趣味はと聞かれ「映画と読書と音楽です」と言うのが躊躇してしまう。音楽編その7
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今まで学生時代の音楽の話をしてきました。
今日は社会人になってからです。
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篠山紀信さんの助手のときです。
毎日”時代の顔”なタレントさんを撮る現場でとっても刺激的でした。
篠山さんはたくさんの仕事をしていて、その中で週刊誌SPA!の「ニュースな女」という連載がありました。
ちょうど自分はサードアシスタントからセカンドアシスタントになったばかりで
初めて露出を取る(光の明るさをメーターで測る)役割になりました。
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自分はあくまでもアシスタントで撮影は篠山紀信さんです。
横からただ見ていた印象です。目撃者です。
場所は新宿。
タレントさんは椎名林檎さん。
当時全く知らない女の子で、外で撮影するときよく動いて小柄で可愛い感じの印象でした。
室内に入って撮影するとセクシーな印象になり、いろいろな一面があるんだと思いました。
最後のカットでレコード屋さんで撮影するとき、
レコードジャケットを見ながらジャズに関してものすごい知識があり驚きました。
撮影後中華料理屋でみんなで食事をするときも、
篠山さんと作家の中森さんと対等に喋れることに驚愕しました。
この子は一体なんなんだ!
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仕事が終わって誰もいないスタジオで椎名さんのCDを。
大音量で聴いたら完全にノックアウト。
音楽聴いてここまで夢中にさせる人は久しぶりでした。
もちろん撮影でお会いしたと言う印象が強くて、そのせいもあるかもしれません。
あらゆるジャンルを網羅してエッジの効いたサウンド、独特な昭和歌謡のような歌詞のセンス。
そして椎名さんの顔の魅力。
もう夢中になりました。
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特に「ギブス」が好きです。
だって写真について歌っている曲ですもの。
あなたはすぐに写真を撮りたがる
あたしは何時も其れを厭がるの
だって写真になっちゃえば
あたしが古くなるじゃない
なんという歌詞、ユーミンや中島みゆき並みの文学性。
もう、その後はずっと椎名さんの時代と共に生きています。
今日はここまで。
私は芸術でも何でも、全部がエロビデオみたいに受け止めてもらえればいいって思ってるんです。グッとくるか来ないかっていう、ただそれだけ/椎名林檎