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ポエム、エッセイ

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scarlet

scarlet

赤き人

スカーレット

冷たい泉に咲く

情熱の花

鍵穴

鍵穴

心の奥の鍵穴は

誰かが開けてくれると

待っていた

生まれた瞬間から

この手に握っていたとも知らずに

secret

secret

暗号で埋められた
街角の片隅に
お腹を空かせた猫たちが
目を光らせて嘲笑う
人は幸福に溜息をつき
秘密の抜け道探してる

破片

破片

バラバラになった
硝子の破片を
かき集めた私の指に
赤く冷たい悲しみが滲む

どんなに
あつめても
あつめても

あなたの破片が
みつからない

歩道橋

歩道橋

あの日の夕焼けが

背中を押した

そんなに焦るな

急ぎなさんな

それでも一歩も

踏み出せず

歩道橋の真ん中で

ひとり黄昏れ

夢をみる

恋

キラキラ光る水面の

ゆらめく穏やかな

時の流れ

あなたの影があるということ

秋と女

秋と女

あなたは風
私は銀杏
枯れた枝の隙間に
通り抜ける
痛い 優しい 冷たい
やがて涙は快感に
今年の秋も
あなたを想う

ピエロ

ピエロ

愛は虚無だと
あなたは言う
二度と抜け出せない
迷路と知りながら
遠くで燃える塊に
触れてみたくて
禁断の園へ踏み込んだ
もがくように
踊り狂う私を愚か者だと
あなたは笑うだろうか

夢をみない
私はピエロ

慟哭

慟哭

足りないものは

なにかしら?

食べても,食べても,

満たされない

剥がれゆく皮膚が亀裂して

生まれた私は

一体なぁに?

明日

明日

昨日までの君は

明日はないと言ったけど

いま目の前に広がる景色は

君の描いた未来に等しい

地平線までいってみないか

まだ見ぬ世界へ

僕と一緒に

月の慕情

月の慕情

白い月が泣いている

月の泪が私の海に水紋を立て

遠い記憶を呼び覚ます

奇跡は遥か夢の彼方に

喜びは星屑となり

悲しみが水面に舞い降りる

再び眠りにつけるまで

鎖で束ねたブーケを

そっと深い海に沈めて

私の中の悪魔が

どうか目を覚まさぬように

wink

wink

愛とか恋とかやればいい
難しいことではないだろう

愛とか恋とかやればいい
本能が望むなら

さっきWinkした人
明日はとっくに忘れてるよ

未来

未来

沈黙を刻む
あの部屋の
時計の針の音は
君の生きた
吐息と似ている

私は未来へ進むから
どうか君よ
そのままで