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「浄化槽」と「汲み取り」の費用と衛生面を比較します!

今まで都会で暮らしてきた人にとって
「汲み取りトイレ」
って結構抵抗ありますよね。

「汚い」「臭い」
といったイメージが頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

どうしても汲み取りトイレが嫌な方は浄化槽にリフォームするという手段もあります。


ただ、
意外と汲み取りトイレも悪いところばかりではありません。


今回は「汲み取りトイレ」と「浄化槽の水洗トイレ」を検討する際に気になる
“費用面”と“衛生面”を中心に比較してみたいと思います。


そもそも「汲み取り」「簡易水洗」って何?
という方は、まず初めにこちら↓↓の記事からご覧ください。


【おさらい】
「水洗トイレ(浄化槽)」「汲み取りトイレ」とは?

トイレの様式の違い

都会のトイレと田舎のトイレの大きな違いは
“下水道”が整備されているか、いないか、です。

下水道が整備されている地域では
トイレから出る汚水は下水道を通って
処理施設へ流されますが、

下水道が整備されていない地域では
“業者に汚水を処理施設まで運んでもらう”か、
“汚水を浄化させる”必要があります。


それが、「汲み取り」か「浄化槽」か
ということです。

汲み取りトイレは自分の敷地内にタンク(便槽)を埋め込んで
業者に汲み取りにきてもらうまで
便槽の中に汚物を溜めておく様式です。

汲み取りトイレ

便槽の容量には限りがあるので、
使用後に流す水は
必要最低限(数百cc)しか流しません。

その必要最低限の水を流す様式を「簡易水洗トイレ」、
水を全く流さない様式を「ぼっとん便所」といいます。


浄化槽のトイレは自分の敷地内に処理施設(浄化槽)を埋め込んで
家の中から出た生活排水やトイレの汚水を
きれいな水に浄化してから
側溝や河川に排水する様式です。

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このような浄化槽が埋まっています。

浄化槽の中では微生物の力で汚れた水を分解してきれいにしています。


それぞれにかかる費用で比較してみる


汲み取りトイレの「簡易水洗トイレ」では
我が家の場合、
3人で利用して月に250〜300リットルほど汲み取ってもらい、
3,000円〜4,000円ほどかかります。

自治体によって差がありますが
1リットルあたり12円〜14円くらいが相場です。



「ぼっとん便所」の場合
あまりデータがありませんでしたので、
我が家の例で簡単に計算してみます。

今どきの簡易水洗用の便器は
大きい方を流す時に500cc、
小さい方を流す時に200ccほどの水を流します。

3人で1日に
大を6回、小を15回利用したとすると、
流すために使用された水は5リットルになります。

1ヶ月に換算すると150リットルの水を流しているので、
1800円分くらいは排泄物を流すための水が便槽に溜まっています。

そのため、我が家でぼっとん便所を使用していたら、
3500円かかっていた汲み取り費用が
1700円で済むことになります。

利用する人数が多いほど、
流すために使う水の割合が増えていくので
ぼっとん便所の安さが際立っていきます。



浄化槽のトイレでは毎月の費用はほとんどかかりません。

その代わりに、
浄化槽の性能を維持するため
メンテナンスや点検、検査、清掃の費用がかかります。

また、浄化槽の中の微生物を活性化させるために
空気を送る必要があるので、
「ブロア」というポンプを動かす電気代がかかります。

それらの費用が1年で5〜7万円ほどかかります。

ちなみに、浄化槽の点検や清掃などは
登録を受けた業者に依頼します。


1年にかかる費用で考えると、
浄化槽と簡易水洗ではそこまで差がないか、
少し簡易水洗の方が安いくらいになります。

ただし、古民家の汲み取りトイレは便槽が劣化していたり、
雨水や地下水が流入することがあります。

我が家でも地下水が入って、
1回の汲み取りに7000円ほどかかってしまうこともあります。


汲み取りトイレを浄化槽にリフォームする場合、
浄化槽の大きさや家の間取りにもよりますが、
100〜200万円ほどかかります。

浄化槽の設置には補助金が出る自治体も多いので
確認してみてください。


衛生面で比較してみる


「汲み取りトイレ」は汲み取られるまでの間、
ずっと便槽の中に汚物が溜まっています。

そのため、便器から臭いや虫が逆流してくることもあります。

特に夏場は結構臭います。

便槽からの臭いの逆流を防ぐために
簡易水洗トイレには「臭突」というものがあります。

便槽内の臭いを臭突から強制的に排気することで臭いの逆流を防ぎます。

ただし、臭突から排気された臭いが窓から室内に入ってきたり、
庭で作業していると臭いが気になったりすることもあります。



ぼっとん便所の場合は
簡易水洗とは違い、フタがないので
臭いや虫が上がってきます。

【簡易水洗】見た目はほとんど普通の洋式便器
【ぼっとん便所】水道は無く、覗き込むと便槽が丸見え



浄化槽のトイレは、微生物が分解しているので
汲み取りと比べると遥かに臭いは少ないです。

ただし、油や洗剤を大量に流すと
微生物の働きが悪くなります。

そのためうまく分解できず、悪臭を放つことがあります。


便器の衛生面としては
浄化槽のトイレは1回に5リットルほどの大量の水を流すので
その分、汚れも落ちやすくなります。

簡易水洗では流れる水が少ないので
汚れが残りやすくなります。

ぼっとん便所の場合は近くに水道がないことが多いので、
掃除自体が大変です。

まとめ


都会で暮らす人からは
敬遠されがちな汲み取りトイレですが、
なんだかんだ安く済むこともあります。

私の住む地域でも浄化槽に変えることはできますが、
簡易水洗を使い続けている家もたくさんあります。

浄化槽と比べて仕組みが単純なため、
浄化槽のように微生物が弱ったり、ブロアが故障したりといった
トラブルも少なく済みます。

「浄化槽」か「汲み取り」か迷っている場合、
トイレ掃除のしやすさや臭いなどの衛生面が我慢するか、
それとも、リフォーム工事代を支払ってでも快適性を重視するか
のどちらかになるかと思います。


安く済ませたいけど、汲み取りトイレはやっぱり抵抗がある…
という場合は
汲み取りトイレの“便器”とトイレの壁・床の“内装”だけをリフォームする
という方法もあります。

古い便器だとどうしても小汚く見えますし、
床と壁がタイルだと古くさく見えてしまいます。

汲み取りトイレ専用の便器でも
今どきのものは普通の洋式便器とほとんど見た目が変わらず、
タンクレスタイプもあったりします。

きれいな便器に交換して、
床にクッションフロアやフローリングを張り、
壁をビニールクロスや漆喰にするだけでも
だいぶ気持ちが変わります。

見た目はほとんど水洗トイレのようになるので、
汲み取りトイレへの抵抗も薄めることができます。

\\さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください!//


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