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アート引越しセンター

高校を卒業し初めてのアルバイト。接客はイメージできなく、なんとなく単発で引越しをやった。最悪な1日だった。まず朝7時半集合でトラックに梱包材を詰め込み、銀座の家まで社員であるスキンフェードの男とトラックで向かう。そこには女子高生2人がおり、ドライバーと自分含めて4人での作業だった。女子高生2人も初めての勤務だった。終始スキンフェードの男は僕に当たりが強く、女子高生には優しかった。初めてのアルバイトで確かに僕は使えない奴ではあったが、それにしても酷いものだった。銀座から横浜への引越しだったので、詰め込みが終わると横浜へ向かい搬出をする。物が多い方であったのと女子高生が途中で帰ったことにより、ヘルプとして近隣のアートの人が来た。そこから作業を終えたのは20時を回っていた。その時点で僕はものを運べないくらいに手が痛くなっていた。横浜からの帰り、僕とスキンフェードの男2人きりのトラック内で男は僕に「モテるためには〜」、「今日の女子高生2人も俺のこと〜」と永遠に話し続けた。いい大人が女子高生にチヤホヤされてそれを高校卒業したての僕に得意げに話す。今考えても寒すぎる。恥ずかしすぎる。それを僕に話すことによってこの男が気持ちよくなっていること、気持ちよくなるための一つの材料にされていることに怒りを感じ、もう物を運べない手を握りしめて助手席に座っていた。事務所に帰り後片付けをし、業務が終わったのは23時だった。日給18000円。最初で最後で最悪な引越しのアルバイトは終わった。

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