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映画 鳩の撃退法考察

 (映画5回目の後、誤解部分修正)

映画4回鑑賞、原作完読。面白かった!映画もややこしいけどその比じゃないくらいややこしい😅 風間俊介君がでてなければ映画も見なかったろうし、まして絶対読まないタイプの本。でも読み終えて楽しかった!後半のワクワク感。映画で疑問に思ってた事の解答もあったりしてね。これまたややこしい糸井重里さんの解説にも、書いてあったように、この小説は楽しむもの。まさにゲームなのよね。私は世代的にイマドキのゲームを全くしないけど(20年以上前に初期のドラクエやFFはやった)RPGやジャンルを何というかわからないけれど、折々に選択させるゲームのように、解答を読者に委ねられている。でも別に正解も自分で決めていい感じ。だからミステリー好きな方なんかには、逆にスカッとしないし不評なのかなあ? 総括しようと思えば思うほど、それは、私の勝手じゃん、という気にもなって、まあ自分の為の覚え書きとして殆ど使わないnoteを利用してみる。(文体が佐藤正午さん風だね😅)

☆事実である確率の高い事

高円寺(原作では中野)に存在する、津田 鳥飼(原作では同僚ヒラコも) 加奈子先輩とその言動 但し津田の言っている事はフィクションの可能性もある。又、この店オリビアに訪ねて寄付金3000万円の領収書を渡しにきたネバーランド事務局の堀之内と、誰だか謎だが、津田が昔コーヒーで汚した愛読書「ピーターパンとウェンディ」を返しに来た男(幸地秀吉と希望的推測)

加奈子先輩が、富山出身で後輩のまえだから紹介を受けて(年下の先輩とは、単に歳をごまかしているだけかと)津田を雇ったわけだから、津田の富山での生活や仕事は、粗方事実。そして皆が何となく知っている倉田という闇組織の人物も存在するのだろう。(津田は顔を知らないはずだが、寄付金に倉田も関係している。原作では子分の大河内)

新聞記事になっている事件も事実

一家3人行方不明事件 ニセ札事件 ダム底から男女遺体発見(これは、原作未読映画のみの鑑賞後、晴山と奈々美と推察したが、原作で遺体は、晴山と若い女性と判明している。加賀まりこ(原作では高峰秀子)かもと思ったが、映画では後日ビデオカメラを含む彼の荷物の処分を津田に頼んでいるので、又別の女性。少なくとも奈々美ではない。)

鳥飼なほみが、小説のフィクション性を確認すべく行って見てきた富山の様子も事実。(かつらを被ったのは、色々調べているのが倉田組織にばれて身バレするのを恐れて。簡単すぎるが)冷静に考えると、床屋まえだや、行方不明一家の家や、クリーンセンターは存在しても問題はない。行きつけのカフェで仲良くなった沼本(原作の津田は、富山では愛人も含めて何人もの女性が周りにいたが、映画では愛人慎改と、仲良し沼本、に集約)がいてもおかしくない。ソニーハンディカム貸し借りも。SDカードの中身はともかく。確実なのは、それくらいでしょうか?

3000万円とピーターパンのストーリーは非日常的だが、全く別の小説ネタにもならない現実があるのかもしれない。

☆以降は、私が勝手にこんな現実じゃないかと思っている事

富山のあの街で商売している人は、倉田の組織を知っていてみかじめ料なども払っている。デリヘルの社長も、房州老人も、沼本の父も、噂が集まる床屋まえだも。慎改不動産屋も。最初、津田が多々良達にやられたのは、慎改の別居中の夫が多々良レベルと親しくて頼まれて妻の愛人の津田を襲った。それを見ていた房州老人だかが、倉田に連絡して、倉田がデリヘルの社長も懇意だから津田が勝手に商売をやってるわけではない、と電話でやめさせた。房州老人は、作家として本当に津田のファンで遺産は献上して立ち直り作家活動してほしいと望んでいた。

夜中のカフェでいつも本を読んでいる男、幸地秀吉には、やはりリアルに話しかけててほしい。名前は言い合わないかな?職業(水商売と元小説家)は、当てたり推察したり。ピーターパンの話からつい秀吉は家族、特に娘は実子でない事まで話してしまう。秀吉の本の「違う場所で会ってたら」は、最後に高円寺で会う伏線。フィクションかも。

慎改と津田の不倫は、本当として彼女の知り合いの幸地一家行方不明が、カフェであった男というのは、狭い世界だからありとしたい。じゃないと最後のネバーランドへの寄付やピーターパンの返却に結びつかない。

