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プロダクトマーケットフィット(PMF)

Airbnb、Coinbase、Dropbox、といった世界的なスタートアップを育てていることで有名な世界的アクセラレーターであるY Combinator(通称 YC)。そのYCでマネージングディレクターの Michael Seibel が考えるプロダクトマーケットフィットについて紹介したいと思います。

以下、Michael Seibelのブログから要約

プロダクトマーケットフィット(PMF)とは?

プロダクトマーケットフィット(PMF)に達したというスタートアップの創業者と話してみると、実際はまだ到達していない、ということがよくあります。この見極めは非常に重要です。なぜならば、大量に人を雇ったり、毎月のキャッシュバーンを増やしたりする、転換点になるからです。

まず最初にMarc Andreessen (西海岸ベイエリアの超有名VCであるアンドリーセン・ホロウィッツの創業者)の言葉を借りたいと思います。彼はPMFを下記のように定義しています。

  • 製品を作るのと同じ速さで顧客が製品を買っている、あるいは、サーバーを増設するのと同じ速さで使用量が増えている状態

  • 顧客から得たお金がどんどん積み上がっている状態

  • 営業やカスタマーサポートのスタッフをどんどん雇う必要がある状態

Andreessen の定義をシンプルに言い換えると、「利用者が増えすぎて対応に精一杯になっている状態」と言えるでしょう。この状態になって初めてPMFに達したと言えます。

創業者はしばしば、従業員数や大規模な資金調達によって、製品/市場適合性に到達したことを示そうとします。しかし、実際に注目すべきなのは、製品を購入したことで顧客がどれだけ幸福になっているか、そしてそういう顧客を必死に増やそうとすることです。前述の状態になるまでは、なるべく無駄を省き、少数精鋭の小さなチームでリーンに稼働することが重要です。

PMFを見つけるとは、市場に注目すること

スタートアップの多くは、ソリューションに固執しすぎ、課題が何だったのか疎くなりがちです。課題がすなわち市場であり、そこに真のチャンスが存在します。プロトタイプでローンチされたバージョン1の製品の大抵は、課題を間違えて捉えています。しかし、恐れずにプロトタイプをローンチし、顧客と話し、改善することによってのみ、PMFに到達することが可能です。天才と言われるアントレプレナーは、注目する課題設定を正しく捉えることが可能な人たちです。Andreessenも言っているように、「市場(課題)がスタートアップから製品を引き出してくれる」のです。

Sequoia(アンドリーセン・ホロウィッツ同様に西海岸の超有名VC)では、「髪の毛が燃えている」顧客を見つけることの重要性について話しています。もう少し、わかりやすく例え直すと、もし、今隣にいる友人の髪に火がついていたら、彼女・彼の頭の中は火を消すことで一杯のはずです。他の何よりも火を消すことが最優先となります。その状態の友人にあなたがレンガを渡したとしても、おそらくレンガを掴んで頭を叩いて火を消そうとするでしょう。つまり、顧客が中途半端で不完全な解決策であっても、試してみたくなるような、切実な課題を見つける必要があります。

YCでは、創業者にプロトタイプ・MVP(minimum viable products)を作ることを勧めています。良い市場(課題)を捉えていれば、MVPであっても顧客は試行し、フィードバックをくれます。そのフィードバックを製品に反映しているくことでバージョン2,バージョン3、、、とつながっていくのです。スタートアップのような小さな会社が大きな会社に比べて持つ利点は、迅速に行動できるスピードと、いい意味で顧客があまり期待していないということです。繰り返しになりますが、PMFに到達するには、顧客が抱える真の課題が隠れている市場を選び、素早くローンチし、改善を続けることです。


出典:The Real Product Market Fit


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