初心者ダイバーに捧ぐ | ウェイトベルトの重要性
ウェイトベルト、、、ダイバーは海に潜るためにウェイトを装着します、重いので取り扱いに注意が必要、今回はこのウェイト&ウェイトベルトについて書いていきます。
目次
ウェイトを装着する理由
なぜウェイトは必要なのか
浮力について
アルキメデスの原理
古代ギリシャの数学者アルキメデスは王冠が純金でできれいるかどうかを調べるために浮力の原理に気がついたといわれています。
液体中の物体には、その物体が押しのけた液体の重さと等しい力が、その物体を浮かせる力として働く。
これが有名なアルキメデスの原理(参考:PADIエンサイクロペディア)です。
ダイバーが液体(海水や淡水)に入ることで液体が押しのけられますが、この押しのけた液体の重さがダイバーを持ち上げようとする力、浮力となります。
オープンウォーターダイバーコースのセクション1でも説明がありますのでeLearningやマニュアルを読み返してみてください。
ダイバーの浮力
3種類の浮力
ダイバーは多くの場合、ドライスーツやウェットスーツを身につけてダイビングを行うので裸の状態よりも押しのける水の量は増えるので浮力が増すということになります。
ダイビングにおける浮力には3種類あります、ご存知かと思いますが
・プラス浮力(Positive buoyancy)
・中性浮力(Neutral buoyancy)
・マイナス浮力(Negative buoyancy)
この3種類です、ダイバーは水面ではプラス浮力、いつでも中性浮力を維持することが大切です。
水面での中性浮力とウェイト量
人間の組織の比重は脂肪組織が0.7~0.9、筋肉が1.08、骨が1.9といわれています。
体格によって変わりますが、全体で1.0程度になります。
比重が1であれば水中で浮も沈みもしない、中性浮力となりますが、ぎりぎり浮いていられる状態という表現が適切かと思われます、水面で立姿勢になると口と鼻が水面下にあるからです。
スクーバダイバーの場合、いつでも中性浮力、がモットーなのでBCDやドライスーツのエアを抜いた状態で水面ではこの中性浮力状態にすることが理想です。
ダイビングスーツの浮力を相殺できる分だけウェイトを装着することになります。
ダイビンスーツを装備した分、沈みにくくなるのでウェイトで相殺する。
多くのダイバーの方がBCDやドライスーツのエアを排気した際に沈む量のウェイトを装備しているのではないでしょうか、BCDやドライスーツ内のガスを完全排気した状態で「沈まないウェイト量」が本来正しいことになります。
ではどうやって水中に潜降するのか?賢明なダイバーの方であれば「息を吐く」ことで沈むことができると理解されているはずです。
オーバーウェイト
初心者ダイバーの陥りやすいこと
息を吐いて沈めといわれても初心者の頃はなかなかうまくいかないのが現実です。
呼吸を整えるのに時間を要したり、BCDやドライスーツの排気に慣れていないなどの要因で沈まないことを悩まれるダイバーは多いようです。
ウェイトを増やして沈もう、そう考えて自ら量を多くしたり、ガイドやインストラクターに無条件にウェイトを増やしてもらう場面もあるかもしれません。
理解していただきたいのは自分のウェイト量を把握せずに安易にウェイトを増やさない、いうことです、初心者の頃は多少ウェイト量が多いことは仕方がないといえますが、常にダイビングの器材準備の際には、ウェイトについて考えて調整するようにしてください。
シリンダー内のエアが消費され、特にアルミシリンダーの場合はダイビング後半に浮き気味になることがあります、それを踏まえてダイビングのスタート時にウェイトを少し増やしておこうなどなどの考えを否定するつもりはありません、大切なことは最低限
自分のウェイト量を把握しておくこと
なのです、ログブックにしっかりと記録をしておいてダイビングに行く際には確認してからお出かけください。
ウェイトの装着方法
BCDやベルトによって変わります
ウェイトベルト
もっとも一般的なスタイル
ウェイトベルトは最も一般的な方法といえます。
BCD収納式
腰への負担を軽減
ウェイトが収納できるBCDが多いです、主に腰の部分にポケットなどで収納します。
ウェイトベスト
ベストにウェイトを収納
スーツの上に装着するベストです、ベストのポケットにウェイトを収納しますので腰への負担を軽減できます。
アンクル・ウェイト
足首に巻くウェイト
500g程度のウェイトを足首に巻きます、ウェイト量が増加した際に分散目的で利用することが多いです。
装着の注意
クイックリリース
BCDによってはクイックリリースできないポケットがあります。
ベルト、BCD、ベスト、アンクルなどウェイトの装着方法は様々です、いずれも大切なのは緊急時に取り外せる、クイックリリースであることです。
オープンウォーターダイバーコースでエマージェンシーウェイトドロップというスキルを実施し、レスキューダイバーであれば講習でウェイトを取り外す方法をトレーニングしたことを忘れないでください、水面でトラブルの際には浮力を確保するためにウェイトを躊躇することなく捨てられるようにしておきましょう。
ウェイト関連のダイビングスキル
各コース実施されるダイビングスキルについて
オープンウォーター
ウェイトの準備と装着
適正ウェイトの確認・水中姿勢の確認
エマージェンシーウェイトドロップ
水面でのウェイトベルト脱着
水中でのウェイトベルト脱着
ドライスーツSP
水面でのウェイトベルト脱着
中性浮力SP
適正ウェイトの確認・水中姿勢の確認
レスキューダイバー
セルフレスキューで水面浮力確保の方法を確認・実施
救助の為に事故者を含めてウェイトベルトをはずす
ダイブマスター
インストラクター開発
レスキュースキル実施
エマージェンシーウェイトドロップ
水面でのウェイトベルト脱着
水中でのウェイトベルト脱着
ウェイトの3種類
ウェイト
カラーウェイト
ショットウェイト
ダイバーの皆さんへ
初心者ダイバーだけでなく全てのダイバーの皆さんへ
ウェイトは重いので取り扱いには注意してください、足の指などに落とすと骨折する場合もあります
ご自身またはバディが水面でトラブルに陥った場合にウェイトを捨てられるようにしましょう。
その為にダイビング前にプレダイブセーフティチェック(バディチェック)を行う際、自分のウェイトシステムとバディのウェイトシステムの外し方を確認しておきましょう。
ダイビングプールでの利用
当ダイビングスクールのプールでダイビングスキルを練習される方へのお願いです
水底でウェイトベルトの脱着の際、体を回転させてウェイトベルトを巻き付ける方法※を練習される場合はショットウェイトを持参の上行ってください。
勝手なお願いですが、何卒ご協力お願いいたします。
※PADIのプログラムではオープンウォーターダイバーコース、ダイブマスターコース共に体を回転させて装着する方法は紹介されていません。
たかがウェイトというなかれ
ウェイトはダイビングに出かける際にレンタルされる方が多いかと思います、運ぶには少し重いですしね。
併せてベルトをレンタルされる方も多いですが、ウェイトの位置や緊急時の対応などを考えるとマイウェイトベルトをお持ちになることをお勧めします。
写真のウェイトベルトのようにポケットになっているとウェイトの返却も楽ですし、いつも腰の同じ位置にウェイトを装着できるので水中バランスを乱すこともありません、ポケットのサイズは2種類ありますのでご自身の必要なウェイト量に合わせてお選びください。。
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