私のおもしろ高校生活
私は約20年間とある公立高校に通っていました。その高校がとても面白く、独特の校風を持つ学校だったため、友人や同僚に当時のことを話すとすごく驚かれます。今回はそんな独特の高校生活についてお話しようと思います。
入学早々始まる奇妙な合宿
私の高校は進学校だったため、入学式の日にはセンター試験まであと○○日と書かれた張り紙が教室に貼られていました。中学時代を部活一色で過ごした私はガツガツとした学校の雰囲気に怯みましたが、勉強は好きだったため数日でなじむことができました。
5月のゴールデンウィークにかかる週、休みかと思いきや勉強合宿というものが開催されました。旅館を貸し切り、1週間勉強漬けの生活を送ることで、勉強に対する姿勢を身に着けることが目的です。
合宿前に持ち物リストを確認しました。ジャージ、Tシャツ、勉強道具、デスクライト、学校で使用している自分の机、椅子。ん?・・・机?椅子???
この高校の合宿では学校から自分の机と椅子を運んで旅館に持っていく決まりがあったのです。これには驚愕しました。
私のクラスは3階にあり、学校の前に着いた大きなトラックまで、階段を下りて自力で運ばなければなりませんでした。その異様な光景に、合宿前から不安が募りました。これから一体どんな不思議な儀式が始まるのだろう・・・。そうです。1年生の頃の私たちはこの学校の暗黙の決まり事を不思議な儀式のように捉えていました。
例えば、校則です。抜き打ち検査が2週間に1回ほど行われていましたが、謎の校則ばかりでした。スカートは膝下15センチ(かなり長めです)。眉毛は一切整えてはいけない。前髪は眉毛に一切かかってはいけない(ピンで留めるか、眉上でカット)。髪は襟足にかかってはいけない(結ぶか切る)。爪は指の腹から出てはいけない(深爪気味がベスト)。これらを守れなかった人は竹刀で叩かれることもありました。謎校則だなと思いつつも、皆そこそこ守っていました。
合宿当日。無事に旅館に着いた私たちはまたトラックから自分の机と椅子を運び出し、自分の部屋まで担いでいきます。面白いことに先生たちも、机と椅子を持っていき、ロビーに横一列に並んでセットしていました。これには驚いたのですが、自分の部屋で勉強をして、わからないことがあれば、ロビーへ行き、担当教科の先生のところへ並ぶというスタイルです。(イラスト参照)
なんて仕組みだ・・・。この光景を目の当たりにして先生たちの合宿の本気度が伝わり、私の心に火が付きました。
1日のスケジュールは次の通りです。
6時起床・朝食⇒6時半運動⇒7時~12時勉強⇒12時昼食⇒13時~18時勉強⇒18時夕食・入浴⇒19時~24時勉強
とても規則正しい毎日です。しかしながら、勉強時の私語は一切禁止だったため、ご飯の時と入浴の時しか友人と話ができず、ストレスが溜まっていきました。中には窓に向かって急に奇声を発してしまうクラスメートもいました。
そんなこんなで1週間が過ぎ、最終日、全員で一つの輪になり100回スクワットをしました。これが合宿の最終日恒例の儀式だそうで、団結力を高め、今後の学習意欲につなげていくためのものだそうです。そうして謎の合宿が終わりました。
1日10限!?
この高校は、1限の時間は45分間です。7時半から始まります。そしてなんと、10限まであるのです!!表向きには8限と言われていますが、朝補習と放課後補習があり、2限分追加されています。あおして補習という名前にもかかわらず、全員強制的に参加です。
3年生になってからは、10限に加え、夜間自習が加わり、11限になりました。私は自宅が遠かったため11限には参加することができず、10限生活を続けていました。3年生では毎週土日に模試が実施されるため、1日も休みがありませんでした。卒業までの1年間、結局1日も休日がないという生活を送っていました。大みそかの夜、担任の先生に「明日は正月だから10時登校でいいぞ」と言われて皆で大喜びしたことを覚えています。
自学スペースという名の廊下
この高校には自学スペースという名の廊下が存在します。廊下の壁に向かってテーブルと椅子がずらりと並べられており、職員室の入り口までつながっています。つまり放課後はそこで勉強をし、わからないところは職員室に行きすぐに質問できるというシステムです。最初は異様な光景だと思っていましたが、このシステム、使ってみたらとても便利。家でわからない箇所に悩むよりも苦手な科目は自学スペースでやって帰ったほうがスムーズです。
そんなわけで、私は高校3年間一切塾に行かずに第一志望の大学に合格することができました。
まとめ
独特な校風である私の母校ですが、卒業して思うのは、素晴らしい先生と素晴らしい仕組みに恵まれていたなということです。私たちに休日がないということは、先生たちにも休日がないということです。担当してくださっている先生だけでなく、担当外の先生も質問や相談に乗ってくださいました。違う高校へ行った中学時代の友人からは、「やばい学校」とか、「怖い学校」とか言われていましたが、私は自分に合った最高の高校だったと感じています。実は、昨日夢にあのころ頑張っていた授業の風景や、クラスメートが出てきたため、今回noteに残そうと決めました。
目標に向かって頑張るとき、その向かう方向を向いているのは自分一人ではなく、支えてくれている方々がいるということを、高校時代の経験はいつも私に思い出させてくれます。
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