騎乗成績は馬質が先か?先行意識が先か?

年末年始のふりかえり、3時間目です。

1時間目は、2000年以降の年別の走破タイムを比較し、約20年で1~2秒くらい速くなっているというのをふりかえりました。


2時間目は、2000年以降のクラス別の走破タイムを比較し、格の違いは中盤に現れるというのをふりかえりました。


3時間目は、馬質と先行意識について。2023年の騎手ごとの成績をふりかえります。


  • 2017年以降の芝ダートすべての騎乗機会に対する騎手毎の年別の脚質を算出

  • 有力クラブ馬=サンデーR・キャロット・シルクへの騎乗と定義。


各騎手の勝率・複勝率・逃げ率・先行率・中団率・後方率・有力クラブ率(有力クラブ馬に乗った割合)を年毎に見える化しました。

ルメール

  • 2018年をピークに成績が落ちていたが、2023年に巻き返した

  • 勝率・複勝率が近年最低だった2019年は、それに比例して中団率が高かった。一方で、有力クラブへの騎乗率は最高だったため、衰えを感じていた

  • 2023年は先行率が中団率を再び上回ったものの、引き続き有力クラブからの支援は厚い


川田将雅

  • 2023年は複勝率が60%を達成

  • 騎乗数は2021年に続き400R台まで減少

  • 先行意識がとても高く、後方率が10%を切るのはリーディング上位で彼くらい

  • 有力クラブからの依頼は近2年で激減した

  • 後方脚質のソールオリエンスとの手が合わない感はこれか


松山弘平

  • 2023年はキャリアハイの複勝率と先行率

  • 上位2名と比べて、逃げと後方の割合が高めも、徐々に先行の割合が高くなっている


横山武史

  • 2年連続で複勝率40%超え

  • 2020年からの飛躍が見事で、先行率が10%近く上昇

  • 「後悔する競馬をしたくないので、結果として動くのが早かったと言われることもあるが、『ここだ』と思ったときには動くようにしている」と積極的な競馬をするよう心がけているらしい

  • 圧倒的な先行イメージがあったが、意外と先行・中団の割合は同じ


戸崎圭太

  • 安定した成績を残す一方で、意識は後ろ目。詐欺だとタイムラインを賑わす理由はこの辺にありそう。

  • 2023年は逃げ率が極端に低下し、その分追い込みにシフト。一気に下降するイメージもないが、今年こそは!と上昇するイメージもない。


岩田望来

  • 先行率が35%に到達し、リーディング最上位層の割合まで上がってきた

  • 一方で、中団率が40%を切ったもののまだ高く、戸崎騎手と同じイメージ


鮫島克駿

  • 複勝率・先行率がキャリアハイ

  • 現状は、他の騎手と比べて、どの脚質も平均的な割合なものの、少しずつ前への意識に傾いている

  • 桜花賞のコナコーストが忘れられない


武豊

  • 複勝率が年々低下中

  • さすがに先行維持させるパワーがなくなってきたか

  • 逃げと後方の割合が高めで極端な競馬が多くなっている印象


坂井瑠星

  • 逃げの鬼

  • 2023年にキャリアハイを迎え、それに伴って脚質の割合も綺麗に前にシフト

  • 後方率15%はTOP2に続いて少ない数字


菅原明良

  • オレたちの菅原は成長が止まった結果

  • 見事な後方意識で、中団率40%台は戸崎・岩田息子に続く

  • 有力クラブからの依頼も少しずつ減っている


■脚質
逃げ  :坂井
先行  :川田、松山
バランス:ルメール、横山武、鮫島
中団  :戸崎、岩田、菅原
極端  :武


複勝率と先行率の関連性が伺える。
社台Fの復権が有力クラブに騎乗しないジョッキーの活躍を後押ししている。

先行は差し追い込みに比べて紛れが少ないのは間違いない。

先行意識があるからいい馬が回ってくるのか?
いい馬は先行して押し切れる馬が多いのか?

「馬の経験値と性質」と「騎手の意識と成長」を掛け合わせながら予想を組み立てるように。


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