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 ヨーロッパのテニス環境、と言っても全てを見たわけではないですが、スペインを中心に見てきた感覚で言うと、日本のジュニアの練習時間は長いと感じます。もちろん、ヨーロッパでも低年齢から個人コーチをつけてテニス漬けという家庭もあります。あくまで一般的にと言う意味で捉えてください。

 この場合の日本のジュニアとは、平日毎日3時間+土日は練習もしくは試合というスケジュールで動いているご家庭のことを指します。

 それはそのまま、日本のジュニアの技術レベルの高さに比例しています。どの大会を見ても、上手い選手ばかりで、みんな途中で試合を投げずに最後まで戦い抜きます。そして何よりフォームが綺麗です。

 これは練習時間の長さが影響していると思います。余程の知識とアイディアを絞り出さない限り、テニスの練習は、『固めること』に対して最も力が働くと思います。反復練習を行うことで、大人が最適だと考える技術を固めてミスを減らし、試合で勝てるようにします。

 わざと固めないように楽しみながら育てていくのは至難の技です。(やっているコーチも知っていますが)

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 先日、錦織選手を倒した新星のコルダ選手。実は、2018年のフレンチオープンを見に行った時にプレイしていました。僕の記憶が確かなら、目の前で見ていた準決勝で負けてしまったのですが、グランドスラムジュニアという高いレベルでプレイしているのに、『固まっている』様子がまるでなかったのが印象的でした。あっさりミスするし、イライラしてプレイを投げ出す。それに対して勝った選手は、かなりプレイが『固まっている』印象を受けました。

 コルダ選手からは、ものすごく伸び代を感じました。それが人為的に作られたものかどうかはわかりませんが、この伸び代は、ジュニア時代、特に低年齢のころの練習時間を考える上での指標になると感じます。

 ただここからは各ご家庭の軸が必要になるところで、いくら伸び代があっても、ジュニア時代が終わってから伸びてくれても意味がないと
考えるのが一般的だと思います。伸び代を十分に保っても、そこからくるお釣りで、グランドスラムジュニアでベスト4にあっさり入る実力を持っていればいいですが、いつか勝ついつか勝つと言われて、ジュニア時代が終わってしまうのでは、いくら伸び代を担保していても、元も子もないと言われてしまえばそれまでです。

 そもそもヨーロッパで行われている競争には、向こうのルールがあり、日本のそれとは、完全に雰囲気が異なります。日本で勝つならやっぱり早い段階から『固める』方が有利なのかなとも感じます。
 
 低年齢からたくさん練習するのもよし、また伸び代をとってくためにコントロールするもよし、各ご家庭の方針が重要になってきます。


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