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最相葉月『セラピスト』

毎晩寝る前に少しづつ読んでいた最相葉月のドキュメンタリー『セラピスト』を読了。


言葉によって因果関係をつなぎ、物語をつくることで人は安住する。しかし、振り回され、身動きさせなくなるのもまた言葉であり、物語であるー

「真っ直ぐにきちんと逃げずに話を聞く」ということ、これがなかなか社会の中で行われていない。これは家庭の中でも行われていない。会社の中でも行われていない、友人同士でも行われていない、それをわれわれはきちんとするということだと思います。


毎章ごとに井戸の中に降りていく感覚でした。印象的な言葉が多い本。特に、言葉によって因果関係を生み出すことによる功罪はハッとしました。
言葉に溢れている現代だから尚さら。その対応策として、「ただひたすら聞く」という姿勢と、それに伴う沈黙に思いを馳せました。

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