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宝塚記念

◎ べラジオオペラ
〇 ローシャムパーク
▲ シュトルーヴェ


阪神(内)2200mと京都(外)2200mの違い

今年の宝塚記念。
阪神競馬場のスタンドリフレッシュ工事の影響で、京都2200mでの開催。ディープインパクトが勝った2006年以来なんですって。

例年の阪神開催の宝塚記念は、内回り戦で直線が短い。

その分、早めに仕掛けが始まるけど、加速地点がコーナーで直線は急坂ってことで、中速ロングスパートからの耐久戦になりやすかった。


京都2200mで行われる重賞は、京都記念・京都新聞杯・エリザベス女王杯の3つ

世代限定から古馬王道G2まで幅広く行われていて、ラップは序中盤に馬齢差の緩急はあるものの、終盤4Fは同じ流れになるのが面白いところ。

阪神内回りとは異なり、外回り戦で直線平坦な京都は、一定のトップスピードが必要。

ポイント

  • 阪神→京都替わり

  • 下り坂を活かした終盤4F戦

  • 11秒台前半のトップスピードとそれを長く維持できる実績


隊列想定

べラジオオペラが速い。今回の逃げ想定。

ディープボンドは、通過順の印象ほど速くはないものの、初速は遅め。ただ、控えて味はないのでガシガシ行って、プラダリアと並走しているイメージ。

ジャスティンパレスは、去年の宝塚記念で12秒後半のスタート実績がある。ルメールさんとのコンビなら、今回4~5番手に来られても不思議じゃないけど、近走の活性不足から行けないほうに。


ドウデュース

ハーツクライ × Vindication × Gone West

有馬記念。この低い重心がたまらないですよね。


有馬記念の個別ラップ。
ドウデュース(白)は3~4角が速い。
阪神内回りだった京都記念でも感じた「すべてを飲み込む王者の推進力」はラップに現れている。

鋭角なコーナーを、速いラップかつ大外ブン回しは相当苦しいはず。遠心力にも、その後の急坂にも耐えきるのは、さすがダービー馬。

課題は、スタートとラスト1Fの失速量。
スタートは、持ち味のコーナー性能で挽回したいところだけど、コーナー緩やかな京都外回りでは他馬も速く、優位は薄れる。


ドバイターフ。中盤激流のV字ラップで5着。

中盤の速さは、超ハイラップだった秋天並。直線は手ごたえがなく、追走力は引き続き課題。

内で包まれて、得意のコーナー加速ができなかったものの、苦条件ならしっかり負ける馬。道悪実績も懐疑的で、1番人気2倍台ほどの信頼はおけない。


べラジオオペラ

ロードカナロア × ハービンジャー × サンデーサイレンス

大阪杯で2番手につけれる先行力と、直線で1F10秒台のトップスピードを出すことができるバランサー。

京都外回りで起こりやすいラスト4Fの持続力戦への対応は、それ以上に長いスパートだった大阪杯や、加速減速を繰り返した京都記念で証明済み。

さらに、このメンバーなら逃げられる可能性が高く、タイトルホルダーの時のような馬の持ち味を活かせるペースを刻める横山和生騎手なら心配なし。

先行して押し切るタイプなので、ラスト1Fで失速しやすいのが課題。
実際、京都記念では、先行されたプラダリアを追い詰めるも捉えきれず2着。

直線平坦なのはプラスで、道悪で他馬も終い甘くなって。今回は、自分でペースを作れる立場なので、どんな競馬もできるこの馬から。


ルージュエヴァイユ

ジャスタウェイ × Frankel × Lomitas

大阪杯の個別ラップ。
宝塚記念出走馬の中では群を抜いたスピード性能

ラスト1000mから11秒台になる持続戦でも、坂前で11秒フラットまでスピードを出せる脚力はとても評価したい。スタートが遅く、後方になることが多いけど、それを補えるだけの終盤力が魅力。

じゃぁ京都2200mの舞台に戻ってどうか?

ピックアップされるのが京都記念。
大阪杯に比べ、人気3頭は近い間合いで似たラップの刻み方。

特徴的なのは、上下にジグザグする緩急の激しい消耗戦だったこと。
速めのスピードを持続するより、アクセル→ブレーキを繰り返す方が燃費が悪く、道悪も相まって、距離適性以上に体力が求められるレースでした。

2200m+道悪+大外は距離がギリギリな印象だけど、大阪杯で見せたスピードの爆発力は忘れちゃいけない。


ソールオリエンス

キタサンブラック × Motivator × Quest for fame

大阪杯はローシャムパークについていく形で、ラスト1000mのロングスパート。直線のトップスピードがローシャムパークに劣る点から、持久戦よりも瞬発力戦向き。

持ち味は、一気の加速力とトップスピードの高さ。
特徴的には中山向きだけど、直線の短さとコーナーのキツさ故、中山記念みたいなレースになりがち。スイートスポットが非常に狭い。

