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葬送のフリーレンの魅力

葬送のフリーレンのアニメが最終回を迎えた。
毎週楽しみに待っているアニメの1つだったので、終わってしまってとても悲しい。
続編を信じて待ちたいと思う。

折角なので、今回は葬送のフリーレンの魅力を語りたいと思う。

葬送のフリーレンは凄く珍しい物語である。
勇者が魔王を倒す話を描く物語が多い中、葬送のフリーレンはその後の物語を描く。
その後を描いているという時系列だけでなく、葬送のフリーレン自体、魔王を倒すといったら劇的な展開はない。
アウラの話、一級魔法使いの試験の話など、物語の展開はあるものの、強い感情(悲しみ、怒り、喜びなど全て)が生じる話としては描かれず、あくまで平凡な日常の1つとして描かれていることに、統一的な世界観がある。
主人公のフリーレンは、この世界観にあった(あわせた)性格で、「感情の起伏がない」とハイターに紹介されているように、楽しそうな姿は見せるものの、強い感情を見せることは少ないのである。

そして、こうした世界観だからこそ、強い共感を覚える物語になっていると感じる。
我々の生きる世界は、冒険のようなことは少なく、これまでの歩みを踏まえた日常である。
日常や世界は変わっていくけれど、劇的に変わるわけではない。
強敵を倒すような達成感、開放感を味わうことは、人生でそう多くない。
そこそこの敵とそこそこの戦いをして、そこそこの人助けをしたりされたりする。経験を経て、ちょっとずつ成長する。
そんな些細なことで溢れる日常を過ごしている。
でも、そんな些細なことが愛おしい、素晴らしいのだと、フリーレンが、ヒンメルが、全ての物語が、教えてくれるのである。

ウクライナやガザ地区の戦争など、日常を過ごすことが難しい世界もある中、些細なことで溢れた今の日常への感謝の気持ち。

葬送のフリーレンは素敵な物語だと思う。

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