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帰って来た日のこと(2018/7/1)

※この文章は2018年7月1日に書きました。noteに一本化するために記事を転載しています。

朝から涙をこらえる恋人だったひとに、つられて泣きそうになるのをこらえた。
逆の立場なら、私もそうなると思うと申し訳なかった。
笑わせたくて喜ばせるようなことを言っても、嘘になる気がして、全く関係ない話をし続けた。
彼はキャリーバッグを空港まで引いてくれた。
空港で彼が作った方が美味しいパスタを食べて、時間まで北ウイングから南ウイングを一往復した。
いつにもまして無愛想な言葉のやりとりも、私の自意識過剰ではなく、本当に悲しいのを我慢してるからだと思った。
保安検査場に向かう直前、泣きそうだから、と彼がサッと手を振って帰っていった。
それを見て私も保安検査場を通ってからずっと泣いていた。
また会えると思っているので、「今までありがとう」とは言わなかった。
機内では隣の人は眠っていたので、泣いていてもバレなかった(と思う)。

帰ってすぐに狸小路1丁目のライブハウスでジャズを聴いた。
少し「坂道のアポロン」を思い出した。
今までは札幌に戻って来ることがゴールだったけど、今日から始まったんだなと改めて思った。

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