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南アフリカ旅 ⑥ いざリヒタスフェルトへ出陣



出発前にLatitiaに地図を書いてもらった。

ステインコフ

ポートノロース

アレキサンダーバーイ

と言う町をスルーして、Richtersveld Routeという道に向かうといいと。
Latitiaもナマクアナムは見たことないらしい。そこまで行けばおそらく良いのではという事だった。

因みにGoogle mapでRichtersveldと入力すると、この地図とは全然違うところをピックアップする。リヒタスフェルトが広すぎるのだ。Google mapに従っていけば宿から1時間でリヒタスフェルトに着くらしいが、Latitiaの言う通りであれば2時間以上はかかりそう。ひとまずポートノロースを目指してみる。

南アフリカの広大な自然は100キロおきくらいに目まぐるしくその姿を変える。
霧の多いケープタウンの周辺は湿原のようなものも見られ、青々とした緑や、プランテーションが広がっていた。しかし、その先は岩だらけの山岳地帯や、背の低い植物がちらほら見える乾いた大地に姿を変える。スプリングボックに近づくと沢山のアロエの巨木が見られ、ステインコフ周辺はお花畑。(ナマクアランドの近く)

お花畑をすぎると一面が半砂漠化してきた。さながら2000年後の阿蘇といったところ。笑
スターウォーズのロケにも良さそう。
相変わらず地平線が遠くに見える凄まじいスケール感。100キロほど走ると目の前に街とそのバックに広がる美しい大西洋が見えた。約1時間でポートノロースに到着。

とても美しい海岸沿いの町。南アフリカの西の端。潮風が冷たい。リヒタスフェルトに備えて半袖短パンで出てきた身体に滲みる。

少し休憩した後、アレキサンダーバーイを目指す。ここから、一気に周囲が砂漠となってくる。
海岸沿いの真っ白な砂と大地の色が混ざり合う。見たことのない色彩。大気には細かな砂が風によって常に巻き上げられ、空の青が白く霞んで、見たことのない青を演出する。
ここから続く、この青に僕はすっかり魅せられてしまった。

アレキサンダーバーイまで約80キロ。植物もどんどん減り、一層乾いた空気に包まれる。数キロさきまで見渡せるひたすら真っ直ぐに伸びる道路を140キロでひた走った。

アレキサンダーバーイは最後の給油地点といったところ。ポートノロースよりも小さな町だ。ガソリンスタンドのおじさんにパキポディウムの写真を見せてみる。ここから2時間くらいかかるそう。でも見た事はないらしい。とりあえず引き続き、この道を走ってみようと思う。

冷たいコーラを買った。砂漠ではコーラが沁みる。

アレキサンダーバーイも通過し、ここからはRichtersveld Route。
目の前にオレンジ川が見えてきた、海へ続く河口付近。砂漠のオアシスは思っていたより大きな川だ。
オレンジ川の対岸に砂の舞う大地が見える。見渡す限り砂山しか無い大地。ナミビアだ。

ついに南アフリカの最北端に来た。ここからは進行方向左手にオレンジ川とナミビアを見ながら、川に沿ってパキポディウム・ナマクアナムの生えてそうなポイントを探す。

とここで何と、道が消えた。
一緒驚いたが、目の前が荒れたオフロードに変わったのだ。舗装されたコンクリートの道はここまで、これから先は完全なオフロード。
でも僕たちは普通自動車で来てしまった。果たして辿り着けるのか。慎重に運転する普通自動車を、120キロで爆走するハイラックスが追い抜いていく。

岩山がちょこちょこ見えるも、背の高い植物は一向に姿を現さない。パキポディウム・ナマクアナムは勿論、アロエも見ない。岩と砂に包まれた世界にそれらの植物の気配は全く無い。


奥に見えるのがナミビア。緑色の木々が写るオレンジ川から手前は南アフリカ。


不安に駆られながらも、度々車を止めては岩山に登る。砂丘にも登る。砂に足を取られながら駆け上がる時、僕はファイナルファンタジーXの「ピーカネル砂漠」を思い出した。頭の中でピーカネル砂漠のフィールドBGMが流れる。実際のリヒタスフェルトルートは只々吹き付ける風の音しか聞こえない。

ちゃちゃっと撮影を済ませて帰るはずが、全くお目当ての植物が見当たらない。不安な気持ちに駆られながら砂漠の中を走る。
遠くに山が見えた。あそこまで行ったら今日は引き返そう。そう決めて、前進する。
標識が見える。この先に「Kuboes」という町があるらしい。
とりあえずそこで聞いてみよう。

アレキサンダーバーイからまた100キロ近いオフロードを走った。山の麓の渓谷に小さな町が見える。
Kuboesに入ると、町の人たちがじっとこちらを見ている。皆んなが不思議な顔で見ているのがわかる。しかし手を振ってみると、笑顔で振り返してくれた。どうやら優しそうな人たちだ。南アフリカの田舎最高。

ちょうど学校の下校時刻のよう。子どもたちがバックを背負って、不思議そうな顔でこちらを見ながら歩いている。

と、目の前の民家の外壁に、パキポディウム・ナマクアナムの絵が描いてあるのを発見。
ここなら何か手がかりが見つかりそう!

町の施設らしい建物の前に男性1人。早速写真を見せて、探していることを伝える。
見せてやるからついてきな!と言われ建物の中へ。
そこでリヒタスフェルトの地図を見ながら、「SENDELINGSDRIFTという場所を目指せ。この植物はそこの限られた場所にだけ生息する」と説明してくれた。

見せてもらった地図。SENDELINGSDRIF CAMPをターゲットに。


一瞬寄っただけだが、人々が優しいのはすぐにわかった。みんな笑顔の良い町だ。

先を急いでいたので、外壁に描かれたナマクアナムの絵を撮り損ねる。この町はまた訪れたいと感じたので、引き返す事はしなかった。また撮りに来よう。


さて、SENDELINGSDRIFTに行くにはアレキサンダーバーイから来た道を途中で交差点を左折する必要があったそうだが、あの砂漠道に交差点なんてあっただろうか。

ともあれ有力な情報と、行くべき場所を得る事が出来た。

このオフロードはきっと夜は全く道がわからなくなる。日のあるうちに脱出する為に、足早にSENDELINGSDRIFTへと向かった。

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