村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』は単行本が出てすぐ夢中になって読んだのだけど、昨日、文庫も買ってしまった。

本屋に文庫本が並んでいて「あーいい本だったなぁ」と手に取ったら、文庫版の村上春樹の巻末エッセイがまた素晴らしくて。
webでは読んでいたけれど、やっぱりこの文はこの本に収まるのが相応しい。

ジャズ・ビアニスト大西順子の引退ライブでの小澤征爾の「おれは反対だ!」事件。それから派生するサイトウ・キネンでの共演。それらの過程に村上春樹が立ち会っていること。
それら全てにドキドキし、納得してしまう。

サイトウ・キネンでの『ラプソディー・イン・ブルー』の演奏をみた観客たちがTVニュースで「私は事件に立ち会いました!」と言わんばかりに興奮して話していたことを思い出した。

単行本を持っているのに文庫も買うという本はほとんどない。だけどたまにある。この本のように。
何を言いたいかというと、こういうときに幸せだなーって思うのです。ほんと。

(二〇一四年七月)

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