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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.052 映画 木下惠介「喜びも悲しみも幾歳月 」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は木下惠介さんの「喜びも悲しみも幾歳月 」(1957/日)についてです。

日本各地を転々として駐在生活を送る灯台守の夫婦の話。

今作は名作ベストにもよくランクインされ「喜びも悲しみも幾歳月」と題名はよく耳にしていた作品でようやく観れました。

監督も割と好きな木下惠介さん「カルメン故郷に帰る」「女の園」「楢山節考」「二十四の瞳」などメロドラマの名手というイメージ。

木下監督とこの映画の主人公の高峰秀子さんのコンビで多く映画を作っていましたね。

いろいろな場所の灯台へ転勤して、日本全国の様子がオールロケで描かれて貴重な記録にもなっていると思います。

単に喜びと苦しみを乗り越えた夫婦の説教くさい話かなと思いきや、

そこは戦前から戦後にかけての日本の時代と、いろいろな場所での話があるので飽きずに楽しめました。

また夫婦の25年間の家族の悲しかったり楽しいエピソードが多く描かれています。

特にエピソードの最初に地図で灯台の場所が示される表現は「インディージョーンズ」のようにわかりやすく面白いですね。



物語は、新婚の灯台守の夫婦は、神奈川県の観音崎灯台で仕事を始める。

灯台守は公務員で転勤が多い仕事らしく、次は北海道へ。

雪の厳しい北海道で2人の子供をもうけ、

五島列島では夫婦別居も経験する。

次第に日本は戦争へ突入し、灯台の同僚たちも失っていく。

戦争が終わり、またいろいろな場所へ転勤に。

東京へ行かせた息子は不良と喧嘩して亡くなってしまう。

悲しみを乗り越え、疎開した時に知り合った家族の長男と娘が結婚し

新婚旅行へ行く船を灯台から見送る二人。

しっかりと子供を育て、灯台守をしていて良かったと涙ぐむ。



まず灯台守というマニアックな仕事を見れて面白かったです。

機械をメンテナンスをして、レンズを磨いたり、嵐の時に消えたライトを付けに行ったり、

今は全て無人になり、有人の灯台は無くなってしまったそうですが。

ただ仕事は珍しいですが、結婚、出産、死別、とスタンダードな人間ドラマがしっかりあり、

戦前から戦後までの日本の時代も描き、そして11もの灯台を転勤して回る生活はちょっと多すぎるのではと思いました。

なぜここまで転勤するのでしょうか?まあ冬の北海道や暑い離小島など数年だからこそ我慢できるのでしょうか。

まあ映画だからというのもあるかもしれません。

自分は転勤したことがないですが、世の中の転勤族の方々にはこの映画を見るとグッとくるところがあるのでは。

印象的なのは昔の日本人はよく歌うなと。

それも自然に。楽しそうに。

歌っているところがすごく良いんですよね〜。

そして灯台ってモダンで絵になる!

今日はここまで。



「頭で生きる人が一番偉いんじゃない。お父さんだって、 体と心で生きてきたんだから」
「喜びも悲しみも幾歳月」より
大学受験に失敗した息子に母親が諭すシーン









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