奈々美は、映画だとただの淫乱な感じだが、原作だと夫と倉田との複雑で強い関係に対する嫉妬や寂しさから、街のプレーボーイ晴山に引っかかっている。この説を私は好む。

倉田と秀吉は、ネバーランドという養護施設で兄弟のように育ち、その後闇社会に進んでしまった。倉田の秀吉への思いはかなり強く、秀吉の方は若干、被支配者意識が強い。好きというより絶対服従感。奈々美の前の男性 欠端の行方不明殺人も倉田は絡んでいる。秀吉の奈々美やその娘、茜に対する思いも単なる男女の愛よりも家族への憧憬も含めてかなり強い。新たな妊娠の嫌悪感よりも家族への思いが勝ってしまうほど。ピーターパンの奇跡の言葉に助けられて。

偽札事件は、確かに倉田は一枚噛んでいるだろうが、津田はどうなのだろう。3万円のくるくるした展開は、映画でも小説でも一番面白いところだが、ちょいと出来過ぎな気もして、ここはフィクションかもしれない。房州老人が闇社会と少し絡んでいて、遺産の中に偽札が混じっていた、辺りが現実的かな。偽札の1万円はまえだで使ってしまったり、幸地が気になってスピンには、行ってしまう。女好きだからギンコさんとは出来てしまう。それにいちゃもんつけられて、怖くなり3002万円を倉田一味に渡してしまう。ピーターパンは、酔っ払ってスピンに忘れてきてしまう、というあたりが現実的?7月の話だが、既に秀吉は、倉田に匿われているから、繋がっていてピーターパンは手に入る。デリヘルの社長も前田も倉田と繋がっているので、当然高円寺の津田の居場所も知っている。

さて遡って2/29の夜の晴山、奈々美、そして秀吉の加わった大乱闘。映画だけ見ているとここが一番、フィクションぽいが、実はここが、案外本当だったりして。倉田は、大切な秀吉まで何故子分達にやられっぱなしにしたのかは、謎。自分の始末したい奈々美をあくまで庇う秀吉に対するお仕置きか。殺させはしない。ピーターパンのように手を叩く場面も御伽ぽいが、一瞬子分達は、気を取られている間に余力で晴山は、車で暴走し、その瞬間秀吉は、奈々美と見えないが茜を連れて逃走。(倉田の車で、というのがポイント)奈々美は、原作では、本来秀吉を変わらず愛しているので3人でやり直そうという必死の気分である。晴山は、そのまま暴走し、数あるガールフレンドの誰かのところに。そして彼女を乗せて必死に逃げる。死ぬつもりはなかったが、暴走の果て事故に遭いダムに沈む。ここは、原作でダムの遺体は、晴山と若い女性とネタバレがあった。

(皆さまの考察で面白くてなるほどと思ったのは、鳩の撃退法は、表の意味は偽札で、裏の意味は、伝書鳩=郵便職員 晴山 とか。単純に鳩の群れで手を叩くと鳩は飛んで逃げていく、事とピーターパンのどうしようもない時の解決法をかけている、というもの)

さて幸地一家は、倉田の庇護の元に生き残る事を決意した。名前を変えたかもしれない。原作では、高円寺ならぬ中野に会いにきた秀吉らしき男は、左手だけ手袋をしていた、というのも不気味である。指紋を消された(それなら右手も、と思うが)あの時、子分にやられた、とか。あるいは闇社会の掟でケジメをつける為に指を詰められたのかもしれない。奈々美は、晴山を思い出すお腹の子を中絶したがったが秀吉は、許さない。そこで、その赤ちゃんを自分が育ったネバーランドに預け、また自分達は元通りの3人家族で日本のどこかで暮らすことになる。その決意に共感した倉田がネバーランドに3000万円寄付をする。色々な奇跡をもたらしたピーターパンの本を秀吉は、津田に返却し、自分の生存を伝えようとした。という結論。

(少し怖い事まで想像した。倉田の秀吉への思いが強すぎて、パイプカットさせたのでは?とか。原作で、鳥飼が「ゲイですか?」と聞いたら津田は激しく否定していた。それ以上もっと複雑で怖い関係なのかもしれない……寝ながらふと思いついたのでこの点修正、倉田は、闇社会の人間でかなり怖い人物だか、秀吉に対しては実の兄や父のような深い愛情を盲目的に持っているから上記のような事はやはりないと。ただ、秀吉はとても愛に飢えた、特に母親喪失からの女性への愛が強いので思春期の頃に女性に妊娠中絶などの問題を起こしたのでは?恐らく無認可で劣悪な環境、人権意識の全くなかった当時のネバーランドが彼をパイプカットしてしまった。倉田は寧ろその悲劇で益々秀吉に対しての盲目的愛情が高まったのだろう。又、秀吉の濡れ場は、母を見つめる赤ん坊のような表情だった(これはファンの痛すぎる妄想^^;)倉田の愛する秀吉の愛する奈々美の2番目の子供を預けるのだから今後は、倉田が目を光らせて健全な施設になるだろう。幸地ファミリーは2番目の子を見守りながら管理人をしているかも)

以上 本当に勝手な私の「鳩の撃退法」の考察。結末は、あなたが決める、となっているから決めちゃいました。自分の為の覚え書き




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