見出し画像

「脳トレジム」から「就労移行支援」への事業転換

 こんにちは。

 インクルード公式note編集部です。

 前回は、私たちインクルードの原点のひとつとなった 脳トレーニングジム「ブレインフィットネス®」を立ち上げた経緯についてお伝えしました。そこで今回は、再びインクルード創業者の視点から、事業の転換に踏み切ったきっかけや想いなどについて伺います!

1.「ブレインフィットネス ✖︎ 就労移行支援」

編集部(以下、「編」):今回も前回に引き続き、インクルード株式会社(旧株式会社イノベイジ) 代表取締役の高山(たかやま)社長にお話を伺います。よろしくお願いします。

高山(以下、「高」):よろしくお願いします。

編:前回は、脳トレーニングジム「ブレインフィットネス®」の立ち上げと撤退について伺いました。今回はあらためて、どのような経緯で事業転換されたのかをお聞かせいただければと思います。事業の大きなターニングポイントになった出来事はどのようなものだったのでしょうか。

高:脳トレーニングジム「ブレインフィットネス®」の集客に苦戦している頃、現在のインクルードの取締役である尾崎に当社の面接で「ブレインフィットネスを導入した就労移行支援をやりましょう」と提案され、ピンときて「よし、やろう」と。
私は前職を含めてかなりの数の面接を行っていますが、初対面の面接時に新規事業を提案されたことは始めてでした(笑。

編:ブレインフィットネスと障害のある方の就職や復職を支援する就労移行支援事業、この組み合わせ当時、他には全くなかったと思いますが、なぜピンときたのでしょうか。

高:前回にも少しお伝えした通り、欧米のブレインフィットネスと呼ばれるプロダクトやサービスには、年齢や障害の有無を問わずさまざまな人を対象としたものがあります。精神疾患や発達障害の方を対象としたブレインフィットネスも多く存在しており、最近では高齢者の認知機能維持目的のものよりも多くなってきている印象です。

編:つまりブレインフィットネスが、就労移行支援と高い親和性を持つということでしょうか。

高:そうです。ちょうど脳トレジムでもストレス過多からメンタル不調に陥りがちなビジネスパーソン向けに、ストレス軽減を目的とするサービスを検討していたこともあり、「ブレインフィットネス × 就労移行支援」という提案は面白いと思いました。彼を事業責任者として採用し、「ニューロワークス」として就労移行支援事業をスタートすることになりました。

編:対象とするユーザーに違いはあれど、ニーズを捉えるという意味ではブレインフィットネスはいずれのユーザーにも必要とされる可能性があったということですね。

高:脳トレジムは集客に苦戦していましたが、ブレインフィットネスプログラムを導入した就労移行支援事業所ニューロワークスの集客は好調でした。売上はすぐに脳トレジムを上まわり、店舗数も増え、脳トレジムのクローズに合わせて就労移行支援事業に会社として事業転換することになりました。

編:インクルードとしての大きな軸であった「ブレインフィットネス®」の系譜は、しっかりと受け継がれているのですね。

2.事業転換にかけた想い

編:脳トレジムから就労移行支援事業への転換にあたり、どのような想いがあったのでしょうか。

高:尾崎と出会い、就労移行支援事業をはじめて、ここに大きな社会課題があることを知りました。認知症は脳の認知機能の障害ですが、同じく脳の機能の障害とされるうつ病などの精神疾患、発達障害などに苦しむ方はとても多く、またそうした方々の力は今の社会では十分に活用されていません。

編:能力があるにもかかわらず、障害があるためにそれを活かせていないということが社会の“損失”になりうるということですね。

高:生産年齢人口が減っていく超高齢社会の日本では、今後ますます障害を持つ方の活躍が求められるし、働くということはご本人のウェルビーイングに直結します。

編:障害を持つ方々の活躍が今後の社会に不可欠であることは間違いありませんが、これまでにそういった方々と触れる機会などはあったのでしょうか。

高:就労移行支援事業の展開を考えていた頃、妻がある業者とのトラブルから適応障害と診断され、全身の痛みや極度の疲労感に苦しんでいた現実がありました。心療内科に通い治療していますが、現時点でまだ闘病中です。

編:ご自身の身近に、まさに取り組むべき課題があったということですね。

高:認知症予防に貢献するという志を掲げながら撤退することになり悔しい思いはありました。しかし目の前に苦しむ妻がいて、同じような苦しみをもつ多くの人がいて、社会課題が存在する。ブレインフィットネス・脳科学との掛け算でこの領域にイノベーションを起こし課題解決に貢献していくことは、他でもない自分がやるべきことだと心の底から思い、事業転換を決意しました

編:「認知症予防」と「就労移行支援」は文言だけをみると関連性が薄いようにも思われますが、社会課題を「脳」という軸で解決するという点では、いずれも根底には同じものがあるといえますね。

高:脳トレジムはクローズしましたが、「認知症と戦う」「認知症から逃げ切る人をひとりでも増やす」という想いは未だ捨てていません。いずれ、他のビジネスモデルでこの社会課題解決には再度挑戦するつもりです。またそれ以外にも、様々な社会課題解決を目指す事業を創っていきます。

編:事業転換によって開始した就労移行支援事業は、社会課題を解決する方法の「ひとつ」に位置づけられるということですね。今後もさまざまな社会課題を解決するために挑戦し続けるということですので、次回は今後の可能性や展開について詳しく伺えればと思います。

引き続き、よろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?