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Yeti-file.02 誤入園事件   ー消えたあの子ー

きっともう時効だよね…と思うので書かせていただきます。



あれは東北大震災の起きるちょっと前、2011年最初のことです、以前から散々お話ししているSちゃんから、予言はされていたものの、突如西日本から関東圏へ転勤が決まりました。本来ならば年齢的にも無いはずの話。


しかも天下分け目の関ヶ原を超えるだなんて!ど○兵衛のお出汁の味も変わってしまう。なにより、そんな都会さ、怖くてオラいけねえ。

そんな恐怖に打ち震えるウミサチを置いて、夫は

「帰ったら荷造りするから〜☆」とウッキウキで慰安旅行に行ってしまいました。

そして、帰ってきて「荷造りを急がないと!」というところで、あの東北の地震が起こりました。



職場からは、「転勤はあるからネ、とりあえず震災の現場の応援に行ってこい」と言われ、

ク○ネコさんには「震災の影響で荷物を無事に届けられるかわかりません」と言われる絶望的な状況の中、「荷物はいつ届いても構わない」と送りだすことにし、スーツケースに厳選した荷物を詰め、一時的にノマド生活を送りました。



意外と早く夫は帰ってきましたが、押していた予定はさらにギリギリです。読み返していて、お前は何をしてたんだと自分でツッコミましたが、夫の福島県の被災現場への出張中、膀胱炎になってトイレに缶詰になっていました。いやーヤバかったです。



引っ越しに伴い考えること、決めることは山のようにあり(放射能の影響や計画停電もあり、家族は遅れていくことは可能なのか等)、また今ほどインターネットというものは発達しておらず、あまり例のない転勤のため情報がほぼありません。修学旅行のしおりのようなものが全てでした。


世の中はいつだって混沌です。

いつもより気合を入れて、子供達の転入する幼稚園のことを占いました。

「候補の幼稚園は6箇所ありますが、どこの幼稚園なら兄とイモウトは楽しく通えるでしょうか?」

その結果、水風井(だった気がする)
兄は「体が元気になって。みんなとワイワイ楽しいぜ。」と出た〇〇台幼稚園に決定!(いいじゃない〜。自動ゲロ生成機が治るなら最高だぜ!)

じゃあ、このまま「イモウトも、〇〇台幼稚園はどうでしょう?楽しく通えますでしょうか?」 

結果、雷沢帰妹 

「出戻りの卦????」 

え、…なんだろう??若い女の子たちが楽しく笑い合ってる様子を現す卦でもあります。
楽しいんだよね…??しかし気になる、「遅れて整う…?正式な手順を踏まずにする結婚・契約…???相手をよく確認しろ???」

分からない……この胸のざわめきは何??? 神様ー!!!



心はザワザワながらも、それ以上の情報収集はできず予定は迫ってくるので、私は荷造りを、夫は転勤先とのやり取り全般を担当しました。


とりあえず幼稚園に入園希望の電話連絡をしました。
夫の「下の子も入れたりするんですかー??」という声が聞こえます。「引っ越しをしたらすぐに願書を貰いに行って、書類を提出する約束をしたよー。」という報告を受け、ヨシヨシと荷物をダンボールに詰めまくりました。

   


いざ、引っ越し。


約束通りすぐに二人を連れて、書類を貰いに行って、入学願書もちゃんと生年月日も書いて(いつ産まれたっけな?イモウト体だけはでっかいよねー。あれ?年少クラスまでしかないなぁ。でも、願書もらってるし…。)


それが済んだら園長先生と面接して、職員室で制服も試着してサイズ決めて、お金払って(制服たっかーい)、幼稚園グッズをふたり分作って、怒涛の慣らし保育が始まって、嵐のような毎日が過ぎました。




それからひと月たった頃、参観日を兼ねて保護者会のようなイベントがありました。


みんな集まったら体育館でまずは鬼ごっこ。雰囲気もこなれてきた頃あいで、みんなで椅子を円形に並べます。椅子に座って、苦手な苦手なお母さんの自己紹介タイム。



なんのために自己紹介とかするのか、ほんといや。


しかし無情にも順番が回ってきます。前のお母さんたちが言ってたみたいに、当たり障りのない目立たず触らずな挨拶を…よし!


「初めまして、イモウトの母のウミサチです。〇〇県から引っ越してきました。この度は、未満児にも関わらず入れて頂くという、特段の配慮を頂きまして本当にありがとうござ…」「ウミサチさん!!!!!」


……え?あたし???



「ウミサチさん?! それは!!!!!??それは(1オクターブ上がる)どういう!!?
……ちょっ、ちょっと待っててくださいね!!!!」



フリーズするお母さんたち、激しく焦りながら職員室に吸い込まれていく先生たち。
言われた通りにいい子に座って待ってる、母とイモウト。フリーズが解凍されて、ザワザワザワザワするお母さんたち。

「うーーーーん。マンダム。」



時間は流れ、とりあえずイモウトの処分は自宅待機になりました。入園は一時停止(初めて聞いた)、入園金はもう払っちゃってるしね。



イモウトは待機だけど、兄は普通に一年通いました。


幼稚園に送迎でついて行くが、この間まで入れた教室に入れないイモウトは、「アタシは?」と聞いてきたので「処分保留だ」と答えると、なんとなく納得してくれました。



時は流れ、一年後無事に再登園を果たしましたとさ。 わぁ!!遅れて整ったネ。



兄さんの登園時の聞くに聞けないママさん達の雰囲気。ブッチョーフェイスの園長先生、何か言いたげな先生たち。スルースキルはレベル99になったと思います。



幻を見たお友達は、「あのね、あの子いなくなっちゃったの。」そうだよねー。ごめんねぇ。



先生たちとはわりと早くに誤解が解け、やべえ天然だけどクレーマーではないお母さんとの認識を得、一体いつまで働くのか問題を抱えていた、おじいちゃん園長先生は交代によって、先生の平均年齢は少し若返ったということです。



いやー。占いをするときは、情報を十分に集め、出た卦から現実をよーーーーく見てみるって大事ですね。
みんなゴメンね。


ではでは、それではまたお元気で。

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