【入門】くじ引きディナー
毎日を少しでも楽しくするために、ある工夫をくわえると、その生活はきらめきを見せ、踊りだします。
以前、ネガティブセンサーMAXの友人と、松屋に行った時のお話です。
そいつは、とても変化を嫌う人間で、いつも同じものを注文する癖があるのですが、それではもったいないと思い、僕はくじ引きで食べる料理を決めようと提案しました。松屋のメニューをすべて書き出して、一つの箱に入れ、そこから一つ引くことに。
僕は辛い物が苦手なので、絶対にカレーを当てたくないと思い、必死で念じています。多分、彼も辛い物だけは当てたくなかったでしょう。期間限定のメニューが当たれば、普通に注文するより何倍もの感動があると思います。そのワクワクを楽しみにしながら、くじを引いていきます。さて、運命の一瞬です。まずは彼が引き、次に僕が引きます。
彼はキムカル丼、僕はカレギュウ。二人とも、辛いものが大の苦手です。
しかし、こういうリスクも覚悟して、これをやっているのです。
仕方なく、僕らは松屋に行って、これらを注文しました。
松屋のカレーは、一口口の中に入れると、舌を刺激し、舌で処理しきれないと分かっているので、僕は、カレーを口に入れた瞬間、喉の方に早めに通します。そして、カレーは喉から心臓まで、サッカーのゴールポストに石を当てたような響きが体の中を伝っていきます。熱が心臓まで伝わった僕は、水を飲むしか選択肢はなく、いつのまにか、カレーを食べているのか、水を飲んでいるのかわからなくなってしまいます。いつもは食事中に喋っている僕も、食事をバクバク食べるこいつも、やけに静かにその場にたたずんでいました。くじを作り、寒い中歩き、お金を払い、結果こうなる。自分たちが犯したミスが、どれほど無駄だったかを思い知りました。
皆さん、笑える程度にくじ引きは作りましょう(笑)。
カレー、キムカル丼、僕みたいなヤツに食べられて、本当お疲れ様です。
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