【短歌】十月の花火
※この記事は2013年10月にアメブロにて書きましたが、note一本化のためこちらに持ってきました。
細いのが好きだと言っておいたのに薦めたせーらむほんとにライト?
台風が過ぎ去り月が澄んでいる好きじゃないけどいないと寂しい
のど飴をひとつあげます手渡しをせずにデスクの上を滑らせ
不意にする言いたげな顔「SALEMでもこれじゃないやつ」なんだそれだけ
お仕事で優しいだけと知っててもどきどきするのは退屈だから
ピアニシモ大きなその手で押し戻す吸わなきゃ赤く光らない先
「相手さえ出来ればタバコやめますよ」どちらも無理と知っての台詞
いつまでも火を見たままのガキでいる吸えば光ると信じられずに
これ以上好きになったら苦しいよタバコとタバコ好きのあなたを
あやふやな気持ちでいたい十月に手にした花火消えた朝まで
大人げないあなたの隣にいるだけで恋に落ちれば苦労はしない
手軽さに惑わされ買ったホープ見て「それだけのことで落ち込んでんの?」
音もなくたばこは燃える 下に向けあなたを落としたいと気づいた
自分しか知らない嫉妬を抱えれば元気ないねと心配される
もうそれは恋だと見透かされたとき言葉が一度生まれ変わった
好きになるほどに口数減っていく 責任について考えている
手を離す前に本当の最後ってピアニシモひとつ口つけて、風
ボリュームを絞り始めた空じゃなくすぐ目の前の街を見ている
代休に二度寝じゃ足りないこのからだ夢のあなたは息が冷たい
いつか来る現場を去る日が始まりだ そのとき君は誰かのものかも
笑う時手探りだった朝も過ぎそっとこらーって怒ってくれる
(2013年9月~10月)
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