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10年後に自分が何をしているかなんてこれっぽっちも想像もできない。

就職氷河期のど真ん中世代です。ただ、就職活動に致命的に向いていない性格だったので、一般的な就職活動は全然できませんでした。リクルートから送られてくる分厚い本も開く気にならない。エントリーカードもよく分からない。結局、大学の就職課に貼られていた募集に履歴書を送って渋谷の小さな広告代理店に入りました。おれの人生この先いいことは一つもないんだろうなあ…と思っていました。ネガティブとか自虐とかではなく、20代の青年だったぼくは通常モードとしてそんなものでした。ネットもほぼなかったし、SNSもなかった。

それから流れ流れて、渋谷の小さな広告代理店 → 長野の小さな出版社 → 長野の小さなWeb制作会社で今に至るという感じです。何を言いたいかというと、「10年後に自分が何をしているかなんてこれっぽっちも想像もできないぞ」ということです。少なくともぼくはそうでした。自分がWebサイトを作るなんて思ってもいなかったし、顧客の営業課題をホワイトボードに書き出して一緒に考えるなんて想像もしていなかった。今こうしてTwitterを打っていることだって1ミリも想像できなかった。社会人になって20年以上を過ごして、「おれの人生この先いいことは一つもないんだろうなあ…」とは思わなくなりました。どちらかというと「人生って色々あるんだなあ…」ということです。あと、大抵のことは縁と偶然とタイミングだなあ…ということです。

大学生の娘と息子がいるので、将来のことを軽く相談されたりもしますが、ぼくが言えることは「大抵のことは縁と偶然とタイミングだぞ。あと、人生色々あるぞ」です。どっちみち自分の想像外に自分がいたりするので、あまりくよくよ考えても仕方がない。それよりは動くべきときにちゃんと動けるように自分を保っていた方がいい。そのためには「あまり自分を嫌いにならない方がいいぞ」なんですよね。自分を責めたり嫌っていたりすると重力がのしかかる。重力は厄介です。動けなくなる。心も動かなくなる。人生って自分ではほとんどコントロールできないけれど、心が動いたときはちょっと「お?」と思うんですよね。その兆しみたいなものをちゃんと拾ってあげるためにもなるべく自分をフラットに保っていた方がいいと思っています。具体性が皆無なアドバイスで言われた方も困ると思うけれど、ぼくはそんな風に思っています。

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