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コロナ禍における競合の捉え方

こんにちは!Office LiNQ 片貝(岩本)舞です。今回は「コロナ禍における競合の捉え方」についてお話したいと思います。

とある企業様より新規事業立ち上げの相談がありました。その企業はキャンプ場を新規に立ち上げたいということなのですが、既存事業との関連性はなく、本当に初めからの立ち上げを予定していました。しかも、キャンプ場に仕事場を設ける(ワーケーション)を主な事業として考えているとのことです。

新規で事業を立ち上げる際に重要なことは、「だれに、何を、どのように」提供するのかを明確に設定することです。

この企業はキャンプ場を「リモートワーカー向けに(誰に)、ネット環境などの業務がスムーズに行える環境を(何を)、屋外という開放的な空間と仕事という集中しなければならない状況の共存を叶えることにより(どのように)」提供することにしました。

「誰に、何を、どのように」提供するのか設定したら、次は競合調査です。この事業にどのような競合が成り立つのか、社長に聞いてみました。すると、「近くに大きなキャンプ場が2つあります。でもそこは単なるキャンプ場であり、ワーケーションをやっていません。なので十分戦えると思います。」

確かに、キャンプ場の競合はキャンプ場である、と言えるとは思います。しかし、本当にそれでよいのでしょうか。

顧客目線に立って考えてみます。顧客がキャンプ場を選ぶ際、どのような選び方をするでしょうか。例えば、「どこか遊びに行きたいね!」「いいね。どんなことがしたい?」「自然の中でゆっくりしたいな。」「じゃあ海と山、どっちがいい?」「山がいいな!」「そしたらキャンプにでも行こうか」「いいね。」といった会話が成り立つでしょう。

顧客は、「何がしたいか」という観点からどこに行くかを決めます。つまり、キャンプ場にあるワーケーションは、自然に囲まれて遊びたい、という視点の顧客の目には留まらない可能性があるのです。

では、キャンプ場にあるワーケーションは、誰の目に留まるのでしょうか。それはワーケーションを求めている人です。つまりリモートワーカーが「仕事をしたい」と思ったときの場所として「キャンプ場」が選ばれなければなりません。

このように聞けば当たり前のことなのですが、キャンプ場という言葉に引っ張られて、追競合他社を見失ってしまうという事例でした。今回の場合の競合他社は、コワーキングスペースや貸会議室などです。すると、それらとの差別化要因として「屋外、つまりキャンプ場で仕事ができる」という強みをアピールすることができるのです。

コロナ禍で顧客の価値観も変わってきています。人が集まって楽しむカラオケ店の競合はもしかしたら、直接集まらずともみんなで楽しめるオンラインゲームになっているかもしれません。

コロナ禍以前は、深夜残業で終電を逃したサラリーマンの選択肢に「ビジネスホテル」か「タクシー」か挙がっていたでしょう。しかし、今や、ビジネスホテルの競合はタクシーではなく在宅で仕事ができるスペースを確保した「マンション」に代わっているかもしれません。

このように、時代背景や顧客の価値観の変化によっても競合は変わってきます。その変化に対応するためには、必ず顧客視点で競合を見ることです。

顧客が何をしたいと思ったときに自社を利用してくれるのかをしっかりと捉える必要があります。

あなたの企業の競合、もう一度考えてみませんか。


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