「人の話に耳を傾ける」四つのコツと沈黙の雄弁さ。

けんすうさんの一連のツイートがとても面白くて、色々なことを考えました。

「親しさが少ない場合は、コミュニケーション媒介がないと、みんなソワソワする」

めちゃくちゃその通りだなあ…と思います。
これまではお酒が媒介の代表格だったけれど、今はゲームや映像に移りつつあるという視点も納得。

Web制作を仕事としているぼくとしては、WebサイトとSNSも企業とユーザーを結ぶ大切な媒介の一つだと思っています。

ソワソワすること

けんすうさんのツイートにある「ソワソワする」という表現がとても好きです。ぼくは気が小さいので、媒介がないとすごくソワソワする。何もなかったら走って逃げたくなる。

かつては媒介を求めて焦るあまりに自爆するケースも多々ありました。あれはツラい。その日の夜はだいたい眠れない。

何もなかったら、「人の話に耳を傾ける」がとてもいいということを知ったのは三十代以降です。それを身に付けてから自爆が減りました。もっと早く知っていればあんな切ない夜を過ごさなくてよかったのになあ…(遠い目)

人の話に耳を傾けること

人の話に耳を傾けるようになって、何となくコツが分かってきました。
まとめると単純ですが下記の四点です。

・頷く
・声に出して頷く
・驚きは伝えるが邪魔をしない
・沈黙を恐れない

「ぼくはあなたの話を聞きますよ」という意思を態度で伝えることが大切なので、「頷き」は最重要です。ぼくたぶん百回くらい頷く。

でも、沈黙にも付き合う。
沈黙は大切。

沈黙について

人の話を聞くとき、沈黙が一番大切で、一番雄弁だったりします。

そのとき、話し手は何かを考えています。
この人にこの話をするべきだろうか…と考えていたり、
自分でもまだ言葉にしていなかったことに初めて気づいた瞬間だったり、
嘘でごまかしてしまおうか…と検討しているかもしれません。

たいていぼくが人の話に耳を傾けるときはコミュニケーションの一環としてであり、「何かしらの成果や正解を求めて」という場面ではありません。
三十分なり一時間の過ごし方として、互いに豊かな時間だったと思えれば十分と考えています。

ぼくの目の前にいる人がふと口をつぐんで、内向している、自分自身と対話している。その姿や過程を共有できる。これはぼくにとっても十分に豊かな時間です。

「人の話に耳を傾ける」というと、ニュースインタビュアーのような姿をイメージしますが、ぼくはちょっと違います。

無理やり言葉にすると、「その人の内面の時間を一緒に過ごすこと」に近いかもしれません。大きな音を立てたり、こちらがベラベラ喋ってしまうと、それはあっという間に霧散して消えてしまいます。

沈黙が訪れるまでそっと一緒にいる。
沈黙が訪れたら、その時間をそっと共有する。

すごく豊かな時間で、ぼくはそれがとても好きです。

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