あらみきょうや「かばね」
正体は茸である。蒲根、と表記するがこれは近代以降に成立した当て字であり、蒲の繫累に名を連ねるものではない。むろん根菜でもない。山中の水辺に群生し、じっさい蒲の根元などにも見られることから名づけられたとする説もあるが、これは些か信憑性に欠ける。蒲はなくとも茸は生える。
従来カワネ、あるいはカワノネと呼ばれていたものが時を経て転訛したのであろう、とは教授の弁だ。真偽のほどは不明である。唯一の論拠は神社の蔵で見つけた江戸時代の書翰だという。何しろ生息域が狭く、採集や栽培を生業と