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Web制作会社は孫じゃない。

下記のツイートを見て、本当にそうだなあと思いました。

Web制作会社が「顧客の無茶ぶりをお金をもらって何とかする屋さん」になってしまうと、それはもう価値として激弱なので、短期ではお金が上がっても中長期でしわ寄せが行きます。時にやることも大事だと思いますが、中長期のことを考えられてないと、未来の従業員の幸せを守れない。

"Web制作会社が「顧客の無茶ぶりをお金をもらって何とかする屋さん」になってしまう "

泣けるワードですよね。本当にそう思います。「ぼくは顧客の味方ではありません。ユーザーの味方です」という発言に真摯に向き合ってくれる顧客企業と仕事をしないとWeb制作会社はどんどん脆弱になっていくんですよね。

「言ってることとやってることが違う」「それっぽい言葉を使うけれど行動が伴わない」こういう課題の根っこはその企業の社風なので、Web制作会社が手に負えるものでもなく。何度か言っても改まらなかったら距離を置く方がいいと思っています。他社の価値観なんてそうそう変わらないし、変えられない。

だから、「ユーザーファーストを大切にする/アフォーダンスを重視する/顧客の役に立ちたいと本気で思っている」という社風の企業を見つけたら、ここぞとばかりに全てを振り絞って仕事をするのがWeb制作会社にとってすごく大切なんですよね。それこそがWebで成果を出すために超重要な源泉なんだから。

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Webサイトを作る際に、「それやっちゃダメ」に該当する顧客からの要望は様々です。もっと目立たせたいとか、冗長で分かりづらい文章なのにそれを全部入れたいとか。要望通りにしていたらWebがどんどんダメになっていくので、ダメなものはダメと制御するのも制作側の大切な仕事です。でも、なかなか理解してもらえないんですよね。「いいから言った通りに作ってほしい」という顧客は一定の確率で現れる。何でだろうな…とよく考えます。

Web制作会社がマッサージ屋さんだと考えたら分かりやすかもな…と思いました。お客から「肩がこっているから肩をもんでほしい」と言われたとして。症状を見て、「肩を揉んだらもっとひどくなる。問題は腕の張りだ」と思ったら、専門職として言わなければいけません。「こっちは客だ。金を払っているんだ。いいから揉め」と言われてもです。

大切なのは「肩がこって辛い」という問題解決であって、そこにこそバリューと対価があるはずです。ここを手放してしまったら専門職としての意味がない。だから、Web制作会社は「Web活用について詳しい専門家として作ります」という姿勢とメッセージがとても大切だと思っています。

「何でも言ってください。その通りに作ります」と表明するWeb制作会社はいないと思います。そもそもWeb制作会社の存在意義はそこじゃないし。でも、問題は「相手はそう思っている」ということです。要望通りに肩を揉んでくれる人だと思っている。それじゃあ、小遣いをもらって肩たたきをする孫と何も変わりません。Web制作会社は孫じゃない。

このギャップと誤解は払拭しなくてはなりません。そのためにはどうするか?伝えるしかないですよね。日々の仕事と日々の姿勢で。「あなたの課題を解決するために専門職としてWebを作る。あなたの要望通りに肩をもむ小遣い稼ぎの孫じゃない」と。バリューと対価を理解してもらうことはとても大切だと思っています。

伝えるべきことを伝え続けるからこそ、「もちろんだ。そういう制作会社だからこそお願いしたんだ」という企業と出会えるんだと思います。いつか分かってくれるはずと黙って王子様を待っているのナンセンスだし。自分たちのバリューを発揮するためにフルスイングできる企業と出会えたらお互い幸せですよね。

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