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デフテニス(Deaf Tennis)体験

 デフテニス体験をしてきました。
 聴覚障害を持っている子供達にテニスを教える活動している、梶野さんのお誘いを受けてデフテニスを体験し、その後、デフテニスの選手に指導もさせていただきました。

 デフテニス体験では、耳栓をして、その上からこのようなヘッドホンをつけて、完全に音を遮断します。またすこし聞こえる感覚はありましたが、自分の打球音もほんの少ししか聞こえない状況です。

 ストロークラリーから始めましたが、目の前にバウンドするボールの音が聞こえないだけで、タイミングが取り辛く感じますまた自分が打ったボールが相手コートにバウンドするる音は、遠いので完全に聞こえないのですが、意外や意外これにはかなり勘を狂わされました。

 テニスにおいて、普段は打ち方や戦術に頭を使っていますが、聴覚を遮断されただけで、ここまでタイミングを取ることに神経を割かなければならないのかと、ショックを受けました。

またボレストのボレーに立った時は、相手コートでのバウンドと打球音が聞こえないことで、ボールが怖く感じました。一応、スペイン人のフルスイングの中で鍛えられたので、ボレー返しにはそこそこ自信があったのですが、少しでも油断したら当てられるんじゃないかと思ったほとです。

 その後は、聴覚障害の選手に指導もさせていただきました。補聴器をつければ聞こえるのですが、アドバイスが長くなると、聞き取りが難しくなると事前に知っていたので、筆談も交えながら指導させていただきました。

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 理解力が高く、積極的に話をしてくれたので、指導しやすかったです。海外で全く言葉通じない時と似ていて、伝えたい気持ちがあれば、あとは根気があればなんとかなります。

 ただ、日本人が日本人に指導する時の、細かいところを言葉数を尽くして伝えるところが、どうしても難しく、ボールを出しながら、もっと意識すべきところを伝えようとしても、伝わらないもどかしさは残りました。

 次回の課題です。身振り手振りを使って素早く伝え切ることが必要ですね。僕の口の動きを見てある程度何を言ってるかわかるそうですが、うちながらだと、ボールに目が行くので口は読めません。

 またネットを挟んでの球出しでも、同様に遠くて読めませんね。今は、コーチがマイクをつけ、Bluetoothで飛ばして直接補聴器に声を届けることもできるそうですので、環境は良くなりつつあるようです。

以前にちよこっと指導していた選手がデフテニスの世界チャンピオンになったことで、今回のご縁をいただきました。ヨーロッパに留学し、ヨーロッパジュニア遠征を行う上で日本はまだまだ障害者に対する意識が低いと感じてきました。

僕が留学していたスペインのサンチェス・カサルアカデミーでも、障害者向けのクリニックイベントを行っています。歩道橋や駅構内など、ちょっと困っていると周りの人がさっと助けてあげるシーンをよく目にしていました。だから障害を持っている人達も、健常者に混ざって活動することの抵抗が低いと感じていました。

世界中で日本人は、親切で優しことで知られています。でも障害者が溶け込む社会作りはまだまだりだと、ヨーロッパを見て感じています。

・車椅子テニスの選手にとってのちょっとした段差
・聴覚障害の選手への後ろからの声かけ

こういう細かいことに気づくことができれば、日本人の親切さ優しさがあれば、助けることができます。気づけるようになるには、経験するしかないですよね。そしてそんなシーンを子供の頃から、たくさん見て、日常になることです。

良い経験をありがとうございました。またお邪魔させていただきたいと思ってます。


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