人間

昨日、ある1人の人間の解剖が終わった。

目の前にあったのは確実に死体で
僕はその有機体に躊躇なくメスを入れるべきだった

肌を剥がし、脂肪をとり、骨を削り、
その有機体の構成物をみるために、切り開いていく

ただの物体でしかないものに僕は見惚れてしまう

死んでもなお私に知を与えるその姿に
生と死についての哲学的問いを投げかける姿に

僕の目の前にあったものはその人が遺した最後の姿
だから、僕は学び、感じ、見惚れ、
その有機体を遺体と呼ぶ意味を知った

人間は面白い

この人に僕は何をして返せるだろうか
恩を返す、いただいたものを世間に返す

・遺体となること
・多くの人が主観的な幸福を享受できること

くらいしか今の僕にはできない


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