作成されたゲームで、患者が感じる喪失感や苦しみ・悲しみを疑似体験することによって、患者や家族の理解を促進することを目的にしています。

そこから、自分自身の生き方と向き合うための手助けとして、日本でも広まっていきました。


私たちは、より情緒的に、より現実に近い状況で死に向き合える場をつくるため、これをコンテンツの軸に据えることにしたのです。




クリエイティブに込められた意味

体験的に死ぬ

このクリエイティブを実際につくったのは私ですが、大部分のアイデアを出していただいたのは銘苅さんでした。


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デザインに着手し始めた、イベント名も決まっていない頃は、「死といえば暗い雰囲気で、黒っぽい感じだろう」という安直な考えで、このようなアウトプットを出しました。

(最初は方向性をすり合わせるため、簡易なアウトプットと抽象的なコンセプトを何度も行き来します。)

しかし、銘苅さんから「死だから黒色にするのは、これまでの固定観念を押し付けることにつながる」という意見をいただき、別の案を考えることになりました。


スクリーンショット 2019-11-17 21.50.24

さらに、「流体のようで、淡い色合い」という提案をいただいたので、それを元にアイデアを膨らませます。


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本来は背景となる画像でいろんなパターンを試す予定でしたが、幸運なことに、イメージとぴったり当てはまるものがすぐ見つかりました。

なので、イベント名の「体験的に死ぬ」が決まった後は、フォントや色合い、文字の配置などが異なるパターンを2人で選定し、無事完成しました。



体験的に死ぬ

このクリエイティブには、このような意味が込められています。

「暗くて恐ろしいと考えがちな『死』のイメージを一度崩し、実際に向き合ってみる体験。そこから、本当に大切にしたい人や物事を見つけていこう」




おわりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

少しでも私たちの「体験的に死ぬ」にかける想いが伝われば幸いです。


ぜひ、私たちと一緒に「体験的に死んで」みませんか?


■こんな方におすすめです。

・心から大切にしたいものを知りたい
・自分や身近な人の「死」について考えてみたい
・いろんな人の「死」に対する考えを聞いてみたい


- - - - - お知らせ(2020.09.26追記) - - - - -

inclueでは毎月「体験的に死ぬ」をオンラインで開催しています。

次回の日程は、10月4日(日)19:00〜21:15 です。

下記URLよりお申し込みいただけます。ご興味ありましたら、こちらからご覧ください。


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