見出し画像

ミニ四駆ステーションチャレンジ2024 2nd Rd. コジマ×ビックカメラ佐野店 反省会

はじめに

 ハイグリップタイヤにハイパワーモーターでコーナー立ち上がりで差をつける、とイキっていたときのわたしが書いた記事がコチラ。

 タムタム大宮店での1st Rd.ではハイグリップかつ制振性に優れたシリコンタイヤに4:1ギヤ、ハイパーダッシュの組み合わせが、当日のレイアウトにピタリとハマって、決勝トーナメントでは破竹の勢いを見せたマシンも、出るところに出なければグリップを持て余して飛距離が伸び、ブレーキがしんどくなる上にコーナーも遅いといういいところなしになってしまう。そんなことを痛感させられた1日であった。
 今大会のリザルトは、予選 1回戦 CO→敗者復活戦 決勝  速度負け。敗者復活戦で勝ち上がれたのも、まわりの自滅によるもので、自力で勝てた試合はない。それどころかCOしている試合もあった(コジマ独自ルールで、ブロック代表者決定戦までは最後までコース上に残り続けたものの勝ちになる)。
 今週末(この記事を書いている途中で寝落ちしてしまったので、週をまたいでしまった)もまたステチャレに参戦するので、備忘録をしたためるというか、反省会を催すというか、そういうことをしていこうと思う。
 
 

FM化は果たして成功したのか

 現在のミニ四駆においては、MSシャーシという三分割方式のセンターモーター式のシャーシに加工を施して、モーターやバッテリーが搭載されるセンター部分(センターシャーシ)がジャンプの衝撃を受けてボトムすることで大きな制振性を発揮する、いわゆるMSフレキを使うユーザーが大半を占める。一方で、従来の前後どちらかにモーターを設置し、プロペラシャフトを介して四輪駆動とする、いわゆる片軸シャーシは、環境の隅に追いやられつつある。ここで勘違いしてほしくないのが、決して片軸が弱いとか使えないとか、プレイを使っているから偉いとか、そういうことではなく、あくまで現環境においてのシャーシの使用率の話をしているのである。
 さて、見出しの通り、わたしのマシンはリアミッドシップのいわゆる旧シャーシと呼ばれる世代のゼロシャーシを前後反転させてフロントミッドシップ化(FM化)したものである。ゼロシャーシ自体はミニ四駆黎明期に登場したもので、現在では復刻版キットに付属する形で流通するのみである。なお、復刻版にはPC-ABS製の強化シャーシが付属する。ゼロシャーシを使っているだけでも十分変わり者あるいは傾奇者だろうが、それをFM化してまで使っているヒトはほぼいないだろう。
 そう。使っているヒトがいないということは、それだけ情報が少ないのだ。バンパーレスするにも手探り状態で、ようやく自分のスタイルを確立したが、それも完璧であるかと言われればそうではないのが実情である。
 FM化することによって、回転する部分はすべて逆方向に回転する。これによってプロペラシャフトとクラウンギヤの噛み合いがよくなり、駆動効率が上がる……
 
 はずであった。
 
 ギヤの噛み合いにばかり気を取られ、モーターの回転方向の適正にまで気がまわらなかった。今回、予備として5個の未開封のパワーダッシュモーターを持ち込んだが、頭の悪いことに、わたしはそれを“正転”で回転数を計測していたのだ。当然逆転で使えば本来の性能を発揮できず、タイヤのグリップに負けてスピードが伸びず、敗者復活戦決勝での大敗という結果になってしまった。
 
 

