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デジタルヘルスケアスタートアップの資金調達が減少、2019年程度で推移(アメリカ)

第3四半期(7月-9月)デジタルヘルス関連資金調達は2019年程度で推移

デジタルヘルスを専門とするVC、Rock Healthの最新レポートによると、デジタルヘルス企業は第3四半期に125件のディールで22億ドルを調達し、2022年全体では最小の資金調達額となった。2019年の第4四半期以来の最低額(2019年第4四半期は21億ドル)。

第1四半期が61億ドルで、2020年同期の67億ドルから減少しており、その後、第2四半期の資金調達額は41億ドルに(前年同期は83億ドル)。第3四半期を含む2022年通年の資金調達額は458件・126億ドルとなっており、「異常値」だった2021年の半分にも到達するか怪しい。なお、調達額は第2四半期の42億ドルから48%減少したが、件数は14%減少にとどまっている。

自宅採血デバイスのTassoがテレヘルス企業と連携

9月にFDA認証を取得したTassoは、Catapult Health との提携を発表した。患者自身が自宅で採血出来るようにするデバイスをCatapultの患者に提供していく。Catapultは3,500社、200万人以上に予防医療サービスを提供しており、年1回の遠隔健康診断(バーチャル検診)の一環としてTassoの採血デバイスを採用する予定。

このデバイスにより、糖尿病、心臓病、高血圧などの慢性疾患の危険因子を自宅で採取した血液サンプルで特定することが可能になる。デバイスは針がついたランセット装置で、上腕に装着し、ボタンを押すだけで毛細血管から血液を採取することができる。血液サンプルは、Catapultの検査機関に郵送し、結果はオンラインで受診者に連絡される。

https://www.fiercebiotech.com/medtech/tasso-ties-its-home-blood-sample-collectors-catapults-virtual-checkups

医療記録に患者がオンラインアクセス出来ることを義務化

今月施行される法律により、医療機関は患者にデジタル形式で完全な医療記録への自由なアクセスを提供する義務が発生する。
21 Century Cures Actと呼ばれる新しい連邦規則は、患者が自分のデータを入手できるだけでなく、それを共有する相手を選べるようにする。これまで医療機関が保持していたデータの所有権を変化させることを目的としている。銀行の預金データを顧客が自由に扱うことが出来るように、医療データも患者が自由に扱えるようにするという。

しかし、本当の意味で患者によるアクセスが普及するにはまだ課題が多く残っていると専門家はいう。アクセスのためのプロトコル、アクセス権の確認方法、「すべての医療記録」の定義、などがまだ曖昧な状態だという。ICUで測定されたような細かなデータや、関連する電子メールも含まれるのか、また、データの標準化も今後業界として取り組んでいく必要があると関係者はいう。


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