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Twitter上で自民党・安倍総理を擁護しながら野党を口汚く批判、左翼を「土人」などとののしるツイートで人気を博している右翼系インフルエンサーの黒瀬深(@shin_kurose)。これまで立憲民主党や日本共産党など野党に対する、詭弁やフェイクを織り交ぜた罵倒で注目を集め、Twitterのフォロワーは11万人を超える。一方で、ブログなどを通じて利益を上げる「ビジネス右翼」ではないかとの批判を浴びてきた黒瀬だが、このほどAdectへ寄せられたリークにより、かれの後ろ暗い人脈が明らかになった。

寄稿された情報を再編成・加筆編集して全文掲載する。

「RAIE」だけではない! 黒瀬深の多重名義
黒瀬といえば、かつて「RAIE」というハンドルネームを用い、自身の戦争体験や網走刑務所への収監などといった経験を語る高齢男性という設定だったが、「黒瀬深」への改名後一転、「まだ被選挙権もないクソガキ」を自称するようになったことで知られている。

しかし、かれの名義はこれだけに留まらず、判明している限りほかに3つのハンドルネームを使い分けていた。

そのうちの一つではAdect運営団体の匿名クラブ内部にさえ入り込み、団体内で雑談グループを主宰。匿名クラブ内の無党派層への工作を画策していたものとみられる。

拠点はネット圧力集団「飯塚軍」
いくつものパーソナリティを使い分けてきた黒瀬だが、かれがすべての名義を明して活動してきた、拠点というべき団体がある。それが「飯塚軍」。Twitter上での交流を活動の主軸とする一方、メンバーと敵対した他ユーザーに対し集団で圧力を加え、不適切な投稿を引き出して一斉にTwitterに規約違反を「通報」、アカウントを凍結させるといった攻撃的な活動が特徴のグループである。

飯塚軍の主な闘争システムはこうだ。

まずメンバーがグループ外の人物とのトラブルを飯塚軍に報告する。するとリーダーの「プロシュート」氏が直接敵対相手にコンタクトをとる。プロシュート氏は対象者と話し合いを行うが、和解に至ることはまれで、飯塚軍として攻撃を加えることの正当化の手段とも言われる。さらに相手の関係者にも連絡をとり、場合によっては連帯責任を強要するなどの要求を重ねていく。敵対相手が一方的に折れない場合は、飯塚軍は対象者に攻撃を開始する。

飯塚軍メンバーは攻撃対象者の過去のツイートを確認し、Twitterルールに抵触していないかを精査する。少しでも怪しい投稿があればメンバーに共有し、一斉に「通報」を行うと同時に、そのツイートに対しては目印として内容のないリプライ(返信)を行い、精神的にも対象者を追い詰めていく。

少なくない攻撃対象者はやがて屈服し、飯塚軍に和解を申し出るが、飯塚軍からの和解条件は全面的な服従要求。闘争の中で能力を認められれば、一兵卒として加わることも求められる。こうして飯塚軍はさらにその勢力を水面下で拡大させていくことになる。

メンバーにとって都合の悪い人物・勢力をグループ全体で攻撃できることから飯塚軍はネットユーザーの一部から人気を集めていたが、特定ユーザーへの人格否定、脅迫、でっち上げによる批判を加えるなどの手法には反発も少なくない。

飯塚軍のこうした圧力のかけ方は、敵こそ違えど黒瀬のTwitterにおける攻撃手法に通ずるものを感じさせる。黒瀬は飯塚軍の「本部」所属ではあったものの、「ひっそりとしたイメージ」の存在だった。Twitter上での「年収二億」「サウジアラビア在住」などといった虚言は、自身を過剰に大きく見せるための悪あがきだったのだろう。

ネット右翼の牙城か 浮かび上がる右派系人脈
黒瀬を筆頭とするネット右翼達は、団結して戦略的にTwitter世論を操作している。特に最近はTwitterの「トレンド」欄を政治的主張で埋め尽くそうという、いわゆるツイッターデモが盛んで、黒瀬本人もしばしばデモを主導する役回りを演じている。

こうした一部のネット世論の動きはあまりに統一的であるとする指摘も少なくない。背後に組織的な戦略があるのではと疑う声もあるほどだ。

ここにきて、こうしたネット右翼の動きにも、飯塚軍の関与があるという疑惑が急浮上した。

黒瀬が所属しているとみられる飯塚軍には、ネット右翼的思想を抱くメンバーが多い。さらには「親日外国人」として知られ、国内の右派系アカウントとも交流のあるインフルエンサーも飯塚軍リーダー・プロシュート氏らと親密であるとの指摘もある。

もちろん、飯塚軍の活動の中心は、前に述べた「通報」である。しかし、当然雑談などの機会もあり、そうした中で黒瀬らは自らの思想を浸透させていったのではないだろうか。

編集部より──匿名クラブと相容れぬ価値観
政治系インフルエンサーとして「ネトウヨの帝王」とさえ呼ばれた黒瀬深。その正体の片鱗が、このたびいただいた寄稿により明らかにされた。

別名義で本会に入会、団体内チームを率いて姑息な政治工作を行なってきたことが明らかになった黒瀬だが、実は一度だけ「黒瀬深」名義で本会に接触を図ってきたことがある。


この時の依頼は本会側から断ったのだが、あまりにも当然である。
Twitterで11万人を超えるフォロワーを擁し、今日のネット論壇で存在感を発揮する黒瀬の存在は決して小さくない。しかし、そうであるからといって、匿名クラブに迎え入れてよい存在では決してないと考える。

詭弁を弄し、ときには事実無根のフェイクニュースを流して世論を撹乱し、民主主義に逆行する反動的な言動を繰り返した黒瀬深の活動のあり方は、インターネットユーザーの持つ可能性を探求し、それを最大限発揮できる環境を創出しようとする本会の理念と進歩的価値観とは真逆のものにほかならない。

編集部は、黒瀬と同一人物だといわれる匿名クラブ会員に取材を申し入れたが、現時点では返答がない。返答次第では、本会における進退のみならず、さらに厳しい処分が問われることになるだろう。