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今すぐ見られる!アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門受賞作(2018年~22年)

こんにちは、inaho Filmです。
 
2022年も、気がつけばもう12月。
今月末には23年春開催予定の第95回アカデミー賞への応募が締め切られ、年明けからはshort list(ノミネート作品リスト)作成のためのアカデミー会員による投票が始まります。
 
アカデミー賞といえば、やはり作品賞に最も注目が集まりますが、今回は過去5年間(2018年~22年)の長編ドキュメンタリー部門受賞作についてご紹介したいと思います。
 
いずれも動画ストリーミングサービスで視聴できるので(2022年12月現在)、気になる作品があれば、ぜひチェックしてみてください!


【2022年】『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)/ Summer of Soul (...Or, When the Revolution Could Not Be Televised)』

※2022年12月現在、Disney+で視聴可能。

アメリカで伝説として語り継がれる、1969年に開催された音楽フェス、“ハーレム・カルチュラル・フェスティバル”。あらゆる人種の人々が生きやすいとは言い難い複雑な時代背景の中、オーディエンスは一丸となり、音楽をとおして黒人の歴史、文化、ファッションなどへの誇りを称え合います。
 
これまで未公開のまま忘れられつつあったフェス映像に、関わった多様な人々のインタビューを交えた構成の作品で、ミュージックフィルム、記録映像としての両面から高く評価されています。
 
シリアスなテーマを扱いつつ、一方で純粋に音楽を楽しむことができ、そのバランスが秀逸なドキュメンタリー作品です。

【2021年】『オクトパスの神秘: 海の賢者は語る/ My Octopus Teacher』

※2022年12月現在、Netflixで視聴可能。

「タコと心を通じ合わせる」と言うと、ほとんどの人の頭には疑問符が浮かぶかもしれません。それを実践したのが本作品の主人公であり、普段はプロデューサー・監督・カメラマンとして映像作品製作に携わるCraig Foster氏です。
 
Foster氏はある特定のタコに会いに行くために毎日ダイビングすることを決意します。冷静な観察者としての側面と、1匹のタコへの温かな愛着を抱く1人間としての側面の両方から、彼の驚きや感動を共有し発見を得られる、ドキュメンタリー映画の醍醐味が詰まった作品です。

【2020年】『アメリカン・ファクトリー / American Factory』

※2022年12月現在、Netflixで視聴可能。

※日本語字幕なしのトレーラー
本作品の舞台はアメリカオハイオ州にある、かつて国内自動車製造業で栄えた町。時代の流れとともに寂れてしまっていたところに、中国資本の自動車企業が新工場を建設します。
 
それによって地元の労働者階級の人々は生活するために働く機会を再び得ましたが、希望に包まれた時期は束の間。米中の文化的隔たりから、それぞれには想像の至らない部分で次々と問題が生じます。
 
自動車に限らず、様々な産業でグローバル化が進む現代において、異なる文化をルーツとする雇用者と労働者の双方の視点や心情がリアルに描かれている作品です。

【2019年】『フリーソロ / Free Solo』

※2022年12月現在、Disney+で視聴可能。

作品のタイトルである”フリーソロ”は、命綱などの安全道具も同行者もなしに断崖絶壁に臨むという究極的なクライミングスタイルです。
 
本作品では、そのスリルと美しさに魅せられたクライマーAlex Honnold氏と、恋人をはじめ彼をサポートし、それぞれの立場から葛藤や挫折をともにする周りの人々の挑戦が描かれています。
 
命を危険に晒してまで挑み続ける情熱を超えた何か、そして畏怖を覚えるほど壮大な自然に圧倒され、その映像に引き込まれる一方で、(特に高所恐怖症の方は)ヒヤヒヤせずにはいられなくなるかもしれません…!

【2018年】『イカロス / Icarus』

※2022年12月現在、Netflixで視聴可能。

本作品の監督で自転車ロードレーサーでもあるBryan Fogel氏は、ドキュメンタリー映画の題材として、自ら身体を張ってスポーツにおけるドーピング(不正薬物使用)や検査の有効性を検証しようと思い立ちます。
 
Fogel氏はロシア反ドーピング検査機関所長のGrigory Rodchenkov氏の協力を得てこの実験プロジェクトを進めていましたが、偶然にもその頃にロシアの国家主導によるドーピング疑惑が世界的スキャンダルとなります。
 
関係者として国家に命を狙われる危険を感じたRodchenkov氏は、アメリカに亡命。彼による証言では、その人柄から陽気な雰囲気がありつつも、同時に暗くシリアスなスポーツ界の実態が暴かれ、まるでドラマのような展開が繰り広げられていきます。

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●以下サイトではアカデミー賞ドキュメンタリー部門の選考条件などについて書かれています。
映画情報・評論サイト BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/75378/
 
詳細:アカデミー賞公式サイト(英語)
https://www.oscars.org/oscars/rules-eligibility

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