格の違いはどこに現れるのか?

年末年始のふりかえり、2時間目です。

1時間目は、2000年以降の年別の走破タイムを比較し、約20年で1~2秒くらい速くなっているというのをふりかえりました。


2時間目は、格の違いについて。
条件戦を勝ち上がった馬が上のクラスに挑戦したときに好走できるか?は、いつも我々を悩ませます。その解決策のひとつに走破タイムがあって、「同日の上級条件と差のないタイムなので、次走も期待できる」みたいなのはよく目にしますし、私もとても大事な指標にしています。

前回のふりかえりの延長で、2000年以降のクラス別のラップ推移を見える化すると、いくつか気づきがあったので残しておきます。


これは、

・2000年以降
・東京芝1600m戦良馬場開催
・クラス別のラップ平均

をグラフ化したもの。
グラフを見れば一目瞭然ですね。今回のお題「格の違いはどこに現れるのか?」の答えは「中盤をどれだけ厳しく走れたか」になりますね。

2歳OP 35.72 - 24.58 - 34.50
3歳OP 34.71 - 23.89 - 35.08
古馬1C 35.22 - 23.87 - 35.04
古馬2C 35.48 - 23.75 - 34.71
古馬3C 35.38 - 23.63 - 34.55
古馬OP 34.71 - 23.44 - 34.54

クラス別区間毎ラップ
  • 序盤3F

    • テン1Fはほぼ同じで2~3F目に差はある

    • ただしテン3F合計すると古馬1C~3Cにほとんど差はない

  • 中盤2F

    • クラスが上がるたびに速くなっている

  • 終盤3F

    • 2歳OPと古馬OPに差がない

    • 区間ごとのクラス差がもっとも少ない

ことから、よく能力の指標に挙げられる「上がり3Fに特化した」スピードよりも、道中息のつけない展開でも一定の上がりを出せるか(→全体時計が速くなる)が評価に繋がります。


同様の条件で、主場ほか3場の結果がこちらです。

東京と同様、クラス別の区間ラップ差がもっとも大きくなるのは中盤スピード。逆にもっとも現れにくいのは終盤、特にラスト1F。

よく目にする馬柱には、「序盤3F・終盤3F」と「序盤と終盤のラップ差から導き出されたペース」が書かれていますが、そこに「道中のどんな追走スピードで」が加わると、グッと本質が見えてくるようです。


もう一歩踏み込んでみます。
走破タイムは開催時期によってどれくらい差があるのか?です。

<条件(再掲)>
・2000年以降
・東京芝1600m戦良馬場開催
・クラス別のラップ平均

これは、2000年以降の東京開催月別の平均ラップ比較をグラフ化したものです。全体的に、クラス別差に見たようなパッと見の違いが分かりづらいので…

主場4場の1600m戦での月別走破タイム差がこちらです。

もともとのイメージどおり、「暖かい→速い」「寒い→遅い」です。これは芝の発育が影響していそうです。同じ走破タイムでも、春と冬で半秒程度は補正が必要ですね。

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