“バンコク共通”の旅しおり①「タイ行きタイ♪」のノリだけで行くな!
38.6度の発熱。PCR検査の結果は陰性。弊社にコロナ特別休暇はもはや存在しないし、インフルエンザのような特効薬があるわけでもないので、全方位から「で?」と言われる結果のために4,550円。
溜まっていた有給休暇が淡々と消化されていき、自分持ちのタスクはじわじわと積みあがっていく。少しでも進めないと……という献身的なやる気は、身体じゅうを包み込む鬱々とした熱と、左右からグーで頭をドリルされるような鈍痛に、完全敗北した。ドリルすな。
今年も、夏(風邪)が来た。
という話を展開する気はさらさらなく、先週タイに行った話をします!!
社会人2年目の1年間だけ狂ったようにタイ俳優にゾッコン(死語?)だった日々からは考えられないほどタイドラマモチベゼロの2023年夏、純粋にタイを楽しんださまをご覧ください。
胃袋で見せつけろ、ナショナリズム
羽田空港に新国際線ターミナルビルがオープンしたのは2010年。私のJC時代に遡る。
初めて母と来たときに圧倒された江戸の街並みは、13年を経ても変わらず綺麗に整頓された“日本風”を演出している。
赤に塗られた橋が架かって、木造の瓦屋根が並び、提灯にはぼんやり暖色のLED。
波紋柄の手ぬぐいや日本画がプリントされたTシャツ。同じようなヘアアイロンが大量に立ち並び、値札の隣にはMade in Japan!!のポップ。
同行人がメニューや立看板で何かしら英語表記を見つけるたびに一言。
「海外に媚びるな!」
=== ===
深夜便前の腹ごしらえで、選ばれたのは広島風お好み焼きでした。
香ばしいソースの香りを店外にまき散らしていて、さすがに公害。絶対美味しいやんけ!!!
店内は満席で、15分ほど並び入店。ぱっと見で日本人より外国人のほうが多そう。みんな長旅の帰りなのだろうか、客の表情が暗い。
左隣には韓国語が飛び交うカップル。自分たちが注文し終える頃には退店していった。
とんぺい焼きとお好み焼きを、3分の2以上残してーー
右隣には欧米っぽい家族連れ4人。全員浮かない顔でジュウジュウ唸る鉄板の上をちびちび食べ進めている。
おいおい。
全員、日本のお好み焼きにテンション下がってないか?
ソースとマヨネーズ文化を受け入れられないのか?あ?
ソースが染みに染みた麺も鎮座する広島風、しかもオムそば風と来てふわふわ卵も乗っているというのに?
なにシケたツラしとるんじゃワレ!
……悔しかった。日本を代表する最強B級グルメ(唐突ですが、B級とか勝手にランク付けされるお好み焼きの気持ちにもなってほしいですわな)、この神格的な味が世界に受け入れていないことが、とてつもなく悔しかった。早めに出されたハイボールだけを飲み進め、苦い炭酸がギュッと喉を締め付ける。
されど他人、ましてや日本料理を食べ慣れていない外国人の味覚をどうこう言っても仕方がない。
私が、私たちがちゃんと全部食べるからね。
大量に残された鉄板を真顔で片付けている店員さんを横目に、誓いを立てる。
25歳少女は、その小さな胸に大きな野望を描いた。
人口減少が止まらない我がニッポン国の、この味を守りたい。この重々しい空気のなか、周囲に全力で美味しさをアピールしながら食してみせる。広島風お好み焼き(もちろん関西風も両方好きですが、ここで「お好み焼き」と表記してしまうと、まるでお好み焼き=広島風のように聞こえて良くないな、と関西出身者に注意されたので配慮しました。生きづらい世の中ですね)が紛れもなく正義であることを、世界に知らしめようじゃないか。生まれ育ったこの国に、その忠誠心を見せるときが来た。
さあ来ました海鮮オムそばお好み焼きとキムチオムそばお好み焼きと牛すじ焼きそば・・・
おいおい。
ちょっと1人分多くね?
お好み焼き1個でも大きすぎる・・・
なんか全然写真で伝わらないけどめちゃ大きいし1人前じゃないたぶんこれ・・・
みんな重々しい表情だったのって、
おなかいっぱいの顔だったのかも。
そして今回まだ羽田かも・・・
次回、「🇹🇭に到着!〜ペニッペニ、ペニッペニ、ペニンシュラバンコク〜」
読んでねっ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?