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『マトリックス レザレクションズ』パンフ、通常版と特別版どう違うの問題

はじめに

ごぶさたしております。稲垣です。

12/17公開『マトリックス レザレクションズ』のパンフレットに、編集協力・テキスト協力として関わらせていただきました。
企画時点から呼んでいただいたほか、名前が載っている文章、載っていないテキスト、たくさん書いております。とにかく力をこめて書きました。秋ごろから『マトリックス』のことを考えていたところ、もう年末になっていたという感じ。

今回はおそらく少なからぬ方が気になるであろう、「通常版と特別版はどう違うの? どっちを買えばいいの?」という疑問について、なるべく丁寧にお答えしたいと思っております。例に漏れず、誰に頼まれたわけでもなく、勝手にやっております。

端的なお答えとしては、この2冊はまったくの別物なので、どっちも読むのが一番おもしろいです、というものになります。だいたいのパンフレットの場合、通常版の内容にちょっと増量されているものが特別版ですが、今回はまったくの別物。ほんの一部重複している内容もありますが、まるで別の内容、別の切り口です。だいたい、ざっくりとこんな感じ。

通常版→『マトリックス レザレクションズ』特化本
特別版→『マトリックス』シリーズ4作品+α 完全解読本

そして、これは先にお伝えしておきたいのですが、どちらも『レザレクションズ』のネタバレを含んでいます。そのぶん情報量はぎっしりですが、できるだけ鑑賞後にお読みいただければと思っております。

それでは、内容をご紹介してまいります。

『マトリックス レザレクションズ』通常版パンフレット

価格:880円(税抜価格800円)

画質、悪くてすみません……

【内容】
・イントロダクション&ストーリー
・キャラクター紹介
・これまでの『マトリックス』
・人物相関図&キーワード
・レビュー(前田真宏さん、巽孝之さん、大口孝之さん、大森さわこさん、よしひろまさみちさん)
・インタビュー:キアヌ・リーブス、キャリー・アン=モス、ラナ・ウォシャウスキー監督
・コメント:ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ジェシカ・ヘンウィック、ジョナサン・グロフ、ニール・パトリック・ハリス、プリヤンカー・チョープラ・ジョナス、ジェイダ・ピンケット・スミス
・プロダクションノート

『レザレクションズ』の基本情報をはじめ、『アニマトリックス』の前田真宏監督ほか5人の評者がそれぞれの角度から読み解くレビュー(サイバーパンク、VFX、キアヌ・リーブス、ウォシャウスキーズ)、そしてキャストと監督のインタビューまで押さえた、製作の舞台裏にも迫る一冊です。

稲垣の一押しポイントはプロダクションノートでして、1万字超えのボリュームなのですが、ここでしか読めない独自の構成で、まだ世界のメディアのどこにも出ていない情報もさらっと載っております。ちなみに稲垣はインタビュー&コメントページも担当しました。

『マトリックス レザレクションズ』特別版パンフレット

価格:1,800円(税抜価格1,637円)

【内容】
・『レザレクションズ』イントロダクション&ストーリー
・『レザレクションズ』キャラクター紹介
・押井守が語る『マトリックス レザレクションズ』
・『マトリックス レザレクションズ』解説レビュー(稲垣貴俊)
・『マトリックス』シリーズ キーワード集
・『マトリックス』ヒストリー
・『マトリックス』各作イントロダクション&ストーリー&レビュー
・『マトリックス』シリーズ 総括ストーリー
・押井守が語る『マトリックス』、ウォシャウスキー監督、ハリウッド実写映画とアニメーション
・『アニマトリックス』全エピソード紹介
・『アニマトリックス』前田真宏監督 インタビュー
・解説コラム(巽孝之さん、大口孝之さん、ギンティ小林さん、大森さわこさん、森直人さん、よしひろまさみちさん)
・ミニコラム(『マトリックス』とインターネット、ゲーム版『マトリックス』)

ご覧の通りの大ボリュームでお届けしております。
『マトリックス』3部作と『レザレクションズ』、『アニマトリックス』からゲームに至るまで、できるかぎりの内容を網羅しました。

なによりも注目は押井守監督による『マトリックス』論ですが、約1時間にわたり押井監督に取材しまして、ひたすら『マトリックス』について語っていただくという、今後なかなかこんな機会もないのでは?という貴重な読み物になっております。
また、前田真宏監督には『アニマトリックス』「セカンド・ルネッサンス パート1・パート2」をじっくりと振り返っていただきまして、こちらも非常にスリリングなお話だったので、ぜひお読みいただければ幸いです(取材・構成を担当しました)。

また、6人の評者の方々によるシリーズの解説コラムは通常版とは異なる趣。あわせてお読みいただけると、シリーズの奥深さと歴史を立体的に味わっていただけるのではないかと思います。

稲垣は『マトリックス』シリーズのキーワード集(6000字超)のほか、文字の暴力みたいなことになっている長文の各作解説、そして我ながら渾身の『レザレクションズ』レビューなどを担当しました。
あちこちに稲垣の名前が出てくる本になっており、「誰なの?」というお気持ちになられるかと思いますが、どうかご容赦ください。

通常版と特別版、是非どちらも読んでいただきたく思っています。思い入れがありすぎるので、書きたいことは山ほどありますが、とにかくパンフレットを楽しんでいただければ幸いです。
まずは『マトリックス レザレクションズ』という映画をよりおもしろがるために、そして『マトリックス』3部作を振り返り、より深く楽しむために。これをきっかけに『リローデッド』『レボリューションズ』も再評価されるといいな、とも思っております。
劇場でお見かけの際は、何卒よろしくお願いいたします。

『マトリックス レザレクションズ』は2021年12月17日(金)より公開中。


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