ローフリクションタイヤはやっぱりミニ四駆における基本的人権だった

 先日、待望のローフリクションタイヤ、通称ローフリ、マルーンタイヤが再販された。約半年の延期を経ての再販で、かなり潤沢な在庫が各店舗に送り込まれたようだが、秒でなくなった店もあるようだ。そのくらいローフリクションタイヤには需要がある。もういい加減に限定品じゃなくて通常品番にしてほしいくらいなのだが…… マルーンカラーではなく黒色のローフリクションタイヤが強化樹脂製のホイール付きで発売される話もあったが、どうやら立ち消えになったようである。
 それはともかく、ミニ四駆もモータースポーツである(と、タミヤは主張しているし、わたしもそう思う)のだから、タイヤのグリップはあった方がいいに決まっているのだが、実際のレーシングカーないし自動車とミニ四駆には決定的な違いがある。それは「前後左右すべてのタイヤが常に同じ回転数で回り続ける」ことだ。ワンウェイホイールという例外はあるが、基本的に使われることは(少なくともわたしが使うことは)ないので、これは決定的な差と言って差し支えないだろう。四輪車において、理論的にはコーナリング時はすべてのタイヤが異なる距離を走行するため、それを吸収する機能がどうしても必要になるのだ。それが実車におけるデフ、ディファレンシャルギヤ、差動機構というわけだ。これを持たないミニ四駆は、コーナリング時、常にタイヤに滑り方向の力がはたらいていることになる(でなければミニ四駆は“直進し続けて”コースの壁を突き破るだろう)。
 一方で、車体を前に押し進めるための、いわゆる“縦のグリップ”というものも、ミニ四駆においては求められる。縦にグリップしないタイヤを履いたマシンは当然加速しない。他方で、縦のグリップは同時に、進行方向に対する抵抗でもある。また、縦のグリップが強すぎるタイヤはジャンプの飛距離が伸びる傾向にあり、よりキツいブレーキを設定せねばならない。
 以上から、横には可能な限りグリップせず、縦にはほどほどにグリップしてくれるタイヤが、ミニ四駆においては必須になってくるのである。
 ローフリクションタイヤは限定商品になるので、付属するキットも存在するためカスタマーサービスでアフターパーツとしても取り寄せ可能なスーパーハードタイヤも選択肢に入ってくるが、やはり縦と横のグリップのバランスではローフリに軍配が上がることになるだろう。これに逆らって、回らないモーターに眠った電池でハイグリップタイヤを走らせようなど、ちゃんちゃらおかしいという話だったのだ。
 もちろん、セッティングのひとつとしてパーツケースに入れて持ち歩くのはアリだろうが、直径が24mmでは大きすぎる感がある。現在のミニ四駆はタイヤをレギュレーションで定められた最低直径(22mm)に限りなく近づくよう削り込んだ小径タイヤを履かせるのが主流であり、23mm台のタイヤを履いていると「結構大きめですね」と言われるくらいなのだ。要は小さいタイヤを履くことでドライブシャフトまわりの慣性モーメントを低減し、再加速に極振りするのだ。小径ローハイト、いわゆる中径タイヤで24mmはホイールに対するタイヤの厚みが大きすぎて、ドライブシャフトまわりの慣性モーメントが大きくなってしまい、それだけ加速に要する力が必要になってくる。大径ホイールでギリギリまでタイヤを削り込んだ24mmとはまた話が変わってくるが、基本的にはレギュレーションギリギリまで削り込んだタイヤに高回転型モーターというのが最適解になってくるのだ。
 
 

これからどうするのか

 ローフリクションタイヤは前後2セットを入手できたので、ホイールを検討してから小径タイヤの製作に入る。今週末の大会には、以前まで使っていた23mm径のローフリの生き残りを22.1mmまで削り込んで持ち込む。非常にクセのあるコースレイアウトを出してくることに定評がある店舗でのレースなので、ただでさえ制振性のハンデを負っているシャーシで臨む以上、万全を期さなくてはならない。モーターもパワーダッシュだけでなく、スプリントダッシュ、ハイパーダッシュも用意する必要がある。車体の損傷や改善したい点もあるので、そちらも並行しつつ、実施していく(むしろそっちが優先だろう)。
 正直、FMゼロシャーシを続けるのかどうか、決めかねている部分もある。先述の通り、ミニ四駆のモーターに限っていえば、回転方向の適性があり、逆転に向いていて、かつよい個体を探して育成するとなると、正直間に合わないし、予算の兼ね合いもあるので、どこかで妥協はしなければならないだろう。しかし、ステーションチケット入手のために全力を尽くして、その上で「やるだけやったけどダメだった」と割り切れるレースをしたい。それだけだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?