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子どもと竹林遊び。【竹林って可能性無限大の遊び場かも】

祖父の持ち山というか、竹林があって、毎年3月から筍とりに行くんだけど、今年もシーズン前の竹林整備をしています。

昨年の台風などで倒れ放題の竹を一ヶ所にまとめては焼いてを繰り返す。

筍掘りは娘も2歳の時から毎年来てるんだけど、この竹林整備について来たのは初めて。
でも勢いよく燃え上がる火を眺めているとテンションが上がってくるようで、何も言わなくても竹を集めては火に放り投げてを延々と繰り返していた。
勝手に集中のゾーンに入っているのを、そのまま邪魔せずに見守るのが我が家スタイルなので、「あーおもしろいなー」と遠巻きに眺める。

こうやって燃え上がる火柱は、少し近づくと肌を焼かれるような強い熱気を放出する。そして絶え間なく動き続ける炎が、やがて生き物のように見えてきてしまう程、僕らの目は理由もなく火を見つめてしまう。ただぼーっと、いつのまにか引き付けられている。
人間なんてちっぽけな存在だなと思い知らされるほど、火のエネルギーって凄いなと感じるし、人間の歴史のはるか昔から僕たちは火を囲んで生きてきたんだなと、潜在的に、ゲノム的に刻まれた何かを認めざるを得ない。

火は人を魅了する。それはおそらく大人も子どもも一緒。

ここ熊本でも、簡単には何かを燃やすって出来なくなってきてて、この焚き火?も、山だからこそ、周りに家がないからこそ出来ること。
都会では完全にアウトなものかもしれないが、制度による抑制により、この火の感覚が人々の日常から抜け落ちつつあると思うと、それは何か人間性というかとても重要なものを失いつつあるのかもしれないと、これで良いのだろうかという疑問や、何とも言えない寂しさを感じてしまう。

ともあれ、火を焚くのは理由もなく楽しいし、野山を駆け回るのは気持ち良いし、切った竹を使うと秘密基地モドキも簡単に作ることが出来るし、子どもの遊び場としてはこれ以上ないほどの環境だ。

子どもの無尽蔵のエネルギー放出を大らかに包み込む竹林。おそるべし。


これから筍のシーズンに入ると、ここでも沢山収穫することが出来る。
初物をはじめ、旬を迎えたばかりの筍は僕たちにとっては貴重な栄養でもあるし、収入源でもある。
特に手を入れてないこの山でも、1時間も掘れば5,000円くらいにはなるだろうし、春は筍さんに生かされているような感じだ。
掘るのに少しコツのいる筍の収穫も、失敗しながら何度もチャレンジすれば板についてくる。
子ども達も小さい頃から体験し、技を会得することができれば、春は十分すぎるほどの稼ぎになりそうだ。
遊び場でもあり、食料自給の場でもあり、バイト先でもある。こんな資源中々ないと思うんだが。


日本の竹林には在来の菌が多く自生している。
枯れた竹の周りには糸状菌が繁殖し、この菌はぼかし肥料や腐葉土を作る上でかかせない相棒でもある。

ここから肥料作りも出来れば、野菜作りにも繋がるわけだ。
食料自給と収入源にまたも繋がってくる。竹林よ、一石複数鳥すぎる。
糸状菌ってようはカビなんだが、こんなカビひとつとっても只々ありがたく可愛く見えてくる時点で世の中の見え方もだいぶ変わってきてるよね。愛しいよ糸状菌。


世の中には放置された竹林だらけというか、むしろ手が入ってない所の方が多いように感じる。
なんて勿体無いんでしょう。
竹林は子どもにとって、公園だしキャンプ場だし畑だしバイト先なわけで、これを活かしていかない手はないのでは?と強く感じる最近であった。

余談。うちの竹林の外側の一帯に竹がほとんど枯れてしまっている部分がある。(このブロックはうちの所有ではないのだが)
そのブロックの一段高い場所に養豚場があるのだが、地域の人に聞くと、養豚場からそのまま流れてくる豚の糞尿などが浸透してしまい、枯れているのではないかという話だった。
少ない栄養で生きることのできる世界であれば、垂れ流しの糞尿は栄養過多であるだろうし、確かに動物の糞尿は、未発酵だと硝酸などの強い毒素も含んでいる。
畜産が悪いとは言わないが、自然を蝕んでいる側面が無いとは言えなさそう。
そう考えると、これは十分な配慮が必要なナーバスな問題だろう。

何度も言うけど、畜産を否定するわけじゃないし、自然やアニマルウェルフェアに配慮をしながら営んでいる牧場も熊本には存在する。
ただ、肉を食べることって当たり前だよねという感覚や、それを購入することを疑わない事っておそらく少し危険で、何にでも何故?を考えなおす余白は存在している。

大量生産的などを通して目先の利益や、お金を稼ぐことに目を奪われてしまうと、大事なものが欠落していく可能性がある。
じゃあそれを踏まえて、僕たちはどう生きていく?といった事を考えていくきっかけにもなる竹林は、貴重な学びの場でもあるのかもしれない。

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