道悪実績はあるものの、いずれも超ハイペースの雪崩込み戦。菊花賞以降の向かない条件の中でも、光る何かを見せてほしかった。


ローシャムパーク

Harbinger × キングカメハメハ × サンデーサイレンス

超持久力戦の大阪杯を自ら仕掛けて2着(白)。
函館記念・オールカマー・大阪杯のように、残り1000m付近からスピードをあげて他馬を消耗させながら粘り込むタイプ。自分でレースをコントロールできるのは脅威。


ただ、香港カップ・大阪杯と出遅れが続くのは事実。
向こう正面で上り坂のある京都では、物理的に緩急が生まれ、得意の消耗戦にはしづらい。

そうなると、香港カップのように不利な位置取りとトップスピード不足が仇となり凡走…もイメージしやすい。引き続きペースコントロールが難しく、鞍上の手腕が試される舞台。


プラダリア

ディープインパクト × クロフネ × フォーティナイナー

上がりが34秒台後半になるような重い中長距離戦向き
過去4勝は、クッション値8.x台の渋った馬場の2200m以上戦。この距離ではわずかにアドバンテージのある先行力と、道悪でもパフォーマンスを落としすぎない粘り強さでG2を3勝。

G1クラスになると勝ち筋が非常に限定的。
思い切って逃げれる出脚の良さもなければ、ビュンと加速するキレもなく、ラスト1Fも他馬と同じくらい失速するため、とても窮屈。道悪は大歓迎なので、必ずべラジオオペラよりも前を取りたい。じゃないと交わせないぞ。


シュトルーヴェ

キングカメハメハ × ディープインパクト × Wild Zone

日経賞・目黒記念の重賞連勝馬。
G2戦では、他馬を圧倒するトップスピードと、どこまでも伸びていきそうな持続力や体力が特徴。大阪杯のルージュエヴァイユ同様、異次元のグラフ。


超スローの瞬発力3F戦の目黒記念だけでなく、残り1000mからの消耗戦になった日経賞でも、G2大将たちを置き去りにする持久力を見せた。条件戦からの上がり馬にありがちな厳しい追走未経験馬とは違うのは好感。


ヒートオンビート

キングカメハメハ × ディープインパクト × Marju

去年の目黒記念で初重賞勝ち。
これまで重賞で馬券内に入ったのは、いずれもラスト4Fから11秒台を刻む持続力戦で、得意な質になりやすいこの舞台は歓迎。

凡走した京都大賞典は雨、有馬記念は終始外、日経賞は実質逃げの急加速、目黒記念は直線壁で、それぞれ言い訳はできる。好走条件が限られるけど、ハマったときの安定感は人気よりも期待値が高い


ジャスティンパレス

ディープインパクト × Royal Anthem × Red Ransom

昨年の春天から続く5連続G1で、すべて掲示板・すべて上がり3位以内で堅実。ここでも当然有力馬の1頭。

課題は、近走の追走力。
有馬記念は最後方、ドバイシーマクラシックは長距離並の超スロー戦。持ち味の後半の速さが、先行力でアドバンテージがあるシャフリヤールと僅差になってしまい馬券内を外している。

能力の平均点は高くて安定しているけど、ドウデュースの加速力やリバティアイランドのトップスピードなど、ずば抜けた能力や展開不利の前では無力。2~3着候補。


ブローザホーン

エピファネイア × デュランダル × フォーティナイナー

長距離戦で結果を出している馬らしく、11秒後半のスピードを維持することに長けた馬。春天は、いつもより位置取りが後ろになってしまい、4コーナーで大外をブン回さなければいけないロス。完全に脚を余す結果に。

ラスト1Fの迫力はあったものの、評価はしづらい。
低調なメンバーに加えて、持久力戦で追い込み展開がハマったもの。道悪戦とはいえ、距離短縮戦ではスピード負けしてしまう水準


ディープボンド

キズナ × キングヘイロー × カコイシーズ

スピードの問われにくい長距離戦で持続力を活かすタイプ。
先団から11秒後半のスピードを続けながら、他馬が破綻したり、ラスト1Fで大減速する中を交わすスタイル

春天は、道中に11秒前半の速い区間があり、より持久力が問われる展開。加速力が低く、トップスピードも遅いので、物理的に前を捉えることが難しい。道悪やハイペースをもってしても、中距離戦ではスピード不足


ヤマニンサンパ

ディープインパクト × スウェプトオーヴァーボード × ジェイドロバリー

ギアの重い持久力タイプ。
京都の坂と雨の力を借りて、体力勝負になれば掲示板を一考。


カラテ

トゥザグローリー × フレンチデピュティ × パラダイスクリーク

復調気配の前走G3戦で、加速力・トップスピードともに大きく突き放される現状。最後の重賞勝ちから1年経過後の8歳馬。さすがに迫力がなくなってきた。


◎ べラジオオペラ
〇 ローシャムパーク
▲ シュトルーヴェ

展開と道悪による後方馬ロックをイメージして、べラジオオペラ単が本線。
遅い流れでも、自ら仕掛けて中距離戦の持久力を発揮できるローシャムパークと、逸材シュトルーヴェの破壊力を1着が取れる候補に